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2022.03.25

18歳から大人に!「成人年齢の引き下げ」で変わること、子どもに起こり得るトラブルとは

2022年4月から成人年齢(成年年齢)が20歳から18歳に引き下げられます。これまで18歳、19歳は“子ども”だったのに、この日を境に“大人”になるのです。そこで今回は、成人年齢が変わることで18歳からできるようになることや、改正をきっかけに起こり得るトラブル、またその対処法を紹介します。

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成人年齢が引き下げられるのはなぜ?

成人年齢引き下げのきっかけになったのは、2007年の国民投票法の成立です。国民投票法で投票権が18 歳以上の国民に与えられたのを機に、公職選挙法の投票権も引き下げられました。

これらのことから、「国政に深く関わることを判断する年齢を18歳に揃えるべきでは」という議論が起こり、2018年に民法の一部が改正されることが決定しました。

民法改正で変わる「成人」とは

民法上の「成人(成年)」には大きく分けて2つの意味があります。ひとつは「一人で有効な契約をできる年齢」、もうひとつは「父母の親権に服さなくなる年齢」です。

前者はクレジットカードやローンの契約、 アパートの賃貸契約を保護者の承認なしに締結できることなどを、後者は自分の住む場所や進路決定を自分の意志で決定することができることなどを意味します。

これからの成人年齢

日本の成人年齢(成年年齢)は、明治時代からこれまで民法で20歳とされてきましたが、今回施行される「民法の一部を改正する法律」により、18歳に変更されます。

成人に認められている多くの事柄が20歳から18歳へ引き下げられる一方、結婚できる年齢は女性のみ16歳から18歳へ引き上げられます。今後は、男女ともに結婚できる年齢が18歳に統一されるのです。

成人年齢の引き下げはいつから?

改正された民法が施行されるのは2022年4月1日からです。

2022年4月1日の時点で18歳以上の人が、この日から成人になります。また2004年4月2日以降に生まれた人は、18歳の誕生日を迎えた日から成人になります。

政府広報オンラインより引用

これからの18歳ができること・できないこと

成人年齢が18歳に引き下げられることで、これまではできなかったけれど、できるようになることがいくつかあります。

新たに成人になる子どもたちの生活に、どのような変化が生じるのでしょうか? できるようになることと従来通りできないこと、または不確定なことを、それぞれ確認していきます。

クレジットカードやローンなどの契約は?

成人年齢の引き下げで一番大きな変更点と言えるのが、クレジットカードやローンのなどの契約ができるようになることです。マンションやアパートなどの賃貸契約も親の承諾なしでできるようになります。

金融機関の審査に全ての人が通るわけではありませんが、自動車などの高額商品をローン契約して購入することも可能になることから、契約に関するトラブルに巻き込まれないように気をつける必要があります。

成人式はいつする?

成人式の時期やあり方について、特に国は定めておらず、各自治体に任されています。

そのため2023年以降、成人式をいつ・どのように行うのかは各自治体ごとに違ってくるため、それぞれ自治体の方針を確認する必要があります。

ただし18歳になって迎える1月は、多くの人にとって受験・就職活動シーズンで、この時期に成人式を行うことは合理的ではないという意見が多いです。

たとえば東京都世田谷区では「成人式」ではなく「20歳のつどい」というように名称を変更し、行事自体はこれまで同様に20歳になってから行う方針を打ち出しています。

養育費はどうなる?

養育費の支払いについて、これまでに「子どもが成人になるまで」と取り決められていた場合、その取り決めをした時点での成人年齢が20歳であれば、20歳まで養育費を支払う義務が生じます。

今後、養育費の支払いについて取り決めをする場合は、期限となる日付や子どもの年齢を具体的に明記するようにしましょう。

年金はいつから加入すれば良い?

現在の国民年金制度では、成人年齢が18歳に引き下げられても、国民年金への加入・保険料の納付は20歳からと従来通りで、変更はありません。

お酒やたばこ、ギャンブルはいつ解禁?

民法上の成人年齢が引き下げられたからと言っても、お酒やたばこは20歳以上でなければたしなめません。

また競馬や競輪といった公営ギャンブルの年齢制限も20歳以上からと変更ありません。 ただしパチンコは公営ギャンブルではないので、現行通り学生を除く18歳以上から入場可能です。

政府広報オンラインより引用

「成人年齢の引き下げ」のメリットとデメリット

成人年齢が引き下げられることで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか? それぞれ確認しておきましょう。

「成人年齢の引き下げ」のメリット

国政への関心が高まる

アメリカやイギリス、韓国など、多くの国が18歳までに選挙権を与えています。若い世代に選挙権を与えることは国政への関心を早い時期から高められると考えられます。

大人としての自覚が芽生える

進路や居住地の決定権や金融関連の契約が結べるようになるということは、今までより早く社会で自立することが可能になるということです。

成人して得られる自由な部分とそれに伴う責任について、子どもたちに親や学校がきちんと説明・教育することで、これまでより少し早い段階で大人としての自覚を芽生えさせることができるでしょう。

「成人年齢の引き下げ」のデメリット

契約トラブルに巻き込まれる可能性がある

クレジットカードやローンの契約を一人で締結できるようになるので、詐欺や金銭トラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。

18歳というと、高校3年生の年齢。親の目の届かない校内で友達間のトラブルが発生することも考えられます。

できることを誤解して法律違反をしてしまう

今回の成人年齢の引き下げは、あくまでも民法上のものです。お酒やタバコ、ギャンブルの年齢制限は法律が異なるため、従来通り20歳以上です。

「18歳で成人」=「全ての年齢制限をクリア」ではない、ということを理解していないと気づかないうちに法律違反してしまうので十分注意しましょう。

トラブル回避のために親にできること

先述のようなトラブルに子どもが巻き込まれないために、保護者にできることは何かあるのでしょうか? いくつか対処法を紹介します。

親子で正しい認識を持つ

まずは今回の民法改正について、親子で正しく理解することが大切です。今回の民法改正について正しい知識を身につけ、18歳以上からできること、これまでと変わらないことをきちんと確認しておきましょう

起こり得る危険を親子で話し合う

せっかく正しく知識を身につけたとしても、子どもの友人やその家族が正しく認識しているとは限りません。

間違って認識している友達から「この契約すると簡単に儲かるよ」「ちょっと名前を書くだけだから」などと誘われ、うっかり契約書にサインしてしまうことがあるかもしれません。また年齢制限を誤解した友人からお酒やタバコをすすめられることも考えられます。

こうしたトラブルに巻き込まれないためにも「安易に儲かる話などない」「楽しそうなことに誘われたら、いったん落ち着いて考える」など、日ごろから甘い誘いには裏があると親子で話し合っておくと良いでしょう。

相談窓口を確認しておく

どれだけ気をつけていてもトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。そんな時に慌てないためにも、相談できる窓口を知っておくと安心です。

契約トラブルに巻き込まれた場合は消費者ホットライン「188(いやや)」を利用できます。万が一トラブルにあっても相談できる場所があることを子どもにも共有しておきましょう。

成人年齢が18歳に引き下げられることで、子どもたちができることが増えます。特にクレジットカードやローンなどの契約が一人でできてしまうのは、保護者からすると不安に思うこともあるでしょう。

まずは民法改正について親子で正しく理解し、トラブルを回避できるように備えたいですね。

しかし18歳で成人になるという変化は決してネガティブなことだけではありません。子どもに責任と自覚を持たせる良い機会と捉え、「大人になること」について話し合ってみてはいかがでしょうか?

<参考資料>
政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。」
法務省「民法(成年年齢関係)改正 Q&A」
PR TIMES STORY「4月から成年年齢が20歳から18歳に!想定されるトラブルとは?~「弁護士ナビシリーズ」に掲載している弁護士に聞いてみた~」

「ソクラテスのたまご」編集部

「ソクラテスのたまご」編集部

教育に関する有識者の皆さまと一緒に、子を持つお父さん・お母さんでもある「ソクラテスのたまご」編集部のメンバーが、子どものために大人が知っておきたいさまざまな情報を発信していきます。

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