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2024.01.16

2人に1人が受験する地域もあるが…「わが家が中学受験をしなかった」理由を聞いた

中学受験をする子が増えてきています。東京都教育委員会の調査によると、2023年の私立中学への進学率は、東京都文京区で49.50%、中央区で43.14%。これって、ほぼ2人に1人が受験しているということ。そこで、中学受験の人気が高まる中、「受験をしない」という選択をした家庭に対して、その理由を質問しました。

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「わが家が中学受験をしなかった」理由

2人に1人が受験する地域もある中、あえてその選択をしなかった家庭にはどのような事情があるのでしょうか? 「ソクラテスのたまご」がアンケート調査すると、大きく3パターンに分かれました。

1.そもそも中学受験をすることを考えなかった

中学校は受験する必要性はないと思ったからです、中学校までは勉強よりもどちらかというと友達と遊んだりスポーツをしたりとさまざまな経験をさせ自由に過ごしてほしいなと考えていたので中学受験は一切検討しませんでした。

私が中学受験経験者で、地元の友達が誰も居なかったことが今でも心残りなので、地元で学んで友達をいっぱい作ってほしいなと思い、子供には受験を私から勧めることはしませんでした。本人も受験をする気がなかったようなので、結果検討しなかったです。

そのまま校区内の中学校へ行くこと以外は最初から考えていませんでした。なにより、本人の希望で、友達関係が主な理由だと思います。それと、勉強が苦手なため、中学受験のための受験勉強をすることはできなかったと思います。

実は、中学受験率は地域によってかなり開きがあります。文部科学省がおこなった令和2年度学校基本調査によると、東京都の中学受験率は約25%、兵庫県は約9%、宮崎県は約6%。2人に1人が中学受験する地域もありますが、一方で、公立校に行く子のほうが多いという地域も珍しくないのです。

また、公立小学校に通っているお子さんは、私立中学に進学すると友達と離れてしまうため躊躇することもあるようです。

2.子どもの「受験しない」という気持ちを尊重した

子ども本人が「中学受験はしたくない。中学は近くの公立中学に行きたい」と言ったことが一番の理由です。親としても小学校は思い切り遊んで、中学は近くの公立中学に通って、受験は高校からでいいと考えていたので、子どもの希望通りにしました。

親としては、国大付属や中高一貫校などへの進学も勧めたが、なかなか本人の気持ちが、その気にならなかった。無理やりに受験させてもと考え、少々親としては残念な気持ちではあったが、本人の意志を尊重し、地元の公立の中学校への進学を決めた。

子どもの意思。小学校高学年の頃に周囲が中学受験を意識し始めて塾へ通う子が多くいました。我が家も子ども本人へ中学受験について説明をし、希望があれば中学受験へチャレンジすることも可能であることまで伝えました。しかし子ども自身、当時は受験や合格後のイメージもできなかったようです。本人自ら受験をしない選択をしたので中学受験はしませんでした。

親がどれだけ本気で勧めても、子ども本人がやる気にならなければ意味がありません。親の希望は叶わなくても、「子どもの人生だから」と本人の意思を尊重する家庭も多いようです。

お子さんが「この中学でなければいけない理由」「中学受験をすれば自分の人生にどう役立つのか」などに気づければ、それが積極的なモチベーションになるでしょう。

3.近くに受験してでも入りたいと思う中学校がなかった

中学受験を検討して、色々と学校を調べてみたが交通の便が良くて、ドアドアで45分圏内だと受験してまで特に行きたいと思える学校がなかった。大学の進学実績もそこまで良いわけでもなかったので普通に公立中に進学した。

同じ小学校の9割が同じ公立中学校へ進むような地域なので、友達も誰も受験はせず、子ども本人に受験したいという意識がまったくなかったから。周辺の私立中学の中で、特に子どもが魅力的に感じる学校が一校もなかったから。

中学校は公立の地元にある中学校に通う選択をする子が大半です。うちも中学受験に必要性を感じず中学受験をするとの選択にはなりませんでした。田舎なので私立に行くとなると1番近くてもスクールバスが出るにしても片道40分はかかるので近場でいいと思った。

中学受験に興味はあっても、いざどの学校を目指そうか調べると、理想の条件とうまくマッチせずにあきらめる家庭も少なくないようです。あまり遠方すぎると子どもの負担になりますし、近くても「ぜひこの学校にしたい」と思えるような理由が見当たらなければ、やはり受験の意義が見出せないでしょう。

経済的な理由や「子どもが勉強好きではないから」という声も

アンケートには、それ以外にもさまざまな声が寄せられました。親心や、子どもを想うがゆえの葛藤がうかがえます。

まわりの子どもたちが公立の中学校に行く子が圧倒的に多く、周りの影響から中学は公立しか考えていませんでした。また、経済的にも私立は選択肢に上がりませんでした。受験のために勉強するということがまだ考えられませんでした。

経済的に厳しかったのが一番の理由です。私立中学に通わせるお金だけではなく、受験までに支払う塾の利用料金や模擬試験代などを考慮すると、わが家では経済的に難しいという判断です。また私自身は大学までずっと公立でしたので、それで問題ないと思っています。

子ども自身が勉強を自分からする子ではなく、どちらかと言うと嫌いだと主張するし、親としても全く無理やりさせるものでもないあるいは、させようとしてもしないタイプなので、子供の気持ちを優先して検討もしませんでした。無理にさせて合格しても行かないような子なので、全く考えもしませんでした。

受験して行くような中学校は、地域には1つしかなく、当時そこまでの学力ではなかったし、本人が小学校からの友達と一緒に中学校生活も送りたいとの希望だったから、受験しようとも思わなかったです。受験をするのはクラスに2名程度しかいません。

ほかにも、経済的な事情や、子どもが勉強好きではないなどの性格特性、親が学習をフォローできないといった、さまざまな理由も挙がりました。そして“受験しないのが普通”と検討さえしなかったという家庭も見受けられます。

一部地域では“中学受験フィーバー”が起きているようですが、別の地域では中学受験するほうがめずらしいことも。一部報道では「2023年、小学6年生のおよそ4.65人に1人が中学受験!」などと伝えられていますが、この数値はあくまで平均値であり、まだまだ地域格差がある印象です。

2人に1人が中学受験する地域もあるものの、一方で、中学受験するほうが珍しいというような地域も少なくありません。お子さん本人の意思を大事にしながら、ご家族で納得できる進路を選べるといいですね。

<参考資料>
文部科学省 令和2年度学校基本調査(確定値)の公表について
NHK どうする?中学受験~あなたの街の私立中学校の進学率は?

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「ソクラテスのたまご」編集部

大人のための子育て・教育情報サイト「ソクラテスのたまご」で、子育て・教育の専門家150名以上の取材協力や監修のもと子育てに関する確かな情報を発信中。子育て・教育の悩みに特化した日本最大のオンライン相談サービス「ソクたま相談室」を運営。編集部員は、全員が子育て中の母親、父親です。|公式インスタグラム公式LINE

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