ある公立小の「PTA改革」で生まれた、無理なくできる地域パトロールの“新ルール”
公立小学校でPTA本部役員を務める三つ子の母の宮瀬とまとさんは、この春、地域パトロール活動の改革に取り組みました。「おかげで仕事休まなくてもよくなったよ!」とママ友に感謝された、新しいルールをご紹介します。
ママ友に感謝されたPTA活動の新ルールとは?
このままではよくない。どんなやり方に変えたら、みんなが幸せになれるかな?
時代や実情にそぐわないPTA活動の実態を目の当たりにした宮瀬さんは、ネットの情報をくまなく集め、新しい仕組みを練り上げます。地域委員の代表者とも相談したうえで、最終的に完成させたのは、こんな形でした。
パトロールの新ルール
- 週ごとに、学級単位で、当番を担当
- 回数(頻度)や曜日、長さは各々の判断で
- ルートは定めず、各自子どもの通学路で
- 報告はGoogleフォームで、危険個所は市に伝え改善を求める
まず当番については、「誰が、いつ、どこで」と細かく決めるのを、一切やめました。「この週は1年2組」「次の週は2年1組」といったように、「週単位&学級ごと」に担当を割り振る形にしたのです。これなら地域委員は、年度はじめにプリントを1枚作るだけで済みますし、個人情報を取り扱うリスクもありません。
保護者は担当の1週間のなかで、自分の都合がいいときに、自分が決めたルートでパトロールを行います。終わったあとは、各自のスマホからGoogleフォームで報告を行えるようにしたので、学校に足を運ぶ必要もなくなりました。自動集計なので、危険個所の情報をまとめて市に伝える地域委員も楽々です。
「もう、会う人会う人に『ありがとう、ありがとう』って言われてます(笑)。地域委員になったフルタイムのママ友からも、『おかげで仕事休まなくてもよくなったよ!』ってLINEが来て、よかったです。みんなハッピーになりました」
大改革じゃなくていい、まずはできるところから
変える前は「そんなやり方にしたら誰もやらないよ」などと心配する声もあったそうですが、結果は逆でした。Googleフォームの報告を見ると、「意外と皆さん、しっかり出てくれている」そうで、校長や教頭先生もとても喜んでいるそうです。
もちろん、ほかにもいいやり方はいろいろあるでしょう。「希望者だけで当番を組む」「地域の方にも参加してもらう」など、PTAや学校によってさまざまな取り組みがあるので、必要に応じて参考にしてもらえたらと思います。
なお、宮瀬さんは今年度、加入届の整備など、さらなるPTA改革に取り組み中です。
本当は本部役員になった昨年度からPTA改革を進めたかったそうですが、事情によりままならず、「できるところからやっていこう」と着手した一つが、このパトロールの仕組みの刷新だったそう。
いま、PTAの古いやり方に悩んでいる人は多いと思いますが、いきなり大改革をめざさなくてもいいのです。可能なところから変えていくだけでも、きっと空気は変化するはず。ちょっとずつでも「みんなでラク」になれる方向を探っていけるといいですね。
―――前編から読む
仕事を休んでパトロール。終了後は学校に行ってノートにサイン……何のためのPTA?
宮瀬とまとさん
2012年4月に三つ子(女の子・男の子・男の子)を出産。夫単身赴任、両実家遠方の中、3人の育児に奮闘する漫画家・イラストレーター。PTA本部の役員として関西の公立小学校のPTA改革に取り組んでいる。
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主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)『ルポ 定形外家族』(SB新書)『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)ほか。ひとり親、定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表