不器用な子、どうサポートすればいい?「できた」を増やす実践的サポートガイドが発売
「鉛筆の持ち方がおかしい」「階段の上り下りがぎこちない」など、気になる子どもの「不器用」。実は、発達障害の可能性があり、その場合は適切なサポートが必要です。その方法を学べる本、『イラストでわかるDCD(発達性協調運動障害)の子どものサポートガイド 不器用さのある子の「できた!」が増える134のヒントと45の知識』が発売されました。
極端な不器用、DCDかも
就学前ごろから気になり始めることの多い、子どもの「不器用」。わが子が、字を書くときにマス目から大きくはみ出したり、ボタンがうまく止められなかったりすると、大丈夫だろうかと心配になる方もいるでしょう。
もちろん、成長とともにできるようになるケースも多いのですが、極端な不器用の場合は注意が必要です。DCD(Developmental Coordination Disorder:発達性協調運動障害)の可能性があり、単に反復練習を繰り返すだけでは、いつまでもできるようにはならず、心に傷を負わせてしまうおそれもあるからです。
DCDは神経発達障害のひとつで、身体機能に麻痺などの問題がないのに、指先や身体を動かすことが極端に苦手なことが特徴です。
DCDの子どもは、「なわとびが飛べない」「ハサミやコンパスがうまく使えない」「リコーダーの穴を指でうまく押さえられない」など、日常生活や学校生活の中のさまざまな動作において、指先や身体をバランスよく動かすことが苦手です。
子どもの約5~6%がこれにあたると言われ、30人学級であればクラスに1~2人はDCDの子どもがいる計算になりますが、まだあまり認知されていません。
このような不器用さは、テストの成績などとは違って誰が見てもすぐわかるので、周囲からばかにされたり笑われたりしやすく、それが原因で勉強や運動へのやる気を失ったり、友達関係がうまくいかなくなったりすることがあります。
しかし、保護者はもちろん、保育士さんや幼稚園・小学校の先生にも、まだDCDへの理解が十分浸透していないため、適切な対応ができていないケースも多いようです。「努力不足」「親のしつけが悪い」などと誤解されることもあり、親子でつらい思いをしてしまうこともあります。
極端な不器用にできるだけ早く気づき、適切なサポートをすれば、発達障害があってもその子のペースでできることが増え、成長することができます。
DCDの子どものサポートガイドが発売
2022年3月に合同出版から出された『イラストでわかるDCD(発達性協調運動障害)の子どものサポートガイド 不器用さのある子の「できた!」が増える134のヒントと45の知識』は、DCDの子どもたちやその保護者、指導者の生の声をもとに、つまずきやすい場面とその理由がわかりやすく解説されており、具体的なサポート方法や、接する際の注意点などを詳しく学ぶことができる一冊です。
たとえば、鉛筆の持ち方がおかしい場合、正しい持ち方を繰り返し指導する、というだけでは、DCDの子どもはなかなかできるようにならず、自信ややる気をなくしてしまいがちです。
その場合は、まず、子どもができる別のことに取り組ませて褒め、やる気を持たせてから鉛筆の練習に誘う、といった具体的な手立てが、イラストつきでわかりやすく紹介されています。
「鉛筆の持ち方の多様性を認めることも必要」といった、根本的な考え方の変革についても触れられており、毎日の子どもとの関わりにすぐに生かせる、実践的なヒントが満載の一冊です。
お子さんの不器用が気になるという方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。自己肯定感を育みながら、できることを増やしていけるとよいですね。
<参考資料>
・関西学院大学教育学部松井学洋研究室HP
・発達障害のあるお子様向け キャリアデザイン教育(株式会社Kaien)
・合同出版株式会社「【300点以上のイラストで解説】不器用な子どものやる気を奪わない、できたにつなげるための実践本」(PR TIMES)
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