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2022.04.03

子どもがLGBTQ(性的マイノリティ)だったら?親の関わり方について考えよう

近年、LGBTQという言葉が少しずつ社会的に浸透してきて、「体の性と心の性自認の違い」や「性的指向にはいろいろな種類がある」ということが知られるようになってきましたが、多くの人にとって、それが自分事として捉えられているかどうかと聞かれると、必ずしもそうではないというのが現状なのではないでしょうか。それが自分の子どもが関わっているかどうか、という話になればなおさらです。
しかし、2018年のある調査では全国の約8.9%の人が「LGBTQのいずれかに当てはまる」という結果が出ているように、誰にとっても決して他人事ではない話題なのです。
本記事では、LGBTQとはどのようなものであるのかを改めて知り、子どもが当事者の場合の親の関わり方や、社会の現状などをまとめていきます。

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LGBTQとは?

まず、改めてLGBTQとは何かを確認していきましょう。

LGBTQとは、

  • レズビアン(女性同性愛者)
  • ゲイ(男性同性愛者)
  • バイセクシャル(両性愛者)
  • トランスジェンダー(性自認が出生時の性別と異なる人)
  • クイア、クエスチョニング(性の在り方について、特定の枠に属さない人、また分からない人)

の5つの頭文字を合わせたものです。

しかし、「なるほど、人の性はこの5つに区切られているのか」と短絡的に理解してしまうのは危険です。

なぜなら、セクシュアリティ(性の在り方)には「自認する性」「体の性」「性的指向(好きになる性)」「性表現(服装など、社会的に表現する性)」の4つがあるとされており、それらが複雑に交わって一人の人間が形成されているからです。

例を挙げるならば、「体の性は女性で性自認も女性、性的指向も女性で性表現が男性」「体の性は男性で性自認は女性、性的指向は両性愛で、性表現はやや女性寄り」といったセクシュアリティの方も決して珍しくはありません。

このように、セクシュアリティはグラデーションのように一人一人少しずつ様相が異なるものであり、異性愛者だとしても、LGBTQに無関係というわけではないのです。

LGBTQの人々は何歳くらいで自分の性について気づくのか?

LGBTQの人々が、自分がセクシャルマイノリティだと気付くのは、小学生から高校生くらいの年齢のときが多いそうです。

小学生から高校生といえば、ちょうど思春期と言われる時期で、外部の影響を受けることで心が不安定になりやすい年代。

この年代の時に、いじめや偏見などを経験したり、「自殺してしまいたい」と感じたりするセクシャルマイノリティの割合が58.6%にも昇るというデータもあります。

PR TIMES

周囲の大人が心の不安やつらさに気づいてあげたり、サポートしてあげたりすることの重要さがわかります。

家庭での関わり方

では、実際に子どもセクシャルマイノリティである(またはその可能性がある)場合、保護者はどのように関わっていくべきなのでしょうか。

LGBTQかな?と思ったら

まず、子どもが自分の性についてカミングアウトしてこなくとも「もしかして悩みを抱えているのかも?」と感じた場合。

このような場合は、「LGBTQに対して理解がある親」だということを何気なく示してみるとよいのだとか。

たとえば、LGBTQに関する本を家に置いておく、テレビなどでLGBTQの話題が出ていたら「こういう生き方もあるよね」という言葉をかけるなどです。

このような言葉をかけられたり、勉強している姿勢を見せるだけでも、子どもは「自分の親は偏見のない人なのかも」「関心を持っているのだな」と、安心して過ごすことができるのだそうです。

子どもがカミングアウトしたら

では、子どもにLGBTQの当事者であることをカミングアウトされた場合はどうでしょうか。

この場合は、まずは話をしっかりと聞いてあげることが何よりも重要です。その上で、子どもが必要とした時には、相談に乗ったり、学校に支援を要請したりするアクションを取るなど、親だからこそできる支援をしてあげられるようにしたいですね。

勇気を出して親にカミングアウトをした結果、「そんなはずない」と拒絶されてしまう子どもは少なくないそうです。

また、「育て方が間違っていたんだ」と悲観したり、「『普通の状態』に治すにはどうすればいいのか」と考える親もいるようですが、セクシャルマイノリティであることは悪いことでも、ましてや病気であるわけでもありません。

否定したくなったり悲観したくなったりしてしまうのは、事前の知識や理解不足からくるものであるとも考えられます。日ごろからLGBTQについての知識や話題に触れ、理解することが重要ですね。

カミングアウト前後のNG対応は?

前述のように頭ごなしに否定したり拒絶したりするのはもちろんですが、安易な「アウティング」にも気をつけましょう。

アウティングとは、本人の了承なく、第三者へその性自認を暴露することです。

子どもがカミングアウトする場合、「お母さんなら分かってくれるかも」「お父さんだけには伝えてみよう」と、相手を選んで話していることが多いです。

性について告白されて驚く気持ちもありますが、「打ち明ける相手に選んでくれた」子どもの気持ちを尊重し、家族や親族であっても、むやみに他の人に伝えないようにしましょう。どうしても他の人に共有する必要がある場合は、本人に確認し、了承を得ることが不可欠です。

また、「もしかしたら、この子はセクシャルマイノリティかも?」と感じていても、カミングアウトを強要するようなことはしてはいけません。

カミングアウトは、単に第三者に打ち明けるというだけではなく、自分のセクシュアリティを受け入れ、肯定する過程でもあります。本人が自分らしく生きていくための手段の一つなのです。

ですから、カミングアウトするかどうかはもちろん、いつ、誰に、どのように伝えるかは、当事者本人が決めることであり、周囲がカミングアウトを強要するようなことは、親であっても決してあってはいけません。

いずれにしても本人の意思を尊重してあげることが一番大事ということですね。

どのようにサポートしていくか

LGBTQの人をサポートする周囲の人のことを「アライ」と呼びます。親は子どもにとっての一番身近で信頼のできるアライでありたいですよね。

そのためには、相談にのるなどの支援のほか、医療機関や相談できる場所を伝えることも考えられます。

しかし、実際に行動を起こすとしても、どんなことからすればよいのか分からないという場合も多いのではないかと思います。

現在、LGBTQに関連してさまざまなコミュニティがあります。SNSなどを使って全国の人と交流ができる場所もあれば、地域ごとのコミュニティもあります。分からないことや悩んでいることがあれば、こういったコミュニティを活用し、相談してみるという方法も考えられます。

本人がコミュニティに参加することはもちろん、親が情報収集のためにセミナーなどに参加するのもよいかもしれませんね。

学校や地域とはどう連携すれば良い?

文部科学省の調査によると、トイレについては約4割、更衣室については3割以上の学校が、LGBTQの子どもに対してなんらかの対応をしているようです。

具体的には、教職員用のトイレを使えるようにする、保健室での着替えを認める、などです。また、近年では、制服も自認する性に基づいて、スカートやズボン、リボンやネクタイを選べる学校も増えています。

そのほかにも、呼称について違和感を感じるという子どももいます。「◯◯ちゃん」「◯◯くん」という呼び方ではなく、「〇〇さん」という呼び方にしてもらうだけでも、その違和感を取り除ける場合があります。

以上のような支援が必要な場合は、学校と適宜話し合って連携していけるとよいですね。その場合も、他の子どもへの安易なアウティングはしないでほしいことをしっかり伝えておきましょう。

LGBTQは病気ではないし、治すものでもない

当たり前のことではありますが、LGBTQは病気ではありませんし、治すべきものではありません。「いつか治るよ」などという言葉をかけるのは絶対に避けましょう。

一方で、性別に関する違和感の強弱は、成長するにつれて変わることがあります。思春期の段階では、成長するにつれ性別についての違和がなくなったり、反対に突然生じたりすることもあるようです。

そのような場合も慎重に見守り、セクシュアリティについて説明を強要したり、「あなたはどっちなの」と追求するようなことはしないようにしてくださいね。

セクシャルマイノリティであることに悩んだり辛い思いをした人の中には、親や親戚の「彼女(彼氏)できた?」「結婚して幸せになって」という言葉や、ランドセルや服などについて、暗に「女らしい/男らしい」ものを押し付けられて傷付いたという人も多くいます。
 
多くの人が何気なく言ってしまう言葉が、子どもたちの心に大きな傷を負わせてしまうことも十分にあり得ます。

まずは正しい知識を身につけ、それが他人事ではなくとても身近な話題で、自分の子ども(またはその友達)にも関係する可能性があることを頭の片隅に置いておきたいですね。

<参考資料>
認定NPO法人rebit「多様な性に関する授業がもたらす教育効果の調査報告」
認定NPO法人 ReBit「【速報】LGBTQの子どもへのいじめをなくすSpirit Dayにあわせ、小学生への調査公開。6割が日常生活でLGBTQへの差別的言動を見聞き。多様な性に関する授業後は9割が今後は言わないと回答」
TOKYO RAINBOW PRIDE「LGBTQとは?」
NHK「セクシュアルマイノリティーの子どもたち 誰にも言えない思い」
法務省「LGBT」
文部科学省「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」

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