苦手意識をなくして興味を引き出す! 理科体験教室のススメ
塾講師時代、理科が嫌いだという生徒を何人も見てきました。科学分野に対し「文字や写真だけではなかなか理解できない」と、苦手意識を持っているケースが多くみられました。そこでおすすめしたいのが、理科体験教室への参加。机に向かうだけではなく実験を通し、実際に目で見て触れて学ぶことが可能です。実際の理科体験教室を紹介しつつ、理科の体験授業とはどのようなものかを説明します。
理科実験・体験実験に強い「ベネッセサイエンス教室」
ベネッセサイエンス教室は東京・神奈川・埼玉に教室があり、対象は年長から小学6年生まで。授業を進行する講師の他に、4~6人に1人フォローする講師がつきます。課題発見、仮説、検証・考察のサイクルを経ることで、子どもたちは成功しても失敗しても学びを深めることができます。
安全のために親が子どもを遠ざけてしまいがちな“火”を使った実験も、数多く実施しています。小学1年生でマッチの使い方を学び、学年が上がるとアルコールランプやガストーチが追加。小学6年生までに、加熱器具実験道具全般を使いこなせるようになるカリキュラムです。
また、自宅用教材や自宅用発展学習ノートが支給されるので、教室で学んだ内容を自宅でも自主的に深めていける点も魅力です。
1992年から続く科学実験教室のパイオニア「サイエンス倶楽部」
1992年、科学実験教室のパイオニアとして誕生したサイエンス倶楽部。東京・神奈川・千葉・埼玉・兵庫に教室があり、対象は年中から中学3年生まで。学年ごとのコースはもちろん、それ以外のコースやプログラムも用意されているので年の離れたきょうだいが一緒に参加することも可能です。
実験をするにあたりどうやって調べれば良いか、どうやったら安全が確保できるのかを子どもたちに考えさせ、講師はあくまでサポーターに徹します。“仮説→方法→実験→結果→考察”のプロセスを経て“さらなる仮説”にたどり着けるよう、子どもたちの好奇心を育んでいくのです。
子どもたちが「楽しい!」と思えるような工夫が施されたカリキュラムも特長です。例えば、小学1年生で体験する内容は動くおもちゃ作りや輪ゴム工作など。飽きやすい小さな子どもでも夢中になれるよう、“まずは興味の入り口を作る”という姿勢が伝わってきます。
小学3年生になるとレーザーを用いて光の性質を実験したり、“高分子で遊ぶ”をテーマに水に溶けるプラスチックで流体を作ったりと、科学そのものへの興味を育む内容にレベルアップ。中学1年生では、“ゾウリムシの生態反応”や“鉱物分析”などがカリキュラムに組み込まれ、学校の教科書だけでは得ることのできない深い知識が得られます。
体験することで知的好奇心を育む「学研の科学実験教室」
全国展開の学研の科学実験教室の対象年齢は、年長から小学6年生まで。学研オリジナルのカリキュラムの中から月ごとにテーマを設定し授業を行っています。オリジナル教材は36種類もあり、300以上の実験をすることが可能。実験の内容は子どもの気持ちをグッとつかむ面白いものばかりです。
例えば、子どもが好きな紙飛行機。ここではフリスビーやグライダー、風に乗って飛んでいく種の模型を、より遠くより高くまで飛ばすためにはどうすれば良いのかを実験します。他にも「音はなぜ聞こえてくるのか」を考えるために、声の振動だけでできる塩アートやグラスを震わせて音を出す実験など、興味を引くカリキュラムが豊富です。
学年別のコースが用意されているベネッセサイエンス教室やサイエンス倶楽部と異なり、学研の科学実験教室は異学年の子どもたちが一緒に実験を行います。違う年齢の子どもたちが意見交換することで、考えの幅を広げていく狙いがあるようです。
代表的な理科の体験教室を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。それぞれ教室ごとに特徴があるため、ぜひ子どもに合ったものを選んでみてください。実験を通してさまざまな体験ができれば、きっと理科を好きになれるはずです。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。