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2023.02.20

「私立にしか行けない子も」「選択肢を減らして欲しくない」etc…|私立中の学費助成に対する【賛成】の声

「都内の私立中学校に通う生徒に対し年10万円の支給する」という東京都の新たな子育て支援策。この施策ついて全国の子育て世代はどう感じているのでしょうか? 「ソクラテスのたまご」が子育て世代80人に実施したアンケート調査から、「賛成」の声をご紹介します。

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「私立中の学費助成」とは

東京都の小池百合子都知事は、令和5年度の新年度予算案で東京都内の私立中学校に通う生徒に、年間10万円助成する方針を打ち出しました。新たな子育て支援策として、現在最終調整に入っているというこの施策の概要は次の通り。

私立中学等特別奨学金補助

  • 金額 年間10万円
  • 対象 世帯年収910円未満(家族構成によって変化)
  • 予算案 40億円
  • 対象 3万6000人(見込み)

都内の私立中に通う生徒の割合が4人に1人となるなかで、経済状況が厳しい家庭の負担を軽減すること、子どもたちが自ら希望する教育を選択できるようにすることを目指した施策です。

これまでも国は、私立小中学校へ通う児童生徒に対し、平成29年度から令和3年度までの5年間、年収400万円未満の世帯であることなどを条件に、年間10万円を助成する実証事業を実施していました。令和5年2月時点では終了しています。

この実証事業は国費で賄っていましたが、都議会自民党と公明党が継続の要望書を小池都知事に提出したことが、今回の施策を実施する要因の1つになったようです。

独自調査!「私立中10万円助成金」についてのアンケート

今回、「ソクラテスのたまご」は0歳~18歳までの子どもをもつ子育て世代80名に対し、「小池百合子都知事が、私立中学に通う生徒に年10万円の助成金を支給することについてどう思いますか?」というアンケートを実施しました。

その結果、「反対」と答えた人は36%、「賛成」と答えた人は30%、「どちらでもない」と答えた人は24%、「知らない」と答えた人は10%という結果になりました。

今回は、この中から「賛成」と答えた人に多かった意見を2つ紹介します。

1.学びの選択肢を減らしてほしくない

1つは、「金銭的な理由で学びの選択肢を減らしてほしくない」という回答です。

私立中学を選択する理由として、その学校にしかない学びや取り組み、特色や環境に魅力を感じる家庭は多いもの。助成金があることで、子どもの意向や才能に応じた学びを得られる可能性が高まると考える人もいるようです。

金額が妥当かどうか、少子化対策につながるかはわからないが、金銭的な問題があるなか私立中学に進学させたい家庭の助けになるなら良い事だと思う。優秀なのに金銭的な問題で才能を伸ばせないのは本当に日本の損失だと思うので、似たような事をどんどんやってほしい。

(40代前半男性)

お金が理由で子どもたちに、将来の選択肢を狭めて欲しくない。学べる所や行ける学校の選択肢を減らしてほしくないので賛成です。ただその財源はどこから持ってくるのでしょうか…子どもの問題ばかりにお金をかけては他の世代から不満が出るのかなと…

(30代後半女性)

私立中学といっても、通う理由は様々にあると思います。学びたい人が学びたい学校を自由に選択できるようになると思うので賛成です。少しでも経済的に安心材料があるのは良いと思うため。子どもの教育に国がお金をかけるのは大賛成です。

(40代後半女性)

所得格差をあまり気にせず子供の選択肢を増やしてあげられることは素晴らしいことだと思う。学んだりスポーツを頑張りたい意欲のある子には私立ならではの良さが必ずあるので、ぜひ自分の自治体でも真似してもらいたい。

(40代後半女性)

2.私立を選択せざるを得ない子もいる

さまざまな理由から「私立中学を選択せざるを得ない子もいる」といった声も上がっていました。

「私立は、自由進学という意見も見たりしましたが、うちはいじめのため、私立に行かせました。それに、荒れている中学もあります。経済的な理由だけでなく、他にも理由があってその学校を選んでいる人もいるのだから、私立だろうが、公立だろうが、援助は必要なんじゃないかと思う。むしろ、公立は、そんなにお金もかからないのだから、私立の方がお金を援助してほしい。」

(40代後半女性)

うちの子は不登校のためフリースクールに通っているので、私立中学への助成があるなら、ぜひそちらにも財源を回して欲しいです。不登校が年々増えています。その対策にも政策を入れて欲しいと心から願っています。私立はある程度お金に余裕がある家庭が行かれていると思うので。

(30代前半女性)

「私立を選ぶのは贅沢だという意見もあるかもしれませんが、結局はそこしか行けないような生徒もいると思うので別に反対する理由はないです。全ての学びたいと願う子どもが、学ぶ環境を整えられるのが理想だと思います。」

(30代後半女性)

文部科学省の調査によると、令和3年度の不登校の小・中学生の数は24万人を超え、過去最高となっています。いじめや不登校などを理由に、やむを得ず私立中学への進学を希望する子もいるでしょう。そのような子どものいる家庭にとって、私立中の学費助成は真に役立つ支援といえそうです。

現在、この施策の対象が東京都のみとなっているのにも関わらず、今回のアンケートでは東京都以外の方も多数回答してくださいました。その中の多くは、「東京都がきっかけとなり、全国にも施策が広がってほしい」と回答しており、この施策に期待が高まっていることが伺えます。

<参考資料>
NHK「京都 私立中学校に10万円助成はなぜ?910万円の所得制限付き」
文部科学省「私立小中学校等に通う児童生徒 への経済的支援の充実について」
文部科学省「私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業について」
ソクラテスのたまご「不登校24万人。「学校に行きたくない」子どものサインの気付き方、見守り方、寄り添い方」
東京都議会自由民主党「私学振興に関する追加予算の緊急要望を行いました」

※2023年2月26日、掲載内容を一部修正しました。

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