共働きがシンドイは、もう過去の話? 令和の「ダブルス夫婦」の家事・育児分担法
共働きのママは、大忙しですよね。パパにもっと家事・育児を分担してもらいたいと思いながら、毎日仕事が大変なのは同じ。どこまで頼ればいいか迷っているママもいるのではないでしょうか。
しかしこれは、平成の共働き夫婦によく見られた姿で、令和の時代においては、家事・育児は夫婦で公平に分担して自分の時間も楽しむ「ダブルス夫婦」が増えているようです。
この記事では、令和における共働き家庭の家事・育児分担スタイルを紹介します。
共働き家庭のリアル
2020年の労働力調査では、児童の子どもがいる夫婦が共働きしている割合は71.1%にのぼりました。女性の社会進出が進められている現在、この割合はますます高くなっていくことが予想されます。
1970〜1990年代の共働き夫婦といえば、夫が正社員で、妻が短時間のパート勤務をし、家事・育児を主に行うというスタイルが主流でした。
2000年代に入ってから、妻も産休・育休をとって再びフルタイム正社員で働くという形が増えてきましたが、1990年代スタイルの「働いていても妻が家事・育児を行うもの」という考えをひきずっているパパとの意識の違いから、家事・育児の負担はママに偏りがちでした。
しかしコロナ禍によって、夫婦ともに在宅勤務の機会が増え、比較的若い世代を中心に、パパの家事・育児参加の割合が高まってきています。
さらに令和4年4月から、育児・休業法において段階的に「産後パパ育休」が施行される予定になっており、産後からパパも育休をとって育児参加するのが社会的にも進められていくでしょう。
ママにとって「共働きはシンドイ」というのは、過去の話になっていくのかもしれません。
令和の「共働き夫婦」3つのパターン
株式会社ジェイアール東日本企画イマドキファミリー研究所が、首都圏40km圏・小学3年生以下の子どもがいる共働きパパ・ママに対して意識調査を実施したところ、2022年の最新の共働き夫婦には、次の3つのパターンがあることがわかりました。
- ダブルス夫婦
- 主役ママと裏方パパ
- 献身ママのワンオペ夫婦
それぞれ詳しく紹介していきます。
ダブルス夫婦
夫婦二人で協力して家庭運営を行っているのが「ダブルス夫婦」です。家事育児はママだけの役割ではなく、夫婦ふたりの役割だと捉えているのが大きな特徴です。
夫婦それぞれの年齢が比較的若く、パパの子ども関連行事参加率も他のパターンに比べて高くなっています。
ダブルス夫婦は、それぞれが自分の時間を大事にしているのも大きな特徴の一つ。夫婦それぞれが個人の楽しみの時間を持つためには、お互いが不在のとき、相手に家庭を任せられるという信頼感が必要ですよね。
お互いをフォローし合う信頼感と、「親」の役割に縛られない個人としての楽しみを忘れないのが「ダブルス夫婦」です。
主役ママと裏方パパ
家庭運営を主に行なっている主役はママ。しかしパパも送り迎えや寝かしつけなどの一部の育児に関わり、裏方としてママを支えているのが「主役ママと裏方パパ」です。
一見ママだけに負担がかかっているようですが、平日に毎日料理をする割合が66.7%と他のパターンに比べて低く、レトルト食品の週1回以上の使用率が高いところから、がんばりすぎずにうまく家事を行なっていることがわかります。
ママの幸福度も92.6%とダブルス夫婦に次いで高い数字になっており、ママ自身がこの役割分担に満足しているのが一番の特徴でしょう。
また「休日は家族でアクティブに過ごしたい」という意識が高いことも特徴で、その回答率は75.3%。ダブルス夫婦の60.0%、ワンオペ夫婦の49.4%に比べて大きく上回っています。休日は家族で楽しく過ごす時間を大切にしていることがわかりますね。
役割分担の負担はママの方が大きいものの家庭円満に過ごせるのは、ママの効率の良い家庭運営と信頼関係がしっかりしているパパのサポートがあってこそのようです。
献身ママのワンオペ夫婦
家事・育児の負担はほぼママが担っているのが、「献身ママのワンオペ夫婦」です。
ママの平日の料理頻度が82.3%と高く、休日の料理時間の長さやレトルト食品の週1回使用率の低さから、家族のために毎日手作りの食事を用意すべきという意識が一番高いのが特徴です。
また自分の趣味・休息より子どもを優先する割合が83.5%、子育てで自分の時間が減ってしまいストレスを感じている割合が58.2%とそれぞれ他のパターンより高く、家族のために懸命にがんばっていることが見受けられます。
一方パパの方はどうかというと、子育て参加率が他のパターンのパパよりも低く、ママから「配偶者は頼れるパートナー」とみなされているパパは43.0%と低くなっています。
家事の役割分担については、ゴミ出しや風呂掃除を積極的に行なってくれるパパは多いものの、基本的にはママ任せの部分が多いためにママは不満を抱えているという結果になりました。
ダブルス夫婦は幸福度も年収も高い?
紹介したこの3つのパターンの構成比は、ダブルス夫婦が20.0%、主役ママと裏方パパが27.0%、献身ママのワンオペ夫婦が26.3%となっています。
構成比からみると、ダブルス夫婦はやや少ないように感じます。しかし、ダブルス夫婦は家庭やプライベートが充実しているのが良い効果を現しているのか、ママの幸福度は93.3%ともっとも高く、世帯年収も平均1,280万円と3パターンの中でも一番高い金額となっています。
一方で献身ママのワンオペ夫婦でのママの幸福度は68.4%と大きく落ち込み、世帯年収の平均も1,184万円ともっとも低い金額です。
家事育児はママ任せのワンオペ夫婦より、夫婦で役割分担して一人の時間も楽しめるダブルス夫婦の方がお互いに毎日をハッピーに過ごすことができ、仕事にも良い影響を与えるのかもしれませんね。
夫婦の幸福度を高めるための役割分担
共働きなのに、仕事を理由に家事をしない夫はずるい。ワンオペでがんばっているママには、そんな辛い気持ちを抱えている人も少なくないでしょう。
さきほどの「令和の共働き夫婦」3パターンの結果から、どのように役割を分担していけば夫婦の幸福度が高まるのかを考えてみました。
ママの満足度を高める「家事」とは
令和の共働き夫婦3パターンのうち、ママの満足度が高いのはダブルス夫婦と主役ママと裏方パパの2つでした。
それぞれの家事分担を見てみると、ダブルス夫婦では夫一人が担当・実行している家事が多く、夫婦でほぼ公平に分担しているのがわかります。
一方主役ママと裏方パパでは、実はパパの家事実施率はワンオペ夫婦とほぼ代わりません。それなのに、ワンオペ夫婦でのママの満足度は低いのはなぜでしょうか?
その理由は、夫婦の信頼感やママの頑張りすぎがあるのかもしれません。
家事の役割は分担していても、ママの思うようにやってくれず、お願いしても聞いてもらえないので結局ママがやることに…。こうなってしまうと、家事を任せにくくなってパパへの信頼感は下がりますよね。
一度パパとの役割分担を見直して、パパががんばってできそうなことを担当してもらう、少々のことは大目にみるなどを試してみてもいいかもしれません。
またワンオペママは毎日のごはん作りに手を抜かないなど、家族のためにがんばっていることも特徴的でした。できるだけ家事を楽にできるように、レトルト食品を使ってみる、たまには後回しにしてみるなど手を抜いて、頑張りすぎない意識も満足度を上げるには大切でしょう。
ママの満足度を高める「育児」とは
3パターンのうち、唯一役割分担にママの不満があるワンオペ夫婦。
ワンオペ夫婦で最も目を引くのは、パパの育児参加率の低さです。
このことからわかるのは、ママはパパにも、とにかく育児に参加してほしいということ。寝かしつけや子どもにご飯を食べさせるのは、一人では無理だと考えるパパは多いでしょう。
子どもの世話をパパ一人でこなすことは難しくてできないとしても、夫婦二人で取り組めるとママの満足度は高くなります。
「仕事で疲れているから」「仕事が大変で子育ては無理」という意識は置いておいて、パパにも子育ての当事者として関わってもらうことがカギになります。
ダブルス夫婦の特徴は、家事・育児はママだけがするものではなく、夫婦ふたりの役割だと考えていることです。
夫婦どちらかがこの家事・育児をするべきという考えではなく、どちらかができないときはフォローして二人が行うという形になっていけば、夫婦の満足度は高まっていくのではないでしょうか。
<参考資料>
・株式会社ジェイアール東日本企画「イマドキファミリー研究所 2021年度研究 「令和的共働きパパママは個人の時間も大切にする『ダブルス夫婦』」(PR TIMES)
・プレジデントウーマン「”日本式共稼ぎ”はなぜこれほど疲弊するか」
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