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2023.12.20

文科省調査の結果とギャップあり。不登校児の保護者582人に聞いた「不登校のきっかけ」とは

不登校は今、珍しいことではありません。不登校のきっかけについて文部科学省は「(子ども自身の)無気力・不安」が主な原因と発表しましたが、一般機関がアンケート調査するとまったく別の原因が挙がってきました。不登校児の保護者582人に聞いた「不登校のきっかけ」とは?

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不登校のきっかけ1位は「先生との関係」

特定非営利活動法人多様な学びプロジェクトは、不登校児の保護者582人を対象に「不登校の子を育てる保護者のニーズ」に関するアンケート調査をおこないました。

まず「お子さんが一番最初に学校を休むようになった(休みがちになった)きっかけは何だと考えますか」と質問した結果を見てみましょう(※アンケートは2023年10月6日〜13日に集計されたもの)。

出典:PR TIMES

1番多かったのは「先生との関係(先生と合わなかった、先生が怖かったなど)」。次いで「学校システムの問題(価値観が古い、時代に合わない、風土に合わないなど)」という結果になりました。全体的に見てもこの2つの回答は群を抜いているようです。

ちなみに文部科学省は、不登校のきっかけは主に「(子ども自身の)無気力・不安」と公表しています(※「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」/教員回答)。つまり、子ども自身のやる気や意思の問題ということでしょうか。

今回の調査結果では、無気力や不安関係の回答はほとんど見当たりません。文部省調査は教員回答を集計したもののようなので、保護者が見る子どもと教員が見る子どもとの間にズレが生じていることがわかります。

アンケートには、保護者からこのような声が寄せられました。

担任の先生が余裕のない状況の中で、帰りの支度や物事の切り替えがうまくできない息子に対して、小突いたり手を捻ったりと手をあげることが生じました。

(40代・小5児童の母・小2から不登校)

学校が忙しすぎる。分刻みのスケジュールで休み時間も着替えや移動に追われ、トイレに行くのがやっと。とにかく急がされるので子供が疲弊している。先生が忙しすぎてその大変さが子供にも伝わる。

(小5児童の母・小4から不登校)

先生との相性は大切ですよね。自分で選べないぶん、「先生ガチャ」と言っても良いかもしれません。

また、学校では時計を見ながら全員で同じ行動をしなければならないので、うまくなじめないと大変でしょう。自分のペースで慎重に物事をすすめたいお子さんは「ここに自分の居場所はない」と感じるのかもしれませんね。

不登校の親子が利用しているもの

不登校になっても、別の形で学び続けてほしいもの。「現在利用しているものについて、その状況に当てはまるもの」を質問すると、このような結果になりました。

出典:PR TIMES

「教育支援センター(適応指導教室)」「スクールカウンセラー」などは、「利用して助けになった」という声が挙がる一方で、「利用したが助けにならなかった」の割合も同程度。まずは相談してみて、解決が難しそうなら、固執せずに次の手段に移ったほうが良さそうです。

一方、「フリースクール」「親の会」などは、「利用して助けになった」という声が多数。未利用の方も目立ちますが、思いきって相談してみると新しい道が開けるかもしれません。

文部科学省によると、不登校児は全国で30万人弱にものぼります。そしてそのうち約38.2%の子どもは、適切な支援や相談を受けていないとされています(※「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」による)。

「不登校のきっかけ」についても公表されましたが、どうやら当事者の意見とは異なる模様。政府・民間団体・学校・保護者・子どもが同じ方向を向けるような、社会全体でのサポート制度が整うと良いですね。

<参考資料>
PR TIMES(特定非営利活動法人多様な学びプロジェクト)

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