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2023.11.27

子連れ再婚で幸せな家族になるには?必要な手続きや子どもの気持ちのフォロー方法

子連れ再婚は考えなければならないことがたくさんありますよね。親の再婚は子どもの人生においても大きな出来事です。新しい家族になる前に子どもやパートナーに確認し伝えておくべきポイントや必要な手続きを抑えて、焦らずにひとつずつ準備を進めましょう。心理カウンセラーの野口房子先生からのアドバイスも参考にしてください。

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お話を伺ったのは…

野口房子さん

幼稚園、保育園での経験を経てその後、心理カウンセラー、家族相談士として3000件以上の相談に答えてきたベテランカウンセラー。相談者の子育てや家族関係の悩みと優しく向き合う相談スタイルが好評。

子連れ再婚を成功させるためのポイント

子連れ再婚を考えたときに大切なのが、再婚に向けた子どもやパートナーとの事前準備です。新しい家族になるメンバーそれぞれが前向きな気持ちで再婚へ進むために、親は以下の点をカバーしておきましょう。

  • 再婚に対する子どもの気持ちへの理解
  • 子どもとパートナーの関係づくり
  • パートナーの子どもと自分たち親子の関係づくり
  • パートナーとの再婚後の生活イメージの共有

場合によっては、すべてを整えた状態で再婚に臨むのは難しいと感じるかもしれません。しかし、「何とかなるだろう」と特に準備しないで再婚してしまうと、実際に生活を始めてから「うまくいかない」と後悔してしまう可能性もあります。

まずは子連れ再婚で重要となるポイントを知って、新しい家族がステップファミリーとしてより良い状態で再婚に向かうことを目指しましょう。

子連れ再婚でフォローしたい子どもの気持ちとは?

子どもと再婚について話をする際、子どもが再婚を快く受け入れられないケースも少なくありません。完全に拒否しないまでも両手を広げて受け入れることはできないと感じているケースもあります。子どもは子連れ再婚のどのような部分に抵抗を感じているのかを考えてみましょう。

母親との関係が変化することへの不安感

幼児期や思春期は敏感な時期であるため、再婚によって母親が取られてしまうのではないかと子どもが不安を感じるケースがあります。また、子連れ再婚の場合、母親の女性の側面が垣間見えることに子どもが抵抗を感じてしまうことも少なくありません。

子ども自身の生活環境が変わることへの不安感

再婚によって引っ越しや転校が伴う場合には子どもがこれまで築いてきた人間関係に変化を与えることになります。年齢によっては漠然と将来について考えていることも少なくありません。今の環境から新しい環境になることで考えていた将来図に影響が出ることがある場合には、特にしっかりとした話し合いをする必要があります。

パートナーとの関係へのストレス

再婚相手であるパートナーとの関係構築がうまくいかない場合も子どもにストレスが生じるでしょう。これから一緒に暮らしていく相手でもあるため、できれば再婚前にしっかりと関係性を築いておきたいところです。

子どもの気持ちを優先して考えるとなかなか関係構築が進まずにジレンマを感じることもあるかもしれません。ただ、ここは時間をかけても焦らずに進めたほうがよい点です。

パートナーの子どもの存在へのストレス

子連れ再婚ではパートナーにも子どもがいるケースがあります。その際、特に年齢が近い子ども同士が急に生活を共にすることになる場合には、パートナーの子どもに対する印象や気持ちを確認しておくことが大切です。

年齢、性別、性格、学力、趣味など実の兄弟とは異なる見方をしてしまうことは否めないため、生活を共にすることを前提にどのような不安があるのかをしっかり確認しておきましょう。

再婚前に子どもと話したい5つのこと

子連れ再婚を成功させるためには、子どもの気持ちに寄り添うことが欠かせません。ここでは、再婚に向けて事前に子どもと話しておきたいことについて紹介します。

なぜ再婚したいと思っているのか

パートナーのことが好きだからという理由だけでなく、将来家族としてどうなりたいのか、なぜ今のパートナーと再婚したいのかなど子どもに話せる範囲のことは素直に伝えておくことが大切です。

話のポイントとしては子どもとこの先どのように暮らしていきたいのか、子どものことをどう考えて再婚しようと思っているのかという視点で話すことです。年齢に応じて話す内容を工夫することなども必要になってきます。

再婚しても子どもの味方であること

子連れ再婚で子どもが感じる不安はさまざまですが、中でも「母親がパートナーに取られてしまうのではないか」「母親がこれまでと変わってしまうのではないか」など、母親との関係性が崩れることへの不安も大きなウエイトを占めます。

再婚前には、「再婚してもあなたの母親であることは変わらない」「どんな時も味方」ということをきちんと言葉にして伝えることが大切です。

子どもにとってベストな再婚のタイミング

再婚によって子どもの生活環境が変化する場合には、特に再婚のタイミングについて子どもの意見を聞き、尊重する姿勢を見せることが大切です。子どもが思春期の場合にはなかなか再婚を受け入れることができないというケースもあるでしょう。

1日も早く再婚したいという気持ちはあるかもしれませんが、大人の都合だけでなく、子どもの気持ちを優先して再婚のタイミングを決めるという選択もあるということを忘れないようにすることも大切です。

人生の計画を立てて、子どもの成長を待つという選択肢を持っておくことも必要です。

パートナーの印象

再婚すれば当然パートナーと子どもが一緒に暮らすことになります。共有する時間が長くなると相手のさまざまな面が見えてくるため関係性に変化が起こる可能性もあります。

こうしたことも念頭に入れながら現状で子どもがパートナーに対してどのような印象を持っているのか、プラスの面もマイナスの面も含めて確認することは大切です。
その際、子どもが本音で話せるようにするためには「尊重する、待つ気持ちを伝える、存在を大切に思っていることを伝える」ことが重要だと野口先生は言います。

子どもが再婚への不安について相談してくれたこと、不満を話してくれたことには、感謝して褒めてあげることも大切です。子どもの自尊心が高まり、親子の信頼関係を深めることもできるでしょう。

パートナーの子どもへの思い

子連れ再婚ではパートナーにも子どもがいるケースがあります。その際に年齢が近い子ども同士が急に生活を共にすることになるため、パートナーの子どもに対する印象や気持ちを確認しておくことが大切です。

生活を共にすることを前提にどのような不安があるのかをしっかり確認しておきましょう。

子連れ再婚前にパートナーと話しておきたい3つのこと

子連れ再婚では、子どもの気持ちを優先すると同時にパートナーと子どもに関連する課題について共有し考え方を確認しあっておくことが大切です。子連れ再婚の前に確認しておきたい4つのポイントについて解説します。

自分の子どもの再婚に対する気持ち

自分の子どもが子連れ再婚についてどう考えているのかをパートナーに共有しておきましょう。パートナーにも子どもがいる場合には、相手の子どもの考えについて共有しておくことも必要です。

互いの子どもに考え方に相違がある場合もあるでしょう。課題を洗い出してどう解決していくのかを丁寧に話し合っておくことは、生活をスタートした後で起こるトラブルを回避するためにも必要なポイントです。

子育てに関する価値観

これまでそれぞれの価値観で子育てをしてきたもの同士が再婚する場合、子育てや教育に関する価値観が大きく異なったまま再婚するとトラブルになる可能性があります。パートナーの子どもに対して遠慮や距離を感じてしまう場合もあるかもしれません。

こうした課題を2人でどのように乗り越えていくのか事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。子どもが複数人いる場合には一人ひとりの将来や特性、性格などについても共通認識を持っておくと良いでしょう。あわせて子どもにかかるお金に関する価値観の確認も必要です。

自分とパートナーの生活に関するルール

子どものことについて話し合うことを重視するあまり、自分たちの生活についての話し合いを後回しにしてしまうケースもあるでしょう。ただ、両親となる2人の生活がスムーズでなければ結果的に子どもにストレスを与える原因となってしまいます。

子どものことはもちろん、子どもを幸せにするために自分たちがどのようなルールで生活すると家族として楽しく暮らせるかについても事前に話し合っておきましょう。家事分担や相手に気をつけてもらいたいことなど話にくいこともあるかもしれませんが、再婚前だからこそきちんと話しておいた方が良いことはたくさんあります。再婚後に子どもをもうけるかなども話しておくことが大切です。

育てる責任、親として生きる責任を感じることが大切です。家族になるのだからとなぁなぁにしてしまうと再婚後にトラブルが生じることもあるため、事前に解決できることはきちんと整理して解決しておきましょう。

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子連れ再婚で養子縁組はするべき?

再婚するにあたって子どもとパートナーが養子縁組をするのかは大切な問題です。子ども本人の希望にも寄り添いながら互いの家族にとって最も良い選択ができるように話し合っておきましょう。

子どもの年齢によっても養子縁組のタイミングや必要性は異なるためよく考える必要があります。また、子どもが苗字を変えたくないという場合についても解説するので参考にしてください。

そもそも養子縁組とは

養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2つがあります。子連れ再婚では「普通養子縁組」を選択する人が多いでしょう。
「特別養子縁組」は、貧困などの理由で養育が期待できない場合に家庭裁判所を通じて組まれる養子縁組です。「普通養子縁組」は家庭裁判所などを通さずに当事者の意思で自由に実行することができます。

子連れ再婚の養子縁組のメリット・デメリット

子どもと養子縁組をすることで起こりうるメリットには次の3つが挙げられます。

  • 再婚相手も子どもの親権を持つことができる
  • 戸籍が一つになる
  • 再婚相手と実の親の両方の遺産を相続する権利を得られる

このように養子縁組を行うと、再婚相手には扶養義務が発生し、子どもには相続権が発生します。つまり法律上は実子と同じ扱いになるということです。

一方で、養子縁組によって発生するデメリットとして挙げられるのは、元のパートナーから養育費の減額を求められる可能性があるという点です。再婚相手に子どもを扶養するだけの能力がある場合、実親は養育費の減額を求めることが可能となります。

もちろん養育費を受け取る権利がなくなるわけではないため、引き続き養育費を請求することは可能です。ただし、元のパートナーが減額を申し出る可能性があることは覚えておいた方がよいでしょう。

子どもが苗字を変えたくないと言ったら?

養子縁組をすると、子どもは新しいパートナーの姓を名乗ることになります。しかし、子どもが再婚にあたって苗字を変えないという条件を挙げることもあります。その場合は子どもの戸籍を残したまま再婚するという方法があることも知っておきましょう。

子どもの苗字を変えずに再婚するには、戸籍上、自分だけが新たなパートナーの戸籍に入って子どもは以前の戸籍のままにすることが可能です。逆に再婚相手が自分の戸籍に入ることで子どもの苗字を変更しないという方法もあるでしょう。

いずれにしても子どもの気持ちに寄り添うことが、新しい家族でスムーズに生活していくために重要なポイントです。苗字についてもどのような選択肢があるのか知っておきましょう。

子連れ再婚に必要な手続きのポイント

 婚姻届を出すタイミング

再婚するには当然、婚姻届を提出する必要があります。婚姻届を出せばその瞬間から家族が誕生します。子どもの生活環境が変わるケースでは、婚姻届けの提出を先送りするという判断が必要になることもあるでしょう。子どもの意見も聞きながら提出するタイミングを検討しましょう。

「どこまでも子どもの成長を優先して待つという選択も大切」と野口先生は言います。子連れ再婚は新しい家族が誕生する嬉しい節目であるとともに、子どもたちにとっては不安を抱えての再出発になるケースも少なくありません。どこまでも子どもの立場を優先して進めていくことが大切です。

児童扶養手当資格喪失の届出

離婚した際に条件を満たしており申請を行えば支給されるのが「児童扶養手当」です。養育費をもらっていても条件さえクリアしていれば支給されるため、この制度に助けられてきた人も多いのではないでしょうか。

ただ、再婚した場合には、「児童扶養手当」の支給対象から外れるため、早急に資格喪失届出を提出する必要が生じます。お住まいの市区町村の窓口まで速やかに届出を行いましょう。届出が遅れると児童扶養手当の返還を求められます。忘れていると後々、高額な請求が来ることもあるため忘れないようにしましょう。

自分はパートナーの扶養に入るか

子連れ再婚の際にお金のトラブルを減らすためのポイントとして、扶養の問題を考えておくことも重要です。専業主婦として家にいるのであれば扶養に入ることになるでしょう。ただ、働きに出る必要がある、働きたい、今の仕事を続けたいなどの希望がある場合には扶養から外れる可能性も出てきます。
扶養については、将来的に扶養に入る可能性も含めて話し合いをしておくと良いでしょう。扶養に入るために必要な条件は次のとおりです。

  • 再婚前に働いていなかった(収入がなかった)
  • 年間収入が130万円未満で、妻の収入が被保険者の半分未満である

子連れ再婚後には子どもの人数が増える可能性もあり、共働きを選択するケースも少なくありません。自分がどこまで働く必要があるのかによっても扶養に入る、入らないという選択が異なるため、互いに生活設計についてよく話し合っておくことが大切です。

子連れ再婚で幸せになるためには一人で悩まないこと

最後に、子連れ再婚を成功させ幸せな家庭を築くために抑えておきたい2つのポイントを紹介します。

第三者の視点で冷静な判断をする

子連れ再婚の話し合いをしていると、パートナーと自分の会話が本当に子どもにとって良い方向に進んでいるのか不安になることも多いでしょう。このような場合は、可能であれば経験者や身近な人に現状を冷静に判断してもらうということも必要です。

第三者の視点で冷静に現状を判断してもらうことで自分たちだけでは気がつけなかったことにも気づくことができます。信頼できる第三者がいる場合には、2人だけの問題と捉えずに子どものことにも心を配り、冷静な判断を仰げる人に相談してみましょう。

身近な人に相談できないことは専門家に相談する

子連れ再婚というデリケートなテーマである以上、身近な人に相談することが難しいという場合には専門家に相談する選択肢もあります。心理カウンセラーや行政の相談窓口などを利用するのも良いでしょう。専門家であればさまざまなケースの相談を経験しているため、多面的なアドバイスをもらうことが可能です。

100名以上の専門家が在籍しているソクたま相談室では、守秘義務を徹底した専門家があなたの悩みに寄り添います。安心して素直な気持ちを相談することができるため解決の糸口を掴むことができるでしょう。今回、登場して頂いた野口房子先生もその一人です。悩んだらソクたま相談室へお越しください。

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