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2021.03.03

公立中高一貫校ってどう?私立・国立との違いや入試の内容、注意したい点とは

中学受験を考える理由のひとつが「高校受験を避けるため」。ですが、私立中学を受験するとなると、受験だけでなく入学後もお金がかかるため気後れしてしまうという家庭も多いのではないでしょうか。そんな家庭に人気が高いのが公立の中高一貫校です。入学試験の内容や倍率など分かりやすく解説します。

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受験する中高一貫校は国立、公立、私立の3タイプある

公立の中高一貫校の情報を紹介する前に、まずは中高一貫校それぞれの特色や違いを紹介します。公立、私立だけでなく、国立の中高一貫校もあるんですよ。

国立の中高一貫校とは

国立の中高一貫校とは、国立大学附属の中等教育学校、高等学校のこと。付属大学の研究やノウハウを生かした最新の教育が実践されているケースが多いようです。下記のような注意点や特徴があります。

【特徴①】無試験による大学への内部進学は難しい

進学を重視した教育は行われない学校が多いため、大学進学については別途、進学塾などに通う必要があります。

また、国立大学の付属といいながらも、中学・高校は研究機関の一部という位置づけになっており、内部から無試験で国立大学への入学できるケースは少ないよう。国立大学への進学を期待して付属校を受験するのはやめたほうがいいでしょう。

【特徴②】義務教育中は公立と同じ学費

学費は、公立校と同じく義務教育は無償もしくは公立標準額です。ただし、費用がまったくかからないわけではありません。

特に、国立大学付属中学校では、修学旅行ではなく研修旅行を取り入れ、国内外での実習、野外活動などを6年間のうちに4,5回行う学校もあり、学費が高額になるケースもあるようです。

【特徴③】入試は抽選という場合もある

国立の中高一貫校への入試は、私立中学のように広い範囲から出題されるわけではありません。基本的には公立小学校で学ぶ範囲になるため、私立中学に比べると勉強しやすいといえるでしょう。ただし、公立小学校で習う内容から難易度の高い応用問題が出題されるため受験対策勉強は必要です。

また、受検者数を制限するために抽選による選抜を行う学校もあるので情報収集をしましょう。

公立の中高一貫校とは

公立(都道府県立)の中高一貫校は、1991年度に文科省主導で導入されました。中学と高校を一貫教育にする目的は、大きく分けて下記の2点になります。

  • 中学と高校で教育が分断されるのを防ぐため
  • カリキュラムが重複するのを防ぐため

そのため、公立中高一貫校は、6年間の一貫した学習環境で生徒の個性や創造性を伸ばす教育が目指しており、子どもたちは自分に合った学習をする機会を得ることができます。さらに、近年は大学進学率も高くなっています。

また、下記のような特徴もあります。

【特徴①】基本的に高校からの入学者はなし

6年間で一貫した教育を行うため、基本的には高校からの入学者はいません。現状では、少数の生徒が高校から新しく入学する学校もありますが、今後は高校入学の募集は停止となる予定です。

【特徴②】カリキュラムが独特

公立中高一貫校ではそれぞれ、特色ある学習に力を入れている場合が多いようです。学校よっては、海外研修や職業体験、伝統文化の体験学習など、実践的な学習の機会が提供されています。教科の学習についても、習熟度別の少人数クラス編成を取り入れている学校が多く、生徒一人一人が丁寧な指導を受けられる可能性が高くなります。

【特徴③】入試は“受験”ではなく“受検”

公立中高一貫校の場合、入試方法は適性検査や作文、面談などであることから”受験”ではなく“受検”といわれます。詳しくは後の段落で解説しますが、適性検査や作文では、知識の有無や理解度を問うだけではなく思考力、表現力を問われる問題が出題されます。

私立の中高一貫校とは

私立中高一貫校は、各学校ごとの教育方針や理念に沿った教育が行われるため、その方向性が家庭や本人に合っていれば資質を伸ばせる学校生活になることでしょう。

【特徴①】独自のカリキュラムと時代に合った教育

教育内容も学校ごとに違うため、音楽や美術など、芸術的教育に力を入れる学校もあれば、海外の大学への進学、在校中の短期留学、ホームステイなどに強い学校もあります。また、時代に合わせて教育や指導をアップデートしていく学校も多いほか、ほとんどの学校が大学進学に向けた受験指導にも力を入れています。

【特徴②】学費は公立、国立に比べて高額

私立の中高一貫校は、公立や国立と比べると高額になります。
文科省の調査(平成30年度子どもの学習費調査)によると、私立中学の教育学費は年間約107万1000円とされています。

同調査の公立中学校の教育学費が約13万9000円であることと比較すると違いは明らかです。当然のことながら、これは平均値なので実際の費用は学校ごとに、数万から数十万円異なりますので、受験を検討する際には、当該校の学費をよく確認する必要があります。

【特徴③】私立中学は受験は費用も高額になる

私立中学の受験は、小学校でならった内容だけではなく、私立中学受験用の勉強が必要になります。そのため、塾や家庭教師など受験のプロのサポートが必要です。受験サイト「中学図鑑」によると小学4~6年生の3年間にかかる費用は総額413.2万円とのこと。中学入学後だけでなく、中学受験の費用も多額になる覚悟が必要です。

また、一般的に学習塾は学習年度は2月で切り替わります。中学受験の場合は、小学3年生の2月から中学受験対策の勉強が始まるとされており、そこからおよそ3年間の受験期間が続きます。中学受験には学習面、生活面ともに家族の理解と助けが必要となるため、費用だけではない負担があることも覚えておきましょう。

国立・公立・私立中高一貫校の違いのまとめ

  • 教育内容:6年間一貫していることで特色のある学びを得ることができる。
  • 学費:国立と公立に比べて私立は高額。ただし、研修や体験学習などである程度の費用は必要。
  • 大学進学:国立付属でも内部進学できる可能性は低い。公立・私立ともに受験対策を行っている学校は多い。

以上、3タイプの一貫校の違いはイメージできましたか? やはり、受験期間と入学後のどちらをとっても国立・公立のほうが学費は安く済みそうです。また、大学進学を考えるのであれば、国立よりも公立・私立がいい環境にあり、併せてえると公立の中高一貫校のメリットは「学費が安く、大学進学のサポートがある」といえるのではないでしょうか。

公立中高一貫校の入学試験とは

では、次に先ほど少しだけ紹介した公立中高一貫校の入試について解説していきましょう。公立中高一貫校の場合、一般的には下記のような方法で選抜を行います。

入学試験の内容

報告書
小学校の教師がで作成し、小学5~6年生の8教科の評定、特別活動や出欠席を記録した書類のこと。※学校によっては小学4年生からの記録になる


適性検査
学力試験の代わりとなる教科横断型の試験。


作文
多くの場合、与えられた課題に対して経験や知識を使って作文を作成します。


面接
個人面談、集団面談、グループ活動など形式は学校によって異なります。

また、一般的に入試の受験料は国立は5000円、私立は2万円前後なのに対して公立中高一貫校の場合は2,200円とされており安い傾向があります。

教科横断型の試験「適性検査」の内容とは

都立中学の場合、都内の学校が同じ問題を出題する「共通問題」と、各学校が独自に作成した問題が出題されます。

最近の傾向では、問題の文章が長く読解力が必要なほか、時事問題や社会問題にちなんだ出題もあるよう。日ごろからニュースや新聞をチェックして知識を得ているかということだけでなく、そのことについて親子で話し合うなどをして自分の意見をもつなどの思考力・表現力も求められます。

出題方針やは各学校のHPで公表されています。
例えば、「小石川中等教育学校」の適性検査問題の出題の基本方針は、下記のよう。

  1. 豊かな感性、主体性や創造性など、リーダーに求められる資質・能力をみる。 
  2.  思考力や判断力、表現力等、小学校での教育で身に付けた総合的な力をみる。

過去の出題も公開されているので見てみると問題の量、難易度が実感できます。

東京の場合、入試の倍率は約5倍の狭き門

公立中高一貫校の入試はとても高い倍率になっています。東京都教育委員会が公表している「東京都立中等教育学校および東京都立中学校の最終応募状況」を見てみると、学校によって差はありますが平均すると5倍を超えています。

都立高校の入学試験倍率が2倍弱であることを考えると、かなり高い競争率となっています。

高倍率になる要因のひとつは、東京では11校、神奈川県で5校、千葉、埼玉県にそれぞれ3校といったように学校数が少ないことです。中学受験者数が増加傾向にある中で、倍率が高くなっていくのは仕方がないことかもしれません。

塾なしは厳しそう、公立中高一貫校向けの受験勉強とは

上記の通り、公立中高一貫校の受検(受検:入学試験ではなく、適性検査なので正しくは「受検」になります)は文字通り、私立中学の受験とは別の対策が必要になります。

家庭でも適性検査の過去問題を子供と一緒に、繰り返し解いて、子どもと互いに解説しあうなどの対策はできますが、それで十分とはいえず、公立中高一貫校の入試ノウハウや情報に長けている塾や家庭教師をつけたほうが学習効率も合格の可能性も上がります。

なぜなら、適性検査や作文では、これまで向き合ったことのないような設問が出題されます。何をどう考え、答えるべきかも分からないところから、自分で正解を導けるようになるには、ある程度のガイダンスが必要だからです。

月々の塾費用は私立中学受験と変わらない可能性も

大手進学塾には、公立中高一貫校の対策コースがあり、4年生からの3年間通うとなれば費用も拘束時間も私立中学の受験と変わりません。

そこまでの時間と、費用の負担は負えないということでしたら、夏休みの短期集中講座や、志望校別対策講座など、一部の授業だけでも受講して問題や解き方の傾向だけでも知っておきたいですね。

公立中高一貫校へのデメリットやリスク

ここまで公立中高一貫校について解説してきましたが、進学するのであればデメリットやリスクも知っておきたいもの。そこで、ここまでの情報をもとに解説します。

中だるみで学習意欲が下がる

6年一貫教育の弱点は、いわゆる、中だるみです。高校受験の準備がなく、学校生活にも慣れてきた3~4年目にかけては、緊張感が薄れ、授業への集中力も低下し、成績を下げてしまう可能性があります。大学受験シーズンになってもモチベーションが戻らないと進学にひびいてしまいそうです。

人間関係が合わないと苦労する

6年間、同じメンバーで生活する中高一貫校。仲を深められる一方で中学時代に人間関係でトラブルが起きたり、悪質ないじめや嫌がらせに合ったりしても、学校自体が高校受験モードではないので、別の高校へ進学するのには苦労するかもしれません。

学校数が少なく選ぶことができない

前述の通り、公立中高一貫校は都内で11校、他県では数校程度です。通学時間を考えると、せいぜい2校くらいしか検討できないのが実情です。

以上の点は、公立中高一貫校だけに限られたものではありません。ですが、保護者が「公立中高一貫校にさえ入れておけば大丈夫」と思っていても、イレギュラーなことは起きるという前提でいることも必要です。

また、私立中学とは違うとはいえ、中学入試への参加は、子どもの気合と努力が不可欠です。保護者の期待で押し切るのではなく、子どもが本当に公立中高一貫校への進学に納得するのかどうか話し合ってみてくださいね。

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