【成績と内申点を上げる秘訣③】小学生から意識しておきたい中学校の授業態度の評価法
中学校で成績や内申点の評価材料となるのは、授業態度、宿題・提出物、テストの3つ。いずれも、高校受験につながる大切なものです。そこで、授業態度の評価方法や、授業態度の向上が子どもの将来に与える意味、授業態度の評価を上げるための注意点、小学生のうちから意識すべきことを解説します。
中学校の“授業態度”はこう評価されている!
内申点とは…
公立中学校では、各教科4~5個の観点を3段階(通常、A〜Cまたは◎〜△)で評価する“観点別評価”を行います。これを基に5段階(5〜1)の評定点がつけられます。これがいわゆる内申点です。
授業態度は“関心・意欲・態度”という観点で、教科担当の先生が評価します。大枠は文部科学省や各自治体の教育委員会が定めますが、現場での評価は各教員の判断に任せられています。毎回の授業の発言回数や内容、私語や忘れ物の回数などを厳密にカウントして、それを得点化して評価するという先生もいるでしょうし、学期を通じて総合的に評価するという先生もいるでしょう。
授業態度の評価について注意すべきは、宿題の取り組み方やテストの得点と異なり数値化・定量化が難しく、印象が大きなウエートを占めるということ。授業の妨害や他の生徒への迷惑行為など、先生に悪印象を与えるような言動は大きなマイナス評価になります。また、美術や技術などの実技教科では、文化祭に出展する作品を授業中に制作するので、「授業中に真剣に取り組んでいるか」「期限に間に合わせて完成させられているか」など、作品に対する取り組みの姿勢も評価されます。
受験のためだけではない!? “授業態度”はなぜ大切なのか?
公立高では、学力試験や面接、作文・小論文、実技検査などの得点に、内申点に基づく調査書点を合計して合否判定をします。私立高推薦入試には、内申点による出願基準があります。そのため、内申点を左右する授業態度は高校受験に影響します。
授業態度の評価で減点されるのは、次のような行動です。
- 授業開始時に着席していない
- 忘れ物がある
- 不必要に立ち歩く
- 私語が目立つ
- 姿勢が悪い(横を向いて座る、机に寝そべる、ほおづえをつく、など)
- ボーッとして上の空
- 居眠りをしている
- 言葉使いが悪い
上記のような行動は“授業に集中していない”ということですから、先生の話が頭に入らないし授業内容も身になりません。つまり、授業態度の悪い状態は内申点に響くだけでなく、学習効果も薄くなるということ。授業態度が悪いと、他の生徒や先生よりも当の本人が一番損をしているのです。
授業態度の悪さが、大人になって社会生活を送る上でマイナスな効果につながることもあるでしょう。年齢を重ねるに連れ自分を変えることはなかなか難しくなります。義務教育期間である中学生のうちに授業態度の評価を通じて行動を改めることは、子どもの将来にとって大切なのです。
“授業態度”の評価向上のためにすべきこと、小学生のうちからできること
評価を上げたいがために、先生に媚を売ったり気に入られようと特別なことをしたりする必要はありません。授業態度の評価向上のために、もっとも大切なことは集中して真剣に授業を受ける上で当たり前のことを実行・継続すること。
まずは、中学1年生、ひいては小学生のうちから授業態度の重要性を親子できちんと認識・共有しておきましょう。夜更かしによる寝不足や朝食抜きでは体調も優れず授業態度が崩れる原因となるので、生活習慣を整えることも必須です。
中学校の授業態度評価は小学校よりずっとシビアです。小学校では大目に見てもらえることも、中学校基準ではマイナス評価を受けることがあります。
おとなしく真面目に授業を受けていればそれで十分かといえば、そうとも限りません。“関心・意欲・態度”という観点の名称が示すように、積極性も評価されています。手を挙げての発言などは、プラス評価される行動の代表例です。
以上の点を踏まえ、小学生のうちから授業態度を客観的に見つめて改善すべき点は直す習慣づけが望ましいといえるでしょう。公開授業や保護者参観は子どもの授業態度を見る絶好の機会ですから、有効に活用したいものです。
より良い授業態度で授業を受けることは成績を上げて高校受験を有利に運ぶだけでなく、もっと長期的な視点でも子どもにとってプラスに働きます。ぜひ一度、家庭で現状を確認してみてください。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー。高校受験Webサイト「School Post」(https://school-post.com)主宰。塾指導歴20年以上。小学生から大学浪人生まで、教科を問わず個々の成長を引き出す指導を得意とする。現在は、個別指導塾2校舎を統括する傍で、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。長年の経験と知見を記事にして発信中。アイデアと文面の大半は、こよなく愛するビーグル犬との散歩中に生まれる。