小学生のスマホ利用。デビューの時期やルールづくりのポイントは?
子どものスマホデビューのタイミング、悩みますよね。「お友だちの〇〇は持ってるよ!」なんて言われて、焦った経験がある方もいるかもしれません。しかし“あると便利”とは分かっていても、スマホ依存や視力低下、SNSトラブルなどスマホ関連の心配事は尽きないもの。
この記事では、小学生のスマホデビューに関する、家庭の約束やルールづくりのポイントなどを紹介します。子どもと一緒にスマホとの最適な距離感を考えてみてくださいね。
子どものスマホデビューはいつから?
スマホグッズなどを手掛けるHameeが、小学生の子どもにスマホを持たせている550名の保護者を対象に、小学生のスマホ利用の実態調査を行っています。
スマホを持たせたきっかけは?
「スマホを子どもに持たせている」という家庭は、何をきっかけにスマホを持たせることにしたのでしょうか?アンケート結果を画像で見てみましょう。
「小学生のお子さまにスマホを持たせるようになった理由はなんですか?」という質問の結果を見ると、「子どもが欲しがったから」「周りの子どもが持つようになったから」がほとんど同じ割合です。次いで、「塾や習い事に通い始めたから」「事件・事故・災害時など緊急時の連絡用」という回答が続いています。
このことから、スマホデビューしたお友だちをうらやんで「自分も欲しい!」と親にねだるパターンが多いことがわかります。
念願叶ってスマホデビューを果たした子を見て、我が子が手に入れて、また周囲の子が触発されて親にねだって…。スマホの輪は、こうして波紋のように広がっていくのですね。
小学1年生のスマホデビューが多数
上記調査を前にHameeが実施した事前調査によると、小学校在学中の子どもがいる保護者の中で、子どもにスマホを持たせている家庭は44.0%。スマホデビューの時期については、「小学1年生」と回答した割合が最多の21.2%でした。
上記の数値を見ると、スマホを持っている子のうち「小学1~3年でスマホデビューした」という割合は、全体のほぼ半数を占めています。
この結果には、オンライン授業によるタブレット端末配布、パソコンによるプログラミングの授業など、電子機器に触れる機会は小学校低学年からスタートしている今どきの教育事情も影響しているのかもしれませんね。
スマホを持たせたとしても抵抗なく使えるため、今度は「スマホを適切に使うためのルールづくり」が大切になっていくのでしょう。
子どものスマホ利用における注意点
スマホの普及により、スマホやネットに依存する10代~20代の若年齢層が増えており、小学生のが7.1%高依存傾向にあることを、Cnet Japanは伝えています。
子どもがスマホを適切に使うためには、スマホを渡すリスクを親が理解することからはじめなければなりません。
小学生の保護者の約6割が「取り上げスマホ」の経験あり
ゲームやSNSなど、スマホでできることはいくつもあります。そのため子どもがスマホを手放さず、「取り上げスマホ」となった事例も…。
Hameeの調査によると、約6割の家庭が子どものスマホを取り上げたことがあることが分かっています。
なぜスマホを取り上げることになったのかというと…。
- 約束の就寝時間を超えてスマホを利用していた(52.0%)
- 長時間利用(47.4%)
- 勉強しながらスマホを利用していた(46.5%)
- いじめなどのトラブルが気になった(36.7%)
- SNSを使わせたくないから(27.5%)
- 視力低下(22.3%)
- 睡眠不足(19.3%)
- 学力・成績の低下(18.0%)
- アプリ等に課金させないため(14.7%)
- 通信料金の増加(14.7%)
- 暴力的・わいせつなサイトや画像、動画を閲覧させたくないから(14.4%)
- 顔写真や個人情報を守るため(11.3%)
- スマホのウイルス感染などセキュリティ問題を起こさせないため(8.0%)
机に向かって勉強しているようでも、実はスマホを操作していた! 〇時までと約束したのにまだやめない!…など悩ましい回答が目立ちます。
親が24時間子どもを監視するわけにはいきません。だから子どもを信用してスマホを渡しているのに、子どもが約束をないがしろにしていたらショックですよね。
実際、スマホを長時間利用していると、視力に影響が出たり、学業がおろそかになったりすることもあり得ます。また、犯罪やいじめに巻き込まれるリスクも懸念されます。
しかし子どものためを思ってスマホを取り上げたら、親子関係に亀裂が入ったケースもあるようです。
「取り上げスマホ」は、子どもに理由を納得させることが大切
スマホをきっかけに険悪にならないためにも、家庭内で「スマホ利用に関するルール」をつくる必要がありそうですね。「決めたルールを守らないと使わせない」を徹底すれば、ルールの中でお互いが心地よく暮らせるはずです。
スマホ利用における家庭のルールを作ろう
子どものためを思って買い与えたスマホによって親子仲が険悪になったら、元も子もないでしょう。
スマホを適切に使うためには、家庭内でのルールづくりが必須です。
Hameeによると、実際に小学生の子どもを持つ家庭の約6割が、家庭内でスマホ利用に関するルールを決めています。
上記の数値を見ると、回答者の約6割が、家庭内でルールをつくるとともに、フィルタリングサービスやスマホ制限アプリを利用していることがわかります。
「〇分だけはスマホを使って良い」というルールは大切ですが、それは「〇分以内ならスマホをどう操作しても良い」という意味ではありませんよ。
子どもに付きっきりになるわけにはいかないからこそ、親が離れたところでも適切に使えるように、サービスやアプリも活用したいですね。
小学生のスマホ利用における家庭のルールの例
モバイル社会研究所が、スマホを持つ小学生の家庭に対して、スマホ利用にどのようなルールを設けているのかを調査しています。
その結果、小学1~6年生全体で多く見られたのが、「利用する時間帯」や「利用時間」。夜中までスマホを操作していると睡眠不足になりかねませんし、「〇分まで」という時間制限も大切です。
小学生だと「音楽や映画のダウンロード」「オンラインゲーム」など高度な操作はまだ難しいようです。せめて動画の閲覧程度ではあるものの、没頭すると時間を忘れて見続けてしまうのでご注意ください。
また「利用する場所」については、低学年ほど“ルール決め”する家庭が多いよう。使う場所はリビングのみ、外に持ち出さない、充電は保護者の部屋で…など、“大人の目の届く範囲”を条件にスマホ利用を許可するのも一つの方法でしょう。
その他、家庭によってさまざまなルールを設けています。スマホは便利なツールだからこそ、ただ制限するだけではなくて、学習にも活用してみましょう。
スマホを学習に使う例として、次のようなことが挙げられます。
- オンライン講習の受講
- 学習に関する調べものに活用
- 公共の場でのスマホルールを教える
- LINEやSNSに書いて良い内容、書くべきではない内容を教える
- 良い音楽を聴く
- 知能ゲームで遊ぶ
- 面識のない相手とは連絡先を交換しない
- 食事中と勉強中はスマホを使わない
- アプリのダウンロードは親に相談する
- 課金があるものは使わない
- パスワードを設定したら親に報告する
- スマホを持たない日をつくる
年齢が上がるにつれて、親の目は届きにくくなるもの。だからこそ、スマホデビューしたら、できるだけ早くからルールや公共のマナーなどを教えましょう。スマホ利用のリスクやルール決めの大切さなどを子どもがきちんと理解すれば、自主的に適切な使い方をするようになります。
しかし、時には親の手助けが必要になることもあるでしょう。子どもが困ったときには気兼ねなく親に相談できるように、普段から良好なコミュニケーションを取っていてくださいね。
家庭の約束やルールを決めてスマホと上手に付き合おう
スマホは便利なツールですが、その反面トラブルや困りごととも隣り合わせです。
約束違反での「取り上げスマホ」はもちろん、学力低下や睡眠不足、犯罪に巻き込まれる事例も少なくありません。子どもと話し合いながら、利用に関するルールをしっかり決めていきましょう。
制限だけを徹底するのも大切ですが、せっかくならこの機会にスマホ利用のマナーや公共ルールも教えましょう。
「電車内では通話しない」「SNSに他人の悪口を書かない」などは、親離れの時期を迎えるとなかなか伝える機会が持てないもの。
スマホのルール・リスク・活用法などをトータルに教えて、年齢が上がっても安心してスマホを持たせられるような関係性を築いてくださいね。
<参考資料>
PR TIMES「小学生の親子におけるスマホ利用実態調査(Hamee株式会社)」
Cnet Japan「スマホを取り上げると泣き叫ぶ子も–小学生にも広がるネット依存」
内閣府「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(令和2年3月)」
モバイル社会研究所「第4章 子どものスマホ・ケータイ利用」
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