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2023.05.30

PTA代行サービスに賛成69%も、「外注するのはいいけれど…」保護者が疑問やモヤモヤを感じるわけ

PTAの活動を代行・外注する新しいサービスが出てきている昨今。子どもを学校に通わせる全国の子育て世代は、このサービスについてどう感じているのでしょうか? 『ソクラテスのたまご』が全国の小中学生の子どもを持つ子育て世代にアンケートを実施しました。賛成と反対、それぞれの声を紹介します。

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PTA代行サービスとは

PTAとは、Parents(保護者)、Teacher(先生)、Association(組織)の略で、子どもたちのすこやかな成長をサポートするために、保護者と先生、また学校や地域社会が互いに協力し合ってさまざまな活動を行う集まりのことです。

PTAの活動は学校によってさまざまですが、下記のようなものがあります。

  • 運動会などの学校行事の運営サポート
  • バザーなどの学校や地域イベントの運営やサポート
  • 子どもの安全や防犯のための地域パトロール
  • PTA主催の講演会や特別授業の企画開催
  • PTA広報誌の作成

長きにわたり日本の教育現場で活動を行ってきたPTAですが、共働き家庭が増える中、その意義に疑問を感じる人が増えています。仕事や介護などの合間に活動を強いられたり、人間関係のストレスやトラブルがあったりと、PTA活動が保護者の大きな負担になっているからです。

そうした保護者の負担を軽減するために生まれたサービスが「PTA代行サービス」。2022年8月に、大手旅行会社の近畿日本ツーリストが「PTA業務アウトソーシングサービス」の提供を開始し、話題になりました。

大手旅行会社が「PTA業務代行サービス」開始。「それって、本当に必要?」保護者ら疑問
大手旅行会社が「PTA業務代行サービス」開始。「それって、本当に必要?」保護者ら疑問
PTAの活動って、本当に大変ですよね。半強制的なボランティアのために、「有給を取らなければならなくなった」「徹夜で作業した」など泣きを見たことのある保護者も多い.....

このサービスは忙しい保護者に変わり、学校行事やイベントの企画運営、事務作業や会計等の人材派遣、広報誌などのデザイン作成や印刷など、PTA活動に関することをサポートしてくれる有料のサービスです。

PTA代行サービス、どう思う?

今回、『ソクラテスのたまご』は全国の小中学生の子どもを持つ子育て世代101人にアンケート調査を実施しました。その中で「PTA代行サービス」についての賛否を聞いたところ、賛成は69%、反対は11%、どちらでもないが20%となりました。

賛成意見が多い中、PTAの活動を代行するということに疑問やモヤモヤを感じるというコメントもありました。賛成・反対それぞれの、具体的な声を紹介します。

PTA代行サービスに「賛成」。その理由は?

「賛成」と答えた人から圧倒的に多かったのは、「負担やストレスを軽減できるなら、お金を払っても利用したい」という意見でした。また、「プロにお願いしたほうが効率的で、よりよいものができるのではないか」という声も多く挙がっていました。

保護者の負担を考えると外注することに賛成します。PTA活動を行う役員の負担についても係によって負担の割合がバラバラで、役員のやり方に不満を持つ方もいるからです。それなら外注して料金を負担したほうが余計なトラブルを回避できて良いと思います。

(30代後半 女性 島根県)

役員決めから始まって1年間継続する保護者や教職員の負担を考えると、外注もアリだと思います。実際、自分であればいくらか料金を払ってPTAを免除されるのなら支払う方を選びます。月1日有給休暇を取得してPTAに参加するよりは、負担金を支払った方が精神的にも経済的にも楽です。

(30代後半 女性 神奈川県)

共働き世帯や核家族化のいま、PTAで無報酬で仕事をさせるのはおかしいと思います。1日ならまだしも毎月のように集まり活動するのは負担になるため、お金を出して外注すべきです。やりたくない仕事を無理やりさせるのは間違ってます。

(30代前半 女性 千葉県)

代行、外注業社ということでしたら、PTAの活動を専門でやっているので安心できます。また専門での外注を請け負っているならば、いろいろな学校での経験もあると思うので経験を活かしたPTAの活動をしてくれると思います。

(40代後半 男性 千葉県)

PTA代行サービスに「反対」。その理由は?

賛成の声が多く挙がる一方で、PTAの代行に対し、「教師や保護者が協力して行うのが本来のPTAの目的だから、外注することに違和感を感じる」という声も見られました。また、費用に関する疑問の声や、そもそもPTAが本当に必要かどうか見直しが必要なのではないかという意見もありました。

PTAが抱える問題や課題を解決するための根本的な解決策とはなりません。PTAの活動は、教師や保護者が協力して行うことで、より良い学校生活を実現することができます。代行・外注サービスを利用することで、PTAのメンバーの関心や参加意欲が低下してしまう可能性もあります。

(40代前半 男性 神奈川県)

PTAの仕事を手伝っているほとんどの人がは、自分の子どもが通っている学校に、感謝の気持ちを持って活動しています。そういう気持ちなく、事務的に手伝うのは、ただの「業者」であって、PTAの代わりにはならないと思います。

(40代後半 女性 兵庫県)

代行や外注するようなPTA活動自体が本当に必要なのか、今一度考えた方が良いと思う。今は昔と違って少子化になっていて共働きも増えている。PTAという組織が始まった時には必要な活動だったのかもしれないが、生徒数自体も少ない今の時代に本当にその活動が合っているのかと思う。

(40代後半 女性 北海道)

そもそも、PTAの仕事を外注にだして、お金を支払う必要がないと思います。そのお金は誰が払うのでしょうか?どうせ保護者の負担になるのでしょう。PTAの外注業務で儲ける企業がでることも不愉快ですし、必要のないPTAの仕事自体もなくなればいいと思っています。

(50代前半 女性 新潟県)

時代の変化とともに、従来のPTA活動の在り方にも変化が求められているのかもしれません。

※コメントは原文ママです
※2023年6月4日、掲載内容を一部修正しました。

<参考資料>
近畿日本ツーリスト株式会社 子育て世代と学校を応援!業務の委託先をワンストップで提案する「PTA業務アウトソーシングサービス」開始(PR TIMES)
日本財団ジャーナル編集部 強制加入、平日活動……。保護者にのしかかるPTA活動の負担。見直すべき運営のあり方

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