【中学受験・体験談】算数模試でたった5点だった僕が第一志望校に合格した理由
中学受験を乗り越え、現在私立中高一貫校に通う佐藤ゆうじんさん。小学校では成績優秀だったゆうじんさんでしたが、最初に受けた中学受験模試では、算数がわずか5点。しかし、家庭教師のおかげで、母子ともに道が開けたそうです。親子の心の支えにもなったという家庭教師や進学塾の活用法、第一志望校に合格するまでの道のりを話してくれました。
目次
引っ越しをきっかけに、自らが気づいた学ぶ意欲
佐藤親子は、ゆうじんさんが小学校4年生のときに東京都内から他県に引っ越しをしました。もともと住んでいたエリアは都内でも中学受験熱の高い地域。私立中学だけでなく、公立中高一貫校も視野に入れながら、小学校4年生から塾に通うのが当たり前でした。
一方、引っ越し先のエリアでは、中学受験をするのは少数派。クラスの雰囲気も違ったそうです。
「転入した小学校は勉強する雰囲気があまりなくて、遊びたいっていう人が多かったんです。僕は、自分が好きな教科については、もっと勉強がしたいと思っていました」(ゆうじんさん)
自分の学ぶ意欲に気づいたゆうじんさん。一方で、母も息子の変化には気づいていました。
「東京の学校では褒められたことがなかったんですけど、引っ越し先では優等生扱いだったんです。そのことで自己肯定感が高まっているのは感じました」(恵子さん)
引っ越しをきっかけに、学ぶ意欲や自信が高まったゆうじんさんを見て、中学受験を検討し始めた恵子さん。自宅から通えるエリアにある公立中高一貫校をゆうじんさんに提案します。しかし、ゆうじんさんから返ってきたのは「中学受験をするなら、生まれ育った地域の学校に通いたい」という意外な答え。
ゆうじんさんの意思を受け、佐藤親子は都内の私立中学の受験を決意します。
受験のプロが考える中学受験のメリット・デメリットは、以下の記事で解説しています。
小学校と中学受験の算数は別物!模試で5点から始まった受験勉強
進学塾に通い始めたのは小学校5年生の9月から。学校で成績優秀だったゆうじんさんならば、「それなりに付いていけるだろう」と考えていた恵子さんでしたが、その期待はあっけなく崩れ去ります。
「最初に受けた算数の模試が5点だったんです。偏差値でいうと、19くらい。本人はニコニコしてるんですけど、夫と私で絶句してしまいました」(恵子さん)
中学受験の算数は、小学校の算数の延長線ではなく、全く異なるカテゴリーのもの。”旅人算”、”ニュートン算”など、中学受験ならではの問題に歯が立たず、ゆうじんさんは苦戦します。
その様子を見て、11月からはプロの家庭教師に依頼。この判断がターニングポイントだったと、恵子さんは振り返ります。
「家庭教師の先生にお願いする前は、学校の算数は出来ているのに、中学受験の算数が出来ないのはおかしいと思って、怒ってばかりいたんです。てっきり息子の努力が足りないんだと思っていました。でも、家庭教師の先生が、『中学受験の算数は特殊算というもので、方程式の考え方を理解できているか判別するためのものなんです。今はまだそれを理解していないから、出来なくて当然です』って教えてくださったんです。それでようやく、息子の状況を理解できました。そういう風に説明してもらえなくて、私みたいにヒステリーになってしまったお母さんが、たくさんいたんじゃないでしょうか」(恵子さん)
ゆうじんさんにとっても、この家庭教師から得たものは大きかったそうです。
「家庭教師の先生に教わってから、わからないところがわかるようになる実感があり、算数が面白かったです。僕は面白いことには集中して取り組めるタイプなので、勉強が進むようになりました。」(ゆうじんさん)
また、進学塾からの評価も、ゆうじんさんのモチベーションに繋がっていたよう。
「塾長の先生が『出来るようになってきてる』『僕が成長してる』という報告をしてくれて、その言葉にすごく励まされて嬉しかったですね」(ゆうじんさん)
個人指導の家庭教師と、集団指導の進学塾。両方の良いところを取り入れつつ、中学受験の勉強が本格化していきました。
大好きなゲームはゼロ。親子で乗り越えた小6の一年間
小学校6年生に入ると、週5日、塾の授業が入るようになります。ゆうじんさんは授業後も夜11時まで自習室で勉強し、塾が休みの日も、自宅ではなく、自習室で勉強していたそうです。
「自習室のほうが集中できました。家には弟と妹がいて、僕が勉強している横で弟たちが遊んでいると気になるし、喧嘩になったりもするので」(ゆうじんさん)
また、毎朝自宅のリビングで、母が作ったプリントをすることも日課になっていました。
「家庭教師の先生から、教科書をコピーして、3回やらせなさいという指示があり、私がコピーしてプリントを作って、それを朝ごはんのときにやらせていました。そうすれば成績が上がるからって言われたんですけど、本当にグイグイ上がっていきましたね」(恵子さん)
ゆうじんさんはゲームが大好きで、以前はゲーム好きの友達が自宅に集まり、恵子さんの言葉を借りれば、”たまり場”になるほどだったそう。受験勉強中はゲームとどう付き合っていたのでしょうか。
「長い休みとか、お正月とか、ちょっとは解禁してたところがありますけど、ほとんどしなかったです。受験勉強が大変だったので、ゲームどころじゃなかったですね」(ゆうじんさん)
第一志望校に合格!そして実際の中学校生活は?
2月1日、受験当日。ゆうじんさんは、2つの学校を受験することにしました。
第一志望の学校は、2月1日から3日まで、3日連続で試験日が設定されており、佐藤親子はすべてに出願。自宅から行ける距離ではありましたが、ゆうじんさんの疲労を少しでも軽減させたいという母心から、親子で学校近くのホテルに宿泊することにしました。
「緊張はしましたが、極度の緊張というほどではなかったと思います。偏差値的には大丈夫だろうと言われていたので、自信はありました」(ゆうじんさん)
第一志望校の合否は、試験当日の夜19時にインターネットで発表されたそう。1日目の試験で合格がわかったときはどういう気持ちだったのでしょうか。
「いや、泣きましたよ、本当に。試験中に倒れたらどうしようとか、吐いてないかなとか、最悪のケースばっかり考えていましたから・・・」(恵子さん)
1年半の苦労を乗り越えて第一志望校に合格したゆうじんさん。実際の学校生活について、本人に聞いてみました。
「この学校で良かったです。理科好きの友だちと化学の話をするのが一番楽しい時間ですね。大学でも化学の勉強をしたいです。今高1なんですけど、化学部の部長をやっています。高2の代が誰もいないというのが理由なんですけど(笑)」(ゆうじんさん)
中高一貫校のメリットのひとつは、高校受験対策に分断されずに、自分の好きなことに長く熱中できること。ゆうじんさんはそのメリットを最大限に活かし、夢に向かって進んでいます。
恵子さんは、ゆうじんさんの中学受験をどう振り返っているのでしょうか。
「3人の子どもがいますが、中学受験に向いている子・向いていない子がいると感じています。塾長さんに言われて、すごく腑に落ちた言葉があります。
『子どもたちが頑張れるのは、理想を持ってるからです。理想の旬、なりたい自分の旬が小学校6年生の子もいれば、高校3年生の子もいます。今、この子達は理想の自分になりたいと思っているから、今努力をさせてあげたほうがいいんです』
ゆうじんの場合、本人が引っ越し先の学区の中学校に行くことに違和感を持ったのがきっかけです。それがゆうじんにとっての”理想の旬”につながったんだと思います」(恵子さん)
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岩手県出身。大学卒業後、ゲーム会社で広報宣伝職を経験した後、ママ向け雑誌やブライダル誌を手掛ける編プロに所属。現在はフリーランスのエディター&ライターとして活動中。一人息子の中学受験で気持ちに全く余裕がない中、唯一の癒しとなっているのが愛犬と過ごす時間です。