自分から宿題を終わらせる! そんな子どもになる3つのポイント
宿題をきちんとやる習慣がついている子どもは、それだけ成績が上がりやすくなります。宿題を通して授業の復習を行えているためです。一方で、宿題をやり忘れてしまったり、宿題をやろうとしなかったりする子どもは少なくありません。どうすれば宿題をする習慣が身につくのでしょうか。
【ポイント➀】宿題の内容を忘れないようにメモをさせる
基本的なことですが、宿題を忘れずに行うためには、宿題の内容をもれなく記録しておく必要があります。まずは日頃から子どもに連絡事項を書き留める習慣をつけさせてください。
学校では連絡帳を持ってくるように指示されているかもしれませんが、塾の場合は、連絡帳が用意されているケースは多くありません。もし、子どもが宿題の内容について書きそびれてしまうことが多いようであれば、連絡帳を用意することをおすすめします。
私が指導していた塾では、多くの生徒が連絡帳ではなく授業ノートの余白を利用していました。しかし、どこに控えたのかわからなくなる子どもも一定数おり、そのたびに控えた箇所を探すための時間を割くのはもったいないことです。
では、連絡帳を持たせれば万事解決かといえばそうでもありません。連絡帳を持たせても「覚えられるから控える必要はない」と言い張る子どもはいます。経験上、宿題を忘れる子どもほど「宿題を控える必要はない」と主張する傾向にあります。
その場合、学校や塾の先生に事情を説明して、連絡を口頭ではなく板書でしてもらってください。書き写すまで帰さないようにすれば、控えそびれることはありません。できれば板書は日付から書いてもらうようにし、写したものを見たときにいつの分の控えかわからないことがないようにします。
また、いくら宿題の内容を控える習慣がついても、家で確認しなければ意味がないので、親も目を通すようにしてください。
【ポイント②】達成感を感じられるように働きかけをする
宿題は義務感だけではなかなかやる気になれません。つまり、親から言われる「宿題をやりなさい」という声かけは、逆効果になりやすいのです。そうはいっても、親がせっつかないと始める気配もないとなれば、ついつい語気を強めて子どもに迫ってしまいます。
こうした場合、子どものやる気を刺激するようにしましょう。たとえば、宿題の前にいくつか簡単な問題を解かせてみてはどうでしょうか。子どもが得意満面で解き終えたところで、すかさず宿題を勧めればそのまま気分よく解いてくれるかもしれません。
塾講師時代には、やる気をもって授業に臨んでもらうため、授業冒頭に前回学んだ内容の中からあえて基本的な問題を選び、口頭で質問していました。
また、問題を解く時間を計測する方法も有効でした。毎回宿題の中から一定の問題数をピックアップし、その分の時間を計測してあげてみてください。「最短記録更新だよ」といった声かけによってやる気を引き出していきましょう。
負けず嫌いな子どもに意外と有効だったのが、「宿題が解けたらこのハイレベルな問題に挑戦してもいいよ。よっぽど賢くないと解けないけどね」ともったいぶって、他の問題を用意しておく方法です。義務感よりはゲーム感覚を刺激し、達成感を感じられるよう仕掛けるのがコツだといえます。
【ポイント③】宿題をしない子どもの心理に目を向ける
しかし、いくら親があの手この手を尽くしても、乗り気になってくれない子どももいます。その場合は、子どもがなんらかの問題を抱えていないかどうか、改めて観察してみましょう。
たとえば、宿題を嫌がる原因は、ただ面倒くさいだけではなく授業についていけていないためかもしれません。授業内容を理解できていないのに自力で宿題を解けと言われても無理な話です。小テストやテストの結果を確認し、点数がよくないようであれば、子どもが授業についていけるようサポートしていく必要があります。親が教えるか、塾を探すか、家庭教師をお願いするか、方法はさまざまですが、早急に解決を図らなければならないでしょう。
先生のことが嫌いだから宿題をしたくない場合もあります。宿題をやらないのは反抗心の表明というわけです。もしくは、悩みごとがあって宿題どころではないのかもしれません。ただ、真正面から「先生が嫌いなの?」「悩みはある?」と聞いて、答えてくれるかはその子ども次第です。中にはごまかしたりだんまりを決め込む子どももいるでしょう。日々のたわいもない会話の中で、違和感を感じることがないかアンテナを張っておくことをおすすめします。
宿題をやる習慣を身につけるまで、時間がかかる子どもはいます。子どもの気持ちになって、うまく取り組ませていきましょう。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。