私立中学の学費|中学受験までに200万円以上?私立と公立の比較や学費を抑える方法を解説
中学受験を検討しているなら、考えておきたいのが学費の問題。私立中学に進学する場合、一定の経済力が必要になるのが現実です。通塾にかかる費用に加え受験料や入学金、中高一貫校であれば6年間の学費と、長期に渡り経済的な負担が大きくなります。地元の公立中学校に進学する場合と私立中学ではどのくらい学費に違いがあるのか、具体的に見ていきましょう。
通塾、受験料、入学金 私立中学受験までにかかる金額は?
首都圏の場合、中学受験専門塾には小学4年生(小学3年生の2月開講)から入塾するのが一般的。大手進学塾に6年生まで通うとすると、200万円以上は確実にかかります。
たとえば難関中学受験対象の学習塾SAPIX小学部の授業料(関西校舎を除く)は4年生が月額3万7,500円、5年生が月額4万7,500円、6年生が月額5万4,000円。これはテスト費用、授業中に配付するテキスト・プリント等の教材費、冷暖房費等が含まれます。8月には夏期講習もあるため、1年あたり11カ月分で計算すると授業料は152万9,000円になります。
また、首都圏の夏期講習代は4年生が8万円、5年生10万3,000円、6年生18万9,000円で合計37万2,000円。授業料と合わせるとこの時点で190万1,000円(税別。※SAPIX公式サイトより平成31年度の場合)。加えてその他、季節講習や書籍代、公開模試、オプション講座代などの金額がかかってきます。
私立中学受験における受験料は一校あたり2~3万円。総額10万円以上かかるものと見て良いでしょう。晴れて合格すれば入学金がかかります。入学金はだいたい25万円程度です。
私立中学と公立中学の学費の差を知ろう
文部科学省の「平成28年度子どもの学習費調査」によると、私立中学の学費の合計(年平均)は99万7,435円。内訳は以下のとおりです。
授業料 42万5,251円
修学旅行・遠足・見学費 7万4,169円
学校納付金等 26万1,545円
図書・学用品・実習材料費等 3万7,689円
教科外活動費 5万7,008円
通学関係費13万5,961円
私立中学進学者の学内外での教育費を合計すると、年に132万7,000円の負担になります。
一方、公立中学の学費の合計(年平均)は13万4,000円となっています。内訳は以下のとおりです。
修学旅行・遠足・見学費 2万5,038円
学校納付金 1万3,994円
図書・学用品・実習材料費等2万3,839円
教科外活動費3万1,391円
通学関係費3万5,914円
公立中学の学費は学内外を合わせると47万9,000円です。私立中学が132万7,000円ですから、学内外合わせての学費において私立中学は公立中学より2.8倍かかっている計算になります。
ところが同調査の学外活動費に注目すると、実は私立中学32万1,000円、公立中学30万1,000円と、かけている費用に大きな差がありません。さらに学外活動費のうち、補助学業費に注目すると、実は公立中学24万円、私立中学20万4,000円と、公立中学の方が出費が大きいのです。これは、私立中学よりも公立中学の方が勉強のフォローが必要であることを示唆しているのでしょう。
中学受験で学費を抑える3つの方法
学費を抑える主な方法としては次の3つが挙げられます。
①特待生枠のある学校への進学
特待生になれば全額あるいは一定額、学費を免除してもらえる学校は多いです。ただし、そのためには入学時に成績上位でなければなりません。
②学費の安い学校を選ぶ
私立中学の中にはかなり安めに学費を設定しているところがいくつかあります。首都圏であれば清明学園中学校(公式サイトより平成30年度)、八王子実践中学校(公式サイトより平成31年度)などが該当し、これらは初年度納付金がいずれも60万円台とかなり低めに設定されています。
③公立の中高一貫校を受験
公立の中高一貫校を受験してみるというのもひとつの方法。私立中学と違い公立ならば教材費や給食費で出費がかさむぐらいで、あとはほとんどお金がかかりません。しかし昨今、公立中高一貫校は高い人気を集めていますから、かなりの高倍率を勝ち抜く必要があるでしょう。
中学受験にはお金がかかるものです。特に私立中学の場合は入学後の学費もかなりの負担となります。が、どのぐらいかかるのかをあらかじめ正確に把握しておけば慌てずに済みます。
また、費用を安く抑える方法を知ることで進路を諦めずに済むケースもあるかもしれません。ぜひ気になる学校や塾があれば、早めに調べてみてください。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。