国際社会で活躍できるだけじゃない。“日本の教養を持った人”を育てる話題のインターナショナルスクール「AIC国際学院」のこだわり
今注目を浴び続けているグローバル教育。2022年から2023年にかけて、インターナショナルスクールやボーディングスクールの開校ラッシュが続いています。そんな中、2021年から3年連続でインターナショナルスクールを開校している「AIC国際学院 初等部」。広島校、京都校に続き、2023年春に大阪校を開校する同校の特色や、教育方針をお聞きしました。
目次
AIC国際学院ってどんな学校?
今回お話をうかがったのは、大阪校の校長を務める熊谷さんと総校長代理の得田さん。国際バカロレア認定校の申請を予定している同校では、どのような学びが展開されるのか、その内容をお聞きしました。
得田さん:本学のAICという校名は「Academy for the International Community=国際社会のための学校」という意味で、国際社会に貢献できる人材や、各分野でリーダーシップを取れる人材の育成を目指しています。
初等部に先駆けてニュージーランドで高校、広島で中高一貫校(一条校)を設立しており、すでに多くの卒業生が世界のトップレベルの大学に進学し、活躍しています。
2023年春に開校するAIC国際学院 初等部 大阪校を含む「AIC国際学院」は、インターナショナルスクールの学校群として位置付けており、今後初等部以外にも中等部・高等部も開校を進めていく予定です。
ーー海外の高校や国内の中高一貫校からスタートされているのですね。AIC国際学院では、2021年から順次初等部が開校しています。なぜ小学校から開校したのでしょうか。
得田さん:現在、プリスクール(英語で未就学児の保育を行う施設)に通わせて英語教育に力を入れているご家庭や、保護者の仕事の都合などで海外から日本に来ているご家庭など、グローバルな教育を必要としている子どもは増えています。
本校では、そういったご家庭はもちろん、初等教育から日英バイリンガルの教育を受けさせたいというご家庭の声に応えられる教育を行いたいと考え、初等部からの開校となりました。
世界で活躍する人材にこそ必要な、「日本の教養」
ーーAIC国際学院は、インターナショナルスクールながら日本語教育も充実しており、日英バイリンガル教育が行われることが特色の1つですね。
得田さん:そうですね。我々には日本に住んでいる方のためのインターナショナルスクールを作りたいという思いがあります。そうなると、やはり日本語は必須となりますから、日本語の授業では、日本での生活に必要な知識・能力を身に付け、文部科学省の学習指導要領に基づいた漢字学習を含む、各学年相応の日本語運用能力が身に付くように授業を行っています。
熊谷校長:それに、日本人として国際社会で活躍するとき、日本の文化を知っていることで評価されることは珍しくないんですよ。私は、グローバルなプロジェクトに参加した際、三島由紀夫について語れたことで評価されたことがありました。
ーーグローバルな場で三島由紀夫、ですか?
熊谷校長:海外でも日本文学は高い関心が寄せられているのですが、たまたまその場にいた海外の人と三島由紀夫について一緒に語れたことで、「面白い人だな」と思ってもらえたんです。そこから人間関係の輪や、仕事のつながりも増えていきました。
これは私の一例ではありますが、こうした「日本人である私」だからこその知識や話せる言語があるのは、国際社会でとても価値のあることです。そういった意味でも、日本語の教育は大事にしたいと思いますね。
「国際バカロレア教育プログラム」で期待できることは?
ーーAIC国際学院 初等部 大阪校では、6教科を融合的に学習するという特色も挙げられていますね。「融合的な学習」とは、どのようなものでしょうか。
熊谷校長:一言で言えば、さまざまな「概念」を理解するための学習ということです。これまでの日本の学校では、国語や算数などをそれぞれの枠組の中で学び、その枠組の中で理解度を問われてきました。しかし、複数の教科を融合的に学ぶということは、獲得した1つの「概念」を、国語、算数、理科などさまざまな事象に当てはめて考えられるようにするということです。
私たちは、上記のような学びに最も適しているのが「国際バカロレア」のカリキュラムであると考え、その中のPYP(3〜12歳を対象としたプログラム)に則って学習を展開していく予定です。
ーー仕組みはなんとなく分かりましたが、具体的にどのような学習が展開されるのか、いまいち想像がつきません……。
熊谷校長:それでは、例題で考えてみましょう。以下の問いにどのような主張を立てますか?
技術開発は、20世紀の戦争の結果を左右した要因ではない。2つの戦争を取り上げ、この主張について論じなさい。
出典:IB Diploma Programme Final Exam Past Questions History(November 2016, Paper 2)
これは実際の国際バカロレア資格の取得試験(高校卒業程度)で出された問題です。この問いを議論するには、歴史的な知識や文章力が必要です。そのほか「戦争の結果を左右した要因」に対する主張を立てたときに、数学や科学、芸術の知識をもって主張を裏付けることも可能です。
本校が採用している国際バカロレア教育ではこうした問いを通して、さまざまな「概念」を、実社会を生き抜く上でどのように応用していくのか構想することができるのです。
ーーなるほど。具体的な問いや課題に対して、「概念」を使いこなして解決できるようにするのですね。
熊谷校長:しかし、ただ問いを投げ掛け、答えさせればいいだけではありません。良質な問いと、子どもたちの知識やスキルを存分に生かせるようにする教師のサポートが必要になってきます。さらに、その成果物(回答)だけを見るのではなく、そこに至るまでの思考のプロセスも見て子どもたちの認知特性に応じたフィードバックをすることも重要でしょう。これらの実現を目指すのが、本学の授業ということです。
AIC国際学院 初等部に向いている子どもとは
ーー現代に必要と言われている非認知スキルの伸長にも関わる、魅力的なカリキュラムだということが分かりました。最後に、2024年度以降、どのようなお子さんに入学してほしいと考えますか?
熊谷校長:子どもたちに対して、「必ずこういう資質が必要」というものはありません。本校に実際に体験入学しに来ていただき、学校の雰囲気や学び方に興味をもった子には、ぜひ入学してほしいですね。
1つ言えるのは、「お子さんが他の人(たち)と同じであってほしい」という思いが強いご家庭は、もしかしたら本校とは合わないかもしれない、ということです。
ーーというと?
熊谷校長:本校は、机に向かって姿勢よく座って授業を受けさせ、同じ答えに向かって勉強するという従来の学校スタイルではありません。子どもが一番学びやすい形を尊重し、問いに対する個々人の主張や、そこに至る過程は異なっていることを前提とし、なぜ異なりが生じるのかを見つめることを重要視しています。
そのため、「ほかの子と同じようにできるようになってほしい」と願うご家庭よりも、「自分の子どもとほかの子どもは違って当たり前」と考えるご家庭のほうが、本校の教育に共感していただけるのかなと感じます。
もちろん、個性やダイバーシティという名の下に、自分勝手やわがままを放置するという意味ではありません。互いに異なる人間であることを理解し、学んでいくということです。そうした学びにご理解いただけるご家庭だと、本校のスタイルが合うのではないかなと思います。
得田さん:本校では、そうした方針やカリキュラムをご理解いただくためにも、年間に何度も体験会や説明会を開催しています。不安なことやわからないところがあれば、何度でも来ていただければと思います。
AIC国際学院 初等部 大阪校では、このほかにもSTEAM教育やアフタースクールプログラムなどを用意しており、さまざまな教育のニーズに対応しています。
「海外のルーツをもたない子どもでもグローバルな教育を受けさせたい」という需要が高まっている中、AIC国際学院 初等部は新たな選択肢の1つとなることでしょう。気になった方は、まずは資料請求をしてみてはいかがでしょうか。
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1991年生まれ、ライター兼編集。小学生向けファッション誌のほか、小学校教員向け専門誌の編集を経て、2022年にフリーに。小学校教育や性教育、10代のトレンドなどについて執筆している。夫と猫の3人暮らし。