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2022.02.08

難関校を目指す子の保護者ほど大切にしている、見落としがちだけど大事な「ある教育」とは

2020年度から全国の小学校・中学校・高校に「キャリア・パスポート」が導入されるなど、子どもが自分のキャリアについて考えるための環境の整備が進んでいます。こうした「子どもが自らのキャリアを主体的にデザインしていく姿勢」は、昨今、大学からも求められているようです。
そこで今回は、「中学生・高校生の我が子が、自分のキャリアに向き合い、デザインするために親にできることは何なのか」をお届けします。

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大学受験を考えている中学生・高校生の保護者の多くは、「子どもが将来なりたい職業に就けること」や「自分らしく生きられること」を願っているのではないでしょうか。そのためにも、早くから夢や目標を持ち、それに向かって勉強して欲しいと思っている方もいるかもしれません。

確かに、ただ漠然と志望校を定めて勉強するよりも、自らのキャリアを設定し、目標に向かって主体的に努力する方が、高いモチベーションを維持しながら成績を伸ばしていくことができるでしょう。

しかし、社会経験のない中学生・高校生にとっては、「なりたい職業」や「夢」「目標」を問われても、ピンと来ない方が多いのかもしれません。

そこで今回は、「中学生・高校生の我が子が、自分のキャリアに向き合い、デザインするために親にできることは何なのか」を、自立力・主体性・やる気を指導する進学塾「モチベーションアカデミア」の大阪谷町校・西宮北口校校長、吉野謹也氏に教わりました。

学力の高い子の親ほど「キャリア教育」を実践している

具体的にどうすれば良いのか、という話の前に、「子どもの成績が伸び悩んでいる」「勉強に対するやる気がない」ことにお悩みの保護者の方にお伝えしたいことがあります。

モチベーションアカデミア」が大学受験を目指す中学生・高校生の子どもを持つ保護者様300名を対象に、「大学受験勉強に関するアンケート」を実施したところ、「難易度の高い大学を目指している中学生・高校生の方が親子で将来の夢や進路について話し合っている割合が高い」傾向があることがわかりました。

志望校レベル別に「親子で将来の夢や進路について話し合っているか」を集計した結果(PR TIMES

もちろん難関大学や医学部を目指すことが全てではありませんが、難易度の高い大学を志望するには、それ相応の学習や学力を要するもの。

文部科学省国立教育政策研究所も「キャリア教育を実施している学校の児童・生徒は自己の生き方や進路を真剣に考えている」と発表しているように、大人と将来について話し合う機会を持つことが、学習に対する意欲につながると言えそうです。

みなさんのご家庭では、親子で将来の夢や進路について話し合っていますか?

子どもの成績ややる気を嘆く前に、親子で子どもの将来について話す機会を増やしてみると良いかもしれません。

主体的に「将来と向き合う姿勢」が求められている

2020年度から全国の小学校・中学校・高校に「キャリア・パスポート」が導入されるなど、子どもが自分のキャリアについて考えるための環境の整備が進んでいます。こうした「子どもが自らのキャリアを主体的にデザインしていく姿勢」は、昨今、大学からも求められているようです。

モチベーションアカデミアは、「総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜の広がりもあり、中高生にとっても自分の将来を描くことが重要になりつつあります。しっかりと自分のキャリアについて考えることで、大学受験における志望校などの進路選択を有意義に行えるだけでなく、社会に出てからもより良い将来を築いていくことにつながります」PR ITMES)と伝えています。

資料:「子どものキャリア」に関わる社会の変化(モチベーションアカデミア提供)

上のグラフからも、一般入試以外で入学する学生が増えていることが分かりますね。平成30年度時点で、私立大学においては、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜で入学する学生が半数を超えています。

特に難関校の選抜試験では、出願時に主体的経験に関する文章の作成や小論文、面接、自己推薦書などが求められることが多いようです。

子どもが「なぜその大学で学びたいのか」「そのために何をしてきたのか」を自分の言葉で伝えられることや、将来のために主体的に物事に取り組む姿勢が社会に求められていると言えます。

子どものキャリア設計のために親にできること

そうは言っても、保護者世代はキャリア教育を受けていません。「子どものキャリア設計にどう関われば良いのか分からない」「どのように子どもに目標を持たせたら良いのか分からない」と思うのも無理のないことです。

吉野氏は、「子どものキャリア設計がうまく進む秘訣」として、「キャリア観ができるまでのステップ」と「キャリア設計を行う上で大切な環境」を教えてくれました。

キャリア設計を行うための前提

「キャリア設計を行う前提として、子どもが今どんな状況なのか、どこまで遠い未来を描くことができるのかを知る必要があります」と吉野氏。

時間割などで決められた1週間を滞りなく回す”生活をしている子どもにとって、来週など近い将来のことに目が行きがちで、その先のことを具体的に描けないことはよくあること。

まずは、1週間先、2週間先、1ヶ月先、3ヶ月先、半年先、1年先…と時間軸を伸ばしていって、どこまで未来を想像して具体的なスケジュールを描くことができるのかを子どもに確認して欲しいと言います。

そうすることで、“将来から逆算して今必要なことを考えていく”ことができるようになるのだそう。

次に知っておきたいのが、目標には3つの種類があるということです。

資料:「目標の三重構造」(モチベーションアカデミア提供)

「目標はBeing・Doing・Havingの三重構造・階層になっています。興味があることや目標があるのであれば、その目標は階層のどこに当てはまるのかを確認し、その他の階層の目標を設定するための問いかけを行うと良いです」(吉野氏)。

例えば、「東京大学に行く(東京大学の学位)」という目標(Having)を持っているのであれば、「東京大学を卒業した後どんなことをしたいのか」(Doing)、「その先にどんな自分でありたいのか/どんな社会を作りたいのか」(Being)という目標を考えていくと、キャリアの解像度は高まっていくでしょう。

目標に対するモチベーションを保ち、それに向かって努力するためには、「モチベーションの法則」に注目すると良いようです。

資料:「モチベーションの法則」(モチベーションアカデミア提供)

「自分が何かを成し遂げたいというビジョンや目標は、いろんな条件から生まれます。まずはやりたいという気持ち(Will)。そして自分がそこでやっていけそうだと思えていること(Can)。やらなきゃいけないことが分かっていること(Must)。この3つのポイントが重なる面積が大きくなるほど、目標がその子に与えるエネルギーも増していきます」(吉野氏)

この「この3つのポイントのどこが足りていないのか」を考えると、目標を持つためのステップが見えてきます。子どもが前に進んでいくために足りていない視点は何なのかを見極め、アプローチをかけてみると良いかもしれませんね。

キャリア観ができるまでのステップ

以上を前提に、キャリア設計のステップを見ていきます。

「キャリア設計(将来の目標、自分がやりたいこと)は、①自分を知る→②世界(世の中)を知る→③自分を創る、の3ステップで進んでいきます。広く遠い未来を考えるよりも、今に注目し、そこから拡張させていくと良いでしょう」(吉野氏)。

まずは子どもたちが本音で思っていることを引き出し、どんなことにやりがいを感じたりモチベーションが湧いたりするのかを知ることからスタートする。そして好きなことを本や動画、行動などを通して突き詰め、好きなことと社会との接点を見出す。その後、できることを増やしていく。このステップで目標に近づいていきながら、また新しい自分を知る…。

このステップを踏んでいけば、身近な目標を達成しながら、より高い場所にキャリアをアップデートしていくことができそうですね。

キャリア設計を行う上で大切な環境

次に、吉野氏が数ある条件の中からピックアップしたという「キャリア設計を行う上で大切な環境」を2つ紹介しましょう。

ひとつ目は「子どもの次の一歩を導くパートナーがいること」です。

「子どもたちの主観は狭く、自分を客観視するのは難しいものです。なので、自分が見えていないものを見せてくれる、気づいていないものを気づかせてくれる人が近くにいるかどうかが重要です」(吉野氏)。

2つ目は、「世界を知るきっかけが得られること」です。

「インターネットや本、OB・OGの話など、知らない世界を知る“きっかけ”があるかどうかがポイントです。今、こうしたきっかけ作りをしてくれる学校が増えていますが、キーポイントは、もともと子どもたちが持っていたものを失わせない環境を作ることです」(吉野氏)。

人は知らないことをイメージしづらいものです。ロールモデルや一歩先をいく先輩・友人と出会える環境に身を置き、こうした人たちと対話することで、知らなかった世界を知り、新しい価値観に触れながら、子どもは自分の世界を拡げることができるのでしょう。

親にできることとして、子どもが興味を持ちそうな動画や本を紹介する、外に出かけてみるなどの働きかけをしてみてもいいかもしれませんね。

子どもの伴走者は親だけではない

これまでの話から、「親である自分にだって、そんな幅広い知見はない」とか、「仕事と家事で忙しいから、丁寧に向き合える自信がない」と不安に思われた方もいるかもしれません。

でも大丈夫、「全てをまかなえる人はいない」「身近な大人と役割分担をすれば良い」と吉野氏は言います。

併走者は何も親でないといけないというわけではありません。学校の担任の先生や塾の講師だって、良い伴走者になってくれるでしょう。そのためにも、面談の際などに家庭の方針や不安な点などを共有するなどコミュニケーションをしっかりと取っておきたいですね。

「学校や塾の先生で大丈夫?」「もっとしっかり子どもにキャリア教育を行いたい」という場合は、中学生・高校生の自主性や自立性、やる気を引き出す専門塾であるモチベーションアカデミアの門を叩いてみるのも一つの手です。

通塾し、講師に直接やる気を引き出してもらうのはもちろん、オンライン校を選択し、学習塾と並行して通うのも良いでしょう。受講生の90%以上が成績アップを実感しているようなので、あなたのお子さんも志望校合格に近づくかもしれません。

キャリア設計のために家庭でできること

おうちを“共感”が得られる場所に

最後に、再び保護者の方に質問です。

あなたのご家庭は、お子さんにとってどんな場所ですか?

その日思ったこと、感じたことを話せる安心空間になっていますか? 子どもが興味を持ったことを一緒に面白がり深めてくれる人がいる場所になっていますか?

「キャリア設計をうまく進めたいと思うのであれば、家を評価の場ではなくワクワクが大きくなる場にすることが大切だ」と吉野氏。

子どもは、自分が見聞きしたもの、感じたこと、考えたことを、「知って欲しい」「共有したい」と思っているもの。忙しい毎日の中でも親が共感の姿勢を忘れずにしたいですね。

「好き」だけで終わらせない

「やってみて」「やらせてみて」そして「ほめる」ことも、選択肢を増やすうえで有効なこと。つい失敗しないよう先回りしてしまいそういなりますが、何事もやってみないことには始まりません。子どもの挑戦を親が恐れることなく、後押しする姿勢を意識したいものです。

また、世の中の広さを知り、将来の選択肢を増やしていくためには、思考を深めていくことも必要です。子どもが「好き」だと感じるものがあったら、単に「好き」で終わらせるのではなく、「なぜ?」と問いかけ、「どんなところが好きなのか」を言葉に出させる習慣をつけましょう。

躓いたときにかける言葉は、「だったらこうしてみたら?」「他には何かある?」です。

子どもはマネをしながら学ぶもの。「やったことがないから」「できそうにないから」と親がやる前から諦めたり億劫に思ったりせずに、一緒にトライすることで、子どもの視野や可能性がグンと拡がるかもしれません。

親が先生といった身近な大人との対話を通して見つけた“将来に向かって主体的に動いていくこと”は、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜が増えている昨今の大学受験はもちろん、人生100年時代において生涯役立つ力になるはずです。

そして、それは子どもだけではなく親の未来にとってもプラスの力となっていくでしょう。

子どものキャリア設計を通じて、家族の将来を楽しく描いてみてはいかがでしょうか?

※この記事は、学習塾「モチベーションアカデミア」が2022年1月23日に行ったオンラインセミナー『家でもできる!中高生のためのキャリア設計コミュニケーション講座』の内容を一部抜粋し、まとめたものです。

<取材協力>
モチベーションアカデミア

<参考資料>
モチベーションアカデミア HP
PR TIMES「【大学受験】中学生・高校生の4人に1人は親子で夢や進路について話し合えていない!その一方で難関大を目指す子の親は、家庭でキャリア教育を実践している!?」
文部科学省 国立教育政策研究所「キャリア・パスポートって何だろう?」

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