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2019.08.29

夏休み明けの自死防止のために 「#学校ムリでもここあるよキャンペーン」

2010年以降、増加傾向にある夏休み明けの10代の自死。日本財団の調査によると、学校に行きづらさを抱えながら通っている子が中学生の約1割程度存在しているそう。世間には「学校から逃げてもいい」という風潮もありますが、では、学校に行かない(行けなかった)子どもたちは、一体どこに逃げればよいのでしょう? そこで、始動したのが「#学校ムリでもここあるよキャンペーン」。特設サイトで学校や家庭以外で子どもの居場所、相談できる場所になる全国の施設・団体を紹介しています。

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不登校経験のある大人が答えた学歴やゲームについて

現在、特設サイトで地図や地域から子どもたちが居場所を探せる「#学校ムリでもここあるよキャンペーン」。キャンペーン開始日である8月19日には、都内でキックオフイベントも開催されました。

YoutubeでLIVE配信もされた同イベントは2部構成になっており、1部では、「#不登校は不幸じゃない」発起人の小幡和輝さんと「不登校新聞」編集長の石井志昂さんが登壇。自身の不登校体験談やネットを通じて寄せられた子どもたちからの質問に答えていきました。

例えば、「学歴がないと就職で不利にならない?」という質問に「学歴以外のスキルをもつこと」「人事担当が知りたいのは、本当に(その会社で)働きたいのかという気持ちと、経歴の空白部分にある困難をどう乗り越えたのかということ」とアドバイス。

ほかにも、多くの保護者が頭を悩ませがちな“子どもとゲーム”というテーマでは、不登校時代に約3万時間はゲームに費やしたという小幡さんが、ゲーム(「信長の野望」)が歴史の勉強になり、今の仕事にも役立っていることなど自身の経験をもとに話していました。

「勉強は学校だけじゃなくても必要なときに学ぶことはできる。今しかできないことではない」と、(写真左から)小幡和輝さん、石井志昂さん

子どもの居場所づくりのために大人ができること

また、2部では、今回のキャンペーンの主催団体である

NPO法人フリースクール全国ネットワーク」代表理事の江川和弥さんをはじめ、

NPO法人日本冒険遊び場づくり協会」代表の関戸博樹さん

認定NPO法人チャイルドライン支援センター」代表理事の松江比佐子さん

FUTURE DESIGN/多様な学びプロジェクト」代表の生駒知里さんによるトークセッション。

それぞれが活動を通じて感じていることや“子どもの居場所”“子どもの心の声を聞くためにできること”などについて語り合いました。

普段の活動の中で遊びと向き合う子どもたちと出会ってきた関戸さんは「遊びは、自分を隠すのではなく見せる行為。中には遊びの素材として用意した段ボールや木っ端などを壊すことで自分を気持ちを表現する子もいるし、ぼーっとしているだけでアクティブには遊ばない子もいる。(それでも大人は)遊び場では何をしても大丈夫という姿勢でいることで子どもからの信頼を得られる」と話し、江川さんも「子どもは遊びながら自分を知ることができる」とのこと。

また、“子どもを受け止める”ということについて、子どもからの電話・チャット相談を受けている松江さんは、スタッフの養成講座で、自分の意見を押し付けたり、説教をしたりしないことを伝えているそう。

そのほか、自身にも不登校のお子さんがいる生駒さんは、長男が引きこもっていた時期を振り返り「彼もそういう時期があった。幼虫からサナギになって、成虫になるように、子どもにもサナギになる時期もあっていいのでは?」。

今、子どもとの向き合い方に悩んでいる保護者にとって興味深い話ばかりなのではないでしょうか。

写真右から:関戸博樹さん、江川和弥さん、松江比佐子さん、生駒知里さん、モデレーターの石井志昂さん

ひとりでも多くの子どもに届きますように

20年前から子どもの電話相談を受けている松江さんによると、電話をかけてくる子のなかには、親に対してプライドもあるし、親のことが大好きだからこそ悩みを打ち明けられない子もいるそう。

親から見て「うちの子は大丈夫そう」だと感じていても、子どもの本心は分かりません。

世の中には学校に行けなくても居場所がある、相談できる大人がいる、助けたいと思っている大人がいる、ということを伝えていくことが、親には見えていない子どもの心を救うことになるかもしれません。

また、家庭の悩みを誰にでも話せる人ばかりではありません。もしかすると、ママ友や同僚の中にも今、このときも、新学期に不安を感じているかもしれません。「#学校ムリでもここあるよキャンペーン」をぜひSNSなどで広げてみませんか。

#学校ムリでもここあるよキャンペーン

特設サイトでは、場所の開放や無料体験、メール相談、電話相談ができる全国各地のフリーススクールや団体、塾、プレーパーク、カフェなどを紹介しています。地図や地域から検索することも可能。ツイッターでは「#学校ムリでもここあるよ」というハッシュタグで、各団体・施設がさまざまなメッセージを送っています。

期間:9月13日まで

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浜田彩

エディター、ライター、環境アレルギーアドバイザー。新聞社勤務を経て、女性のライフスタイルや医療、金融、教育、福祉関連の書籍・雑誌・Webサイト記事の編集・執筆を手掛ける。プライベートでは2児の母。

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