「無駄なばらまき」「職員の手間を考えると…」。東京都の【18歳まで月5000円支給】に“反対”、その理由は?
東京都の小池都知事は新たな少子化対策として、「18歳までの子ども1人あたりに月額5000円を支給する」ことを発表しました。この施策について、「ソクラテスのたまご」は子育て世代80人に独自アンケートを実施。当事者はこの施策についてどう感じているのか、今回は「反対」の声とその理由を紹介します。
目次
18歳までの子どもに月5000円を支給する「018サポート」
東京都の小池百合子都知事は、2023年1月に、「都内に住む0歳から18歳の子ども1人あたり月額5000円を給付する」方針を明らかにしました。
「018サポート」と名付けられたこの施策は、小池都知事が掲げる少子化対策の一環として行われるもの。2024年1月頃を目処に、子ども1人当たり年額6万円を一括で各世帯に給付するということです。
この施策には所得制限を設けず、2023年度当初予算案に関連経費を約1200億円計上するとしています。
今回「ソクラテスのたまご」は、0歳~18歳までの子どもをもつ子育て世代80名に対し、「小池百合子都知事が、0歳から18歳までの子ども1人あたり月額5000円を支給することについてどう思いますか?」という独自アンケートを実施しました。
その結果は、「賛成」が63%、「反対」が10%、「どちらでもない」が27%となりました。
今回は「反対」とする理由の中で、多く上がった意見を2つ紹介します。
反対の理由1:月額5000円で何が変わるのか
1つ目は「月額5000円の支給で何が変わるのか」ということです。
多額の税金を投入し、行政職員の手間をかけて月額5000円を各家庭に支給したところで、少子化問題の解決には至らないのではないかと感じる人が多いようです。
月額5000円で何が変わるのかと思ってしまう。無駄なばらまきに感じるし、税金を使う割に子なし世帯(また子育て代が手厚くされるのかと考えると思う)と子育て世帯(意味があるばらまきかどうか疑問)の溝を生むだけに終わりそうに感じるから。
(30代後半女性)
児童手当と同じで、5000円が増えたからと言って、生活していく上であまり収入が増えたと実感できるような金額ではないと思う。それを決めるための時間や処理するための職員さんの手間を考えると意味があるものとは思えない。
(40代前半女性)
各家庭に支給するよりも、待機児童の解消に向けた政策に使った方が良いと思います。働きたくても働けないママが職場復帰したら、五千円は一日で稼げる金額です。支給される五千円ではママの1か月のお小遣にも足りません。
(30代後半女性)
反対の理由2:自治体によって違うのは不平等
2つ目は、「自治体によって貰えたり貰えなかったりするのは不平等」だということです。
子育て支援を自治体に任せるのではなく、本来、住まいの地域によって不平等がないよう国が行うべきと考える人もいるようです。
自治体の財政状況によって、支給を受けられる自治体と受けられない自治体との間で不公平感が出ると思うから。子育て支援の手厚さを求めより東京一極集中が進んでしまい、地方の財政危機もあわせて進むのではないかと思うから。
(30代後半女性)
あくまでも個人的な意見ですが国に任せるべき問題だと思うからです。東京都在住の子育て家庭だけが養育費に困っているわけではなく全国の子育て家庭が困っているので小池都知事は東京都独自で行うのではなく国に任せるべきです。
(40代前半男性)
財政に余裕のある東京都ならではの話なので、貧乏県に住んでいる自分たちにとっては遠い世界の話のように感じる。東京などの大都市に住んでいる人々だけが恩恵を受けるのは公平性を欠いており、正直言って納得がいかない。
(40代後半男性)
「どちらでもない」人たちの意見を見てみると……
「どちらでもない」と答えた人には東京都以外に住む人が多く、「自分が住んでいる自治体の話ではないからどちらでもいい」という声のほか、「5000円という金額は少ないが、羨ましい」「地方との格差が広がるのではないか」という声があがっていました。
東京都の話なので我が家には関係ないのでどちらでも良いです。どちらにしても5000円という金額はかなり少なく、おやつ代くらいにはなるかなと言う感覚です。それでも貰えるなら嬉しいでので東京都が羨ましいと思います。
(女性30代後半)
うちの自治体は財源もなく公共の施設も老朽化が目立つような現状です。おそらく東京都のような大胆な政策は無理かもしれません。所得制限はあっても良いのではと個人的には思いましたが、受給できる都民の人がただただ羨ましいです。
(40代後半女性)
支給自体は賛成でも反対でもないが、東京都内だけ配る理由がよく分からないし、そのことで何かが変わるのかというと反映される結果があまり想像できず、意味があるのだろうかと疑問に思う。東京都は税収が多いようだが、地方の人が減って東京に行っているので、今後さらに東京の人口が増える原因にもなり、地域格差も考えないといけないと思う。
(40代前半女性)
他には、「所得制限がない」ということに対して、「裕福な家庭に支給は必要ない」「無駄なばらまきになるのではないか」という声もありました。この施策が国や他の地域の少子化対策にどう影響していくのかも注目したいですね。
<参考資料>
・助成金コンシェルジュ「【東京都】18歳まで月5,000円給付は6万円一括支給!第2子の保育料完全無償化に!?開始はいつ?」
・東京新聞「子ども全員への「月5000円給付」は1年分6万円を一括で 小池都知事 第2子の保育料無償化」
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