「親子副業」はメリットだらけ!中学生社長が語る「学業の傍でビジネスをすると良い」これだけの理由
2022年度から高校の家庭科で始まる「金融教育」。そこでは基本的な消費生活についてのほか投資信託などの資産形成についても学習をすることになっています。これからの時代、「お金の話」は大人だけのものではなく、子どものうちから身近なものとして学んでいく必要があります。
今回は、親子で起業し、父親が代表取締役、息子が社長として事業を行っている株式会社バビロニアの野田さん親子にお話をうかがいました。
目次
社長は中学生!株式会社バビロニアとは
※以下、代表=父 社長=息子(中学3年生)
代表:弊社では、お金の教室「StarBurst」の運営(後述)、親子副業の支援、そのほか出版事業などを行っています。
また、現在開催中の「親子で副業アイデアコンテスト」の企画と運営も行っています。父である私が代表取締役、息子が取締役社長として経営しています。
お金の教室「StarBurst」
代表:全12回の授業で1回が90分。前半は私がお金についての基本的な知識を講義、後半はお金にまつわるテーマを社長と受講する子どもだけでディスカッションしています。
後半は、私はもちろん、受講するお子さんの親にも席を外してもらっています。大人がいると正解を話そうとしてしまいがちなので、あえて子どもだけの環境にしています。
社長:僕が担当するディスカッションは、「ベーシックインカムについて」「中学生からビジネスをすることについてどう思うか」など、正解がないテーマが多いです。
実際の授業では、専門的な知識がなくても自分たちの身近なことに関連づけていきながら話し合っています。そうすると具体的にイメージができて「それはリスクが高いね」などと話し合うことができます。
そこまで難しい話はしていませんが、社会問題に気付くことにもつながっているなと感じています。
代表:お金の話だけではなく、社会制度のことやその課題などを多面的に考えることにつながっています。
お金や社会の仕組みについての直接的な教育や知識は、色々なところで手に入れられます。ここでは、答えがないテーマを「子どもたちに自分たちで」話し合ってもらうことが重要なんです。
この話し合いでは、自分とは違う意見、切り口があることを知り、みんなで考えるということが大事だと思っています。
親子起業のきっかけ
社長:最初のきっかけは、新型コロナウイルス感染症で僕の学校も臨時休業となり、父もリモートワークで互いに家にいることが増えたことです。
親子で話をしている中で、僕が「どうしたらお金持ちになれるの?」と父に質問したところから、お金やそれにまつわる社会の仕組みについていろいろなことを聞き、話し合ったんです。
代表:夜中の1時2時まで二人で話すこともありました。私の本業が金融系の仕事なので、働くということの基本から、投資、これからの社会の課題などについても話しましたね。
社長:話をしているうちに、「こういうことについて、周りの友達はあまり知らないだろうな、でも知っておいた方がいいことだな」と強く思い、みんなにも広めたいなと感じました。
そんなときに、父が「それなら、お金について学ぶ子ども向けの教室を運営する会社を作って、自分が広めてみるのはどう?」と提案してくれたのが起業のきっかけです。
代表:私の本業の会社では副業可となっていたので、2020年7月に会社を作って、その取締役社長に息子が就任した、という形ですね。当時息子は中学2年生でした。
親と子の選択肢を増やす手段
代表:子どもにとっては、やはり将来の選択肢を増やすということにつながると思います。
我々親世代は、「いい学校を卒業し、いい企業に入社」するということが成功の道筋だと考えてきましたし、実際にそのような成功経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
しかし、少子高齢社会となり、若い世代の負担が増えることが明らかである今、その選択肢しか持っていないのはとても心許ないことだと思います。
会社員として副業するだけではなく、起業すること、投資をして資産を増やすことなど、あらゆる選択肢を子どもに持たせることも、これからの時代に必要になってくると思います。そうしたことを、親子副業を通して学んでほしいなと思います。
また、親にとっても定年後の人生を考えるために有意義な活動だと思います。人生100年時代、定年後の人生も長くなります。
その時間を趣味やボランティアなどに充てるのももちろん素晴らしいですが、どうせならそれらをビジネスにし、「自立した高齢者」になるという選択肢もあるのではないかと思うのです。
以上のような、親子共に人生の選択肢を増やすことが、大きな目的の一つですね。
親子副業で得られたもの
代表:日本人はお金に対するマインドブロック(否定的な思い込み)が強くあると思うのですが、我が家ではそれを壊せているなと感じています。「お金の話をするのは決していやらしいことではない」という感覚ですね。
例えば、食卓でお金の話をするご家庭は少ないのではないかと思います。親の給料やボーナス、住宅ローンの残高などの話は、親子間であまりしないですよね。しかし、我が家は私の年収やボーナスを子どもに大枠で伝えています。
子どもも将来、給料をもらったり家を買ったりするはずです。しかし、現在の日本の学習指導要領には、高校までそういった内容は盛り込まれていません。となると、お金の知識を伝えるのは親の責任ということになります。
ちなみに、我が家は最近引っ越しをしたのですが、マンションの売値はうちの社長が決めたんですよ。
社長:引っ越すとなったときに「よりよい条件のところに引っ越せたらいいな」と思いました。だから、内見に行く家と今の家の価値を僕なりに比較したんです。スーパーへはどのくらいの距離とか、公共施設までの距離、とか…。
すると「あれ? うちってすごく便利じゃないか?」と我が家の市場価値に気付いたんです。そこで「うちにはもっと価値があるのではないか」と考え、売却価格を提案してみました。
代表:もちろん、全てを子どもに決めさせたわけではありませんが、関わってもらったのは事実です。
中学生で何千万円単位の感覚を持つのは難しいですが、大人になれば誰もが高額な買い物をします。今から少しでもそういった経験をするのは意味があるのではないかなと思います。
親子副業のメリットとは
社長:僕自身、多岐にわたって自分の成長や変化を実感しています。
例えばお金について。以前までは、毎月のお小遣いの額だと手が届かないものが欲しい場合、それをコツコツと貯め、目標額に到達したら買うのが「当たり前」だと思っていました。
しかし起業後は副業をすれば稼げることはもちろん「投資をすれば増やせる」ということも知ることができました。物事を一面的ではなく、多面的に捉えて考える力がついたと感じます。
また、性格面では積極的な性格になれたと思います。起業前までは自分のことを、あまり目立たないキャラだと思っていて、実際そう振舞っていました。
しかし会社を起こしてからは自分の言葉で話し、人に伝えるという機会が多くなり、学校でもそんな風に自分の考えや感じたことを伝えたいと思うようになりました。
そこで休校明けの中学2年生の2学期に学級委員に立候補したんです。それまでの僕だったら考えられなかった行動だなと思います。
代表:息子が3年生になってからは、ご結婚される先生へのサプライズを計画・実行していました。その姿を見て、ただ発信するだけでなく、そこから周りを巻き込んで物事を動かす力もついていると感じ、自分の子どもながらに感心しました。
親子関係にも良い影響は多いです。仕事中は「同僚」という関係になるので、互いに意見を言い合い、議論をする関係になります。つまり、ビジネスパートナーとして対等な関係になるんですね。
親はついつい「口答えするんじゃない」とか「理不尽なんて世の中にたくさんある」なんていう、それこそ理不尽なことを言ってしまいがちですよね。そうではなく、親子だとしてもなるべくロジカルに、互いに納得できるような話し合いをするように心がけています。
それから、普段はなかなか見せることのできない親の「働く姿」を子どもに間近で見せられるというのもメリットだと思いますよ。
中学生社長の展望
「親子で副業アイデアコンテスト」開催中
代表:本コンテストは親子で副業アイデアを考えてもらい、どのような事業でどんな風に世の中に貢献していくのかをプレゼンしていただきます。
このコンテストをきっかけに、ぜひ親子でお金について話してみてほしいですね。
お子さんには、自分のお小遣いを稼ぐのではなく、世の中に価値を提供するということや、社会課題を捉え、それについて考えるといったことをしてほしいと思います。また、親には仕事以外の楽しみや生きがいを見つけるきっかけにもしてほしいですね。
実際に副業を始めるのはハードルが高いですが、親子で協力し、ビジネスという一つのことについて考えるというのはすぐにできると思います。親子の時間を作るきっかけになれば幸いです。
社長:子どもの立場からすると、ビジネスは堅苦しい、難しいと考えてしまうかもしれませんが、やっていくうちに計画を立てることの必要性に気付いたり、プランニング能力を養っていけると思います。
親との会話を深めながら、生きていく上で必要なスキルを楽しく体験して身につける機会にしてほしいです。
三刀流のお金の増やし方を身につけて!
社長:お金の教室「StarBurst」を通して、同世代の人に「ここでしか学べない、ここでしか辿り着けない理解」を見つけてほしいなと思います。
そして、最終的には「三刀流のお金の増やし方」を身につけてもらいたいです。
三刀流の内容は、本業での給与所得、投資での配当所得、副業での事業所得。この3つを子どもの頃から身につけることを広めたいですね。「StarBurst」で学ぶことによって、その可能性を広げてもらえるようにしたいです。
代表:社長の言うように、お金について学ぶことで、生き方の選択肢を知ってもらいたいです。知らないものは選択できないので、弊社サービスを活用して、その選択肢を増やしてもらえれば嬉しいです。
私自身は、親子でビジネスをする人を増やしたいなと思っています。そのためには、親にも「親子副業」という選択肢を増やしていただきたいですね。そして、副業親子が増えたら、ぜひコラボレーションしたいです。
親子副業を通して、親は子どもに支えられなくとも生きていける高齢者に、子どもは社会を支えつつ、余りある経済力をもつ社会人になる力をつけられると考えています。その結果が日本の少子高齢化問題の解決にもつながるのではないかなと考えています。
お話を聞いたのは
株式会社バビロニア 代表取締役 野田拓也さん
神奈川大学経済学部卒。東証一部上場の金融サービス会社へ入社し、現在はIT戦略立案やその実行を担う。二十年以上金融に携わってきた経験を活かし、息子と共に副業として当社を立ち上げ、代表取締役へ就任。主な著書に「可愛い子には会社を持たせよ! ~ 令和時代の新たな副業メソッド ~」がある。
取締役社長 野田卓也さん
新型コロナウィルス感染症による臨時休校中に金融や経済を父や書籍から学び、その後、父から会社の社長を任される。現在は地元の公立中学校に通いつつ、お金と生き方を学ぶ教室「StarBurst」の責任者兼講師を務める。趣味は絵を描くことで、学校では陸上部に所属。
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