「小学生はランドセルで通学すべき?」の回答、分かれる。「義務化すべき」と答えた人の考えは?
大きなランドセルに、たくさんの教科書やノート。持ち上げてみて、重量にびっくりしたことがある保護者は多いのではないでしょうか。
「そもそも通学にランドセルは必要なのか」という議論が沸き起こっています。ランドセル義務化派、不要派など、アンケートに寄せられたさまざまな声を見ていきましょう。
「小学生はランドセルで通学すべきか?」
Polimill株式会社は、自社が運営するSNS上で「小学生はランドセルで通学すべきか?」というアンケート調査を行いました。
この調査は、立正大学教授・社会学博士の小宮信夫氏の問題提起によるもの。
ランドセル通学は法令で義務化されているわけではありません。しかし「小学生=ランドセル通学」が当たり前になっています。
小宮氏は、「ランドセルは丈夫で長持ちするので、子どもの鞄に適している」「均一なランドセルは、安価な簡易バッグから高級ブランドバッグまで広がる格差を防げる」「祖父母からの入学祝いの贈り物になっている」とランドセル文化のメリットを述べる一方、このように警鐘を鳴らしています。
- ランドセルは重いので、子どもの体に負担となる
- ランドセルは高価なので、子育て家庭の家計を圧迫する
- ランドセル使用は画一性の象徴であり、同調圧力の温床になる
確かに、個性が尊重される昨今、「絶対にランドセルで通学するべき!それは昔から当たり前のことだから!!」と暗黙の了解になっているのは、なんだかおかしな話ですね。
ランドセルは「義務化すべき」「義務にすべきではない」が同数
アンケートの結果はこのようになりました。
「ランドセル使用が義務でないことを学校は保護者にしっかり通知すべき」「混乱を防ぐためランドセル使用を義務化すべき」が同率1位に(「その他」を除く)。大人たちの間でも意見が分かれるようですね。
しかしそれ以外の回答に寄せられた声も見逃せません。「義務化すべき」「義務ではない」といった意見以外のところに、現状打開につながる画期的なヒントが隠れているかもしません。
アンケートに寄せられた声をそれぞれ見ていきましょう。
「ランドセル使用が義務でないことを学校は保護者にしっかり通知すべき」
対処療法で良いと思います。そういったいじめがあるのなら、ガイドラインを作るなど学校側と保護者側で合意し、以後調整していけばいいのではないでしょうか。
なかなか難しい問題ですね。現在も、マスク着用が“任意”になったにもかかわらず、マスクを着用したままのお子さんは多くいます。「クラスで誰も外していないから」という理由と同じように、ランドセル着用が任意になっても「クラスで誰もランドセル以外のものを持ってきていないから」で終わらないか、といったこともあるでしょう。
「混乱を防ぐため、ランドセル使用を義務化すべき」
ランドセルでなくてもよいかと思いましたが、ランドセルは丈夫です。6年間使用することを考えると、いろんなカバンを買い替えるより、ランドセルの方が経済的だと思います。
ランドセル工業会によると、ランドセルの平均価格は5万6425円だそうです(2022年4月時点)。1年あたり1万円程度の計算になるでしょうか。リュックサックを使い古すたびに買い替えたとしても、ランドセル購入とそれほど大きな差はなさそうです。
ふで箱や洋服のように、気分や好みで変えられればモチベーションアップにつながりそうな気もしますが……。
「今のままで何もしなくていい」
基本的にはランドセルで通学すべき。ランドセルを背負っていれば、小学生だと直ぐに分かるし気を使いやすい。一方で義務化する必要はない。事情があってランドセルを使わない小学生もいるだろうから、現在のままでよい。
「他者に小学生だとアピールできるから」「他者に気遣ってもらえるから」など、他者からの見え方を重視する方もいるようです。
「その他」
芯材等の進化により、ランドセル自体は昔と比べて遥かに軽くなっておりますので、他のカバンであれば軽い、とは一概に言えません。それよりもとても重たい教科書等紙の塊を必ずすべてを家に持ち帰らなければならないといったルールがある場合は再考したほうが良いのではないでしょうか。
確かに、「ランドセルを背負う」ことが問題というよりも、「ランドセルの中に詰まった数キロの荷物を背負う」ことのほうが深刻かも。
株式会社セイバンによると、ランドセル+中身で約6キロだそうです。ランドセル自体の重さが平均1.1~1.3キロ程度とされているので、中身をどうにかすることのほうが喫緊の課題といえそうです。
ランドセルで通学すべきかどうか、大人によって価値観が異なることがわかりました。
今回「義務化すべき」と答えた人は、「1つのランドセル」「複数のリュック」の価格を比較して「ランドセルのほうが経済的」と考えているようですが、計算してみるとどちらも大差がないような……。
最近ではランドセルのサブスクや布製のランドセルも登場しているので、こちらも注目です!
いずれにしても、伝統的な “暗黙の了解”が見直されたら良いですね。持ち上げるだけでも大変なのに、それを小さな体で背負ったまま学校を往復しなければならないのですから……。
<参考資料>
・PR TIMES(Polimill株式会社)
・PR TIMES(株式会社セイバン)
・フィットちゃん(R)マガジン
・羽倉ランドセル
・Surfvote
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