著名人がおすすめの本を紹介! ソクたま課題図書 ~親が読みたい一冊編~
夏休みも残り1週間。子どもの宿題のフォローや夏休みの思い出作りにと慌ただしい時期ではないでしょうか。今回は、自身も子育て真っ最中という著名人の方に「親が読みたい一冊」を紹介してもらいました。子育てに悩んでいる、親としての自分に悩んでいる、子どもが悩んでいるかも・・・。人生に悩んだり迷ったりした時のヒントになる、そんな3冊です。
フリーアナウンサー・政井マヤさん推薦『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』
11歳の長女、8歳の長男、そして2歳の次男の3人の母親でもあるフリーアナウンサーの政井マヤさん。紹介してくれたのは、母としての目線で選んだ『子どもの脳を伸ばす「しつけ」 ~怒る前に何をするかーー 「考える子」が育つ親の行動パターン』。本のタイトルにある“怒る前に何をするか”というワードを見ただけで、手に取ってみたくなる人も多いのではないでしょうか。
ニューヨークタイムズベストセラーとなったこちらの本。子どもの“しつけ”を脳科学と心理学両面からアプローチ、具体的な方法を伝授しています。子どものちょっとした失敗に対し、つい一気に沸点が上がり怒り過ぎてしまうといったことは、親なら誰でも経験したことはあるでしょう。子どもが悪さをした時に親はどうするべきなのか、何が正解なのか。改めて考えさせてくれる内容です。
政井さんのおすすめポイント
「最新の脳科学と心理学が明かす目からうろこのしつけ本。読む度に蛍光ペンのラインと耳を折るページが増えていき、子育てに悩む私にとってまさしくバイブルか辞書のよう。『子どもの脳ってそういう構造、発達なの?』と驚かされる二階建ての家に例えられた図解イラストは、全ての親と子どもに知ってほしいと思うものです。そのことでキレる子どもと、それに対してキレる親という悲しい関わり方を180度変えられると思います。どのページから読んでもクスっと笑え、ためになり、そして強く励まされます。叱ることに疲れたら、ぜひ手にとって自分とお子さんを本書のような愛に満ちたまなざしで見直してみてください」(政井マヤさん)
政井マヤ/1976年メキシコ生まれ神戸育ち。2000年にフジテレビに入社、アナウンサーとしてニュース番組やバラエティ番組などで活躍。2007年にフジテレビを退社後、フリーアナウンサーに。2014年には「日メキシコ国交400年親善大使」に任命。「ビビット」(TBS系)、「政井マヤ 世界ぐるっとカフェトーク」(ニッポン放送)などに出演中。 https://ameblo.jp/masai-maya/
俳優・矢野浩二さん推薦『孤独がきみを強くする』
「中国で一番有名な日本人」と称され、日本と中国の両国で俳優として活躍する矢野浩二さん。プライベートでは一児の父でもあります。紹介してくれたのは、芸術家・岡本太郎氏の著書『孤独がきみを強くする』。2000年に中国ドラマの出演が決まるまで、脇役として映画やドラマの出演をこなしながら8年間、俳優・森田健作さんの付き人を務めていた矢野さん。自分自身の生き方について自問自答したり悩んだり、孤独との闘いだったという下積み時代、作品も生き方も尊敬する岡本太郎氏の著書で救われたことも多かったといいます。
「群れるな。孤独を選べ。孤独はただの寂しさじゃない。孤独こそが人間が強烈に生きるバネだ。」
日本を代表する芸術家・岡本太郎氏の生き方論。“生きにくさ”を感じることも多い昨今、悩み、迷った時の心の道しるべとなるような厳しくも優しいメッセージが印象的な一冊です。
矢野さんのおすすめポイント
「今の時代、息苦しさや堅苦しさ、妙な緊張感を感じることが多い気がするんです。親であり大人である私たちがもう少し大らかに、物事を許し合えたら良いのになと日々、感じています。大人が生きにくいと感じるのなら、子どもも同じように感じているはずです」
「“孤独”と聞くとマイナスなイメージを抱くかもしれませんが、そこに向かう気持ちはパワーとなり、孤独を経験することは生きる肥やしとなります。“皆と同じように”、“他人に良く思われたい”。そういったことが不要だとは思いません。けれど、人間の素の部分を出していく、自分の良いところだけじゃなくマイナスかもしれない部分も堂々と出していく、さらけ出せる。素の部分がプラスの印象ではなかったとしても許し合えるような世の中になればいいなと思います。家族や子ども、友人、他人に対して今よりも寛容になれる、そんな心の広さを育んでくれる本なのではないでしょうか」(矢野浩二さん)
矢野浩二/1970年大阪府生まれ。2000年に出演した中国ドラマ『永遠の恋人』を皮切りに、活動の拠点を中国に移す。2007年に「ニューズウィーク日本版・世界が尊敬する日本人100人」に選出。2016年には日本での本格的な活動を発表し、日中両国で俳優として活躍する。「テレビで中国語」(NHK Eテレ)、「NHK華語視界」(NHKワールドJAPAN)などに出演中。プライベートでは、一児の父でもある。http://www.kojiyano.jp/i#!/home/
翻訳家・村井理子さん推薦『親子の手帖』
『村井さんちのぎゅうぎゅう焼き』(KADOKAWA)が話題となった、翻訳家・エッセイストの村井理子さん。双子男児の母でもある彼女が紹介してくれるのは、親子の幸せを見つけるための教科書として高く評価されている『親子の手帖』。村井さん自身も付箋でびっしりになるほど何度も読み返し、子育てに悩んだ時のバイブルとして愛読しています。
著者は、福岡で「現代の寺子屋」と称する人気塾経営の鳥羽和久氏。著者自身、内容は“フィクション”と語るものの、真剣に親と子と向き合った者にしか分からない親子の真実がつづられています。親にとってはドキッとしてしまうような胸に迫る内容が続きますが、決して上から目線ではなく親と同じ目線に立つ文章で、著者の温かな人間性を感じることができます。親としての壁にぶつかった時にサッと開いて気持ちをリセットできる、親子のガイドブックのような本です。
村井さんのおすすめポイント
「登場する生徒、親、そしてその難しい関係性を、塾の経営者という第三者の目線で読み解いた良書。子どもに対する過去の自分の無神経な言動を目の前に突きつけられるようで、衝撃を受けました。“今まさに子どもの接し方に悩んでいる!”というタイミングで本を開くと、不思議と心安らかに。子育て本であると同時に、読み手の親への大いなるエールが詰まった一冊だと思います。今では手元に置いて、何度も繰り返し読んでいます」(村井理子さん)
村井理子/訳書に『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』、エッセイに『犬がいるから』などがある。新潮社「Webでも考える人」掲載の、琵琶湖のほとりで暮らしながら考える日々のこと「村井さんちの生活」も好評連載中。 https://rikomurai.com/
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岩手県出身。大学卒業後、ゲーム会社で広報宣伝職を経験した後、ママ向け雑誌やブライダル誌を手掛ける編プロに所属。現在はフリーランスのエディター&ライターとして活動中。一人息子の中学受験で気持ちに全く余裕がない中、唯一の癒しとなっているのが愛犬と過ごす時間です。