二段階認証? 「フォ―トナイト」の子ども用アカウントで親が気をつけたいこと
世界中で人気のオンラインゲーム「フォートナイト(FORTNITE)」。15歳以上という年齢制限が設定されていますが、無料で始められることから小学生の間でも支持されているようです。しかし、親としては「本当に子どもが遊んでも大丈夫?」と気になるのではないでしょうか? フォートナイトを安心安全に遊ぶため、二段階認証のやり方など親が気をつけたいことについて考えます。
目次
フォートナイトって、どんなゲーム?
そもそもフォートナイトはどのようなゲームなのでしょうか?
フォートナイトは
- 自分で集めた素材で壁や階段、屋根・床といった建築やトラップを作ることができるいわゆるクラフトゲーム
- 操作するキャラクターを追うかたちのTPS(サードパーソン・シューティング)ゲーム
この二つが合わさったゲームです。
また、①アクション、②バトルロイヤル、③サンドボックス(定められたルールや攻略手段の存在しないゲームスタイル、代表的なものに「マインクラフト」がある)の3つのスタイルで楽しむことができます。
- アクション
「世界を救え」は、最大4人が協力して敵から拠点を守るアクションゲーム。 - バトルロイヤル
最大100人のプレイヤーが最後の1人になるまで対戦するサバイバルゲーム。 - クリエイティブ
プレイヤーが独自の世界を好きに創造することができるサンドボックスモード。
特にバトルロイヤルは人気で、同時接続人数が1000万人を超えるイベントもあるほど。
また、プラットフォーム(ゲームのできる環境)も多彩で、PC、「PlayStation 4・5」、「Xbox One」、「Xbox Series X/S」、「Nintendo Switch」などほとんどのゲーム機で遊ぶことが可能です。
ただし、「iPhone」「Android」端末では2020年8月14日にアプリが削除されています。既にインストールされている場合は、“13.40”(ゲームのバージョンを表す数字で、これが大きいほど新しいバージョン)でのみ遊ぶことができます(2021年1月20日時点での最新バージョンは15.21)。また、Android端末では「Epic Games App」というPC経由でダウンロードが可能となっています。
フォートナイトのプレイにひそむ5つの危険性
世界中で人気のフォートナイトですが、どんな点に気を付ける必要があるのでしょうか。
【1】アカウントの乗っ取り
プレイしているユーザーのアカウントへ不正にアクセスし、勝手に操作をされてしまうこと。パスワードが簡単なものであったり、二段階認証できなかったりといった場合に起こり得ます。
乗っ取られてしまった場合、すぐに別のパスワードに変更され“本人なのにアクセスできない”状態になってしまいます。
その結果、“なりすまし”や個人情報の取得などに悪用されてしまうことも…。
【2】長時間のプレイ(中毒性)
世界的に人気の高いゲームであると同時に、TPSゲームは一人称視点のゲームより画面酔いが少ないため熱中しやすいゲームであるといわれています。
大人でものめり込んでしまうゲームであるがゆえに、きちんと話し合って適切なプレイ時間を決めておきたいところです。
【3】ボイスチャット
家にいながら友達と会話をして一緒にゲームをできるボイスチャットは、とても楽しい機能です。
その反面、知らない人と会話ができてしまう危険性やゲームに熱くなることで言葉遣いが荒くなりトラブルの元になってしまうという面も。
ボイスチャットの利用に関しても、話し合っておく必要があるでしょう。
【4】課金にまつわる問題
フォートナイトで度々、話題になる問題が課金です。
フォートナイトでは、課金によってキャラクターが強くなることはありません。
そのため親は、子どもが課金で何をしたいのかを確認しておきたいところです。
【5】「CEROレーティングC(15歳以上対象)」ゲームであること
「CEROレーティングC」は、購入を禁止することではありません。ゲームの内容として、15歳以上がふさわしいという判断です。
フォートナイトのが“C”に分類される理由は、暴力。
これがどういった意味なのか、子どもと一緒に話し合うことが大切です。
次の章では、こういった“危険”に対してどのような対策が有効かについて考えてみましょう。
以下の記事では、公認心理師監修のもと、小・中学生のゲーム障害(依存症)についてより詳しく解説しています。
子どものフォートナイト対策① 二段階認証などのアカウント保護はマスト!
親が「心配だから」という理由だけでいろいろ禁止してしまうと、子どもには「なぜ禁止されるのか?」という疑問しか残りません。
「なぜ危険なのか」「どうやったら安全に遊べるのか」ということを、子どもと一緒に考えることが大切です。親子間の意識を共有しておけば、万が一ゲーム内でトラブルが起きた場合も、子どもは親に相談や報告をしやすいはずです。
まずは、前章で挙げた「アカウントの乗っ取り」についての対策を解説しましょう。これは、ゲームのプレイ前には必ず設定しておきたい内容になります。親が単独で行っても子どもがゲームで遊ぶ際になんら影響はありませんが、なぜアカウント保護が危険なのかは子どもが理解しておく必要はあります。
対策① パスワードの設定
実際にアカウントを乗っ取られてしまうと、それまで自分が育てたキャラクターや世界が奪われるだけでなく、なりすましによる迷惑行為やアカウントの売買などに使われてしまう恐れもあります。
パスワードは誕生日などの分かりやすいものは避け、数字や英語の大文字・小文字をミックスさせるのが良いでしょう。
対策② 二段階認証の設定
アカウントの乗っ取りに有効となる対処法としてもう一つ、二段階認証があります。
二段階認証とはパスワードの入力後もう一回、他の方法で本人の確認をする方法です。
二回目の認証は自身の端末にある認証アプリ、あるいは携帯電話のSMSやメールアドレスに認証コードを送る方式になっています。そのため、第三者が一段階目となるパスワードを突破できたとしても二段回目の認証は突破しにくく、本人に通知も来るためすぐに対処することが可能なのです。
ニ段階認証の手順は、次の通り。PCからログインした状態で行います。
- アカウント画面から「パスワード&セキュリティ」を選ぶ
- 下にスクロールして二段階認証の方法を選択する
二段階認証の方法は、次の3つ。
- スマートフォンに認証するためのアプリをダウンロードする「認証コードアプリ」
- 携帯電話の番号を登録し、その番号へ認証コードをSMS通知する「SMS認証」
- 登録したメールアドレスへ認証コードを通知する「メール認証」
フォートナイトでもアカウントの二段階認証は推奨しており、設定をするとゲーム内で特別なプレゼントがもらえるよう。
子どものフォートナイト対策② 親子で話し合いながら設定しよう
「長時間のプレイ(中毒性)」「ボイスチャット」「課金にまつわる問題」「CEROレーティングC(15歳以上対象)ゲームであること」に関しての対策は、子どものゲームプレイに制限をかける内容が多くなります。親が勝手に対策や設定をせず、“なぜその設定をする必要があるか”を必ず子どもに説明しましょう。
長時間プレイへの対策
人気ゲームであるがゆえ、ゲームに熱中してしまうことは懸念されることでしょう。
まずは、あらかじめ“遊んで良い時間”を親子で話し合っておくことが大事。“〇時間までOK”と区切る方法もありますが、“遊んで良い条件”を付け加えるのも良いでしょう。例えば「学校の宿題が終わったら30分間OKだよ」とか、「学校の宿題も塾の宿題も終えて、夕飯やお風呂、明日の準備全て終えたら1時間やってもいいよ」など、“やるべきことをしっかり片付けてから遊ぶ”という習慣をつけるのもおすすめです。
共働きで子どもの留守中のゲーム時間が気になるといった場合には、各種ゲーム機のプレイ時間の把握や制限のできる機能を活用しても良いでしょう。
【Nintendo Switchサポート】(※スマホアプリからでないとプレイ時間の設定はできません)
ユーザーと子どもアカウントの連携
Nintendo みまもり Switch
【PlayStation 4】
Playstation 4の利用制限
【PlayStation 5】
Playstation 5のペアレンタルコントロールと利用限度額の設定方法
【Xbox One、Xbox Series X/S】
Xbox 保護者による設定:誰にとっても安心できるゲーム
ボイスチャットはオフに
見知らぬ人とでもつながる機会のあるフォートナイトでは、基本的にボイスチャット機能をオフにするのが安心。けれど、ボイスチャットで友達と遊ぶこともこのゲームの楽しみ方の一つ。したがって、親から一方的に禁止するのは難しいこともあるでしょう。
「なぜ、ボイスチャットを制限しなければいけないのか?」「見知らぬ他人と簡単につなががることの危険性」を説明する必要はあります。
悪意を持った第三者によりボイスチャットの会話からアカウント情報を取得されたり、住所など個人情報までも取得されてしまったりする可能性があります。
子どもがボイスチャットを利用したいのであれば、“親が一緒にいるときだけ”など親子でルールを決めるのも良いでしょう。
課金にまつわるトラブル対策
まずは、フォートナイトの課金の使い道について理解しておくことが必要です。
先述したように、フォートナイトでは課金によって劇的にキャラクターが強くなることはありません。
そのため、課金の目的は「スキン」(キャラクターの見た目)や「エモート」(キャラクターのダンスやアクション)、そして2〜3ヶ月ごとに行われるイベントで使用する「バトルパス」に使われることがほとんどです。
「スキン」と「エモート」は、無課金の初期状態ではランダムでキャラクターの見た目が変わってしまうため、子どもから「課金をしたい」とお願いされるかもしれません。「バトルパス」に関しては必ず必要なものではありませんが、これがあるだけで遊びの幅がぐんと広がることも事実。
課金に対して頭ごなしに何でもかんでも禁止してしまったことで、子どもが隠れて課金するというトラブルもあるようです。まずは、親が課金の方法を理解して親子で話し合うことがが第一。また、課金そのものではなく子どもが何を購入しているのかをしっかり認識するのも親の責任でしょう。
誕生日やときには何かを頑張ったご褒美として、子どもが課金するのではなく、親が「スキン」「エモート」「バトルパス」を購入してあげるのも一つの手。「特別な日に〇〇をプレゼントするよ」という約束をすることで、子どもの欲求が満たされることもあるでしょう。
課金や購入に関しても、各ゲーム機ごとに設定することが可能です。親が勝手に設定するのではなく、親子で一緒に設定してくださいね。
【Nintendo Switchサポート】(※スマホアプリからでないとプレイ時間の設定はできません)
ユーザーと子どもアカウントの連携
Nintendo みまもり Switch
【PlayStation 4】
Playstation 4の利用制限
【PlayStation 5】
Playstation 5のペアレンタルコントロールと利用限度額の設定方法
【Xbox One、Xbox Series X/S】
Xbox 保護者による設定:誰にとっても安心できるゲーム
スマホにフォートナイトがインストールされている場合
先述したように現在、iPhoneとAndroidではフォートナイトのアプリが削除されています。しかし、古い状態でゲームのプレイは可能。もちろん、バージョンが古いままだとボイスチャット機能など、他のユーザーと一緒にプレイすることはできないため遊び方は限られます。
ですが、課金自体は可能です。心配な場合は「ペアレンタルコントロール」などで制限設定しても良いでしょう。
CEROレーティングC(15歳以上対象)ゲームであること
フォートナイトは、そもそもCEROレーティングが「C(15歳以上対象)」のゲームです。
その対象は、暴力。けんか・拷問・武器類の使用による戦闘・対戦格闘・戦争・兵器などに対して設定されるものです。これら“暴力性を刺激する”ことを理解できる年齢、または対処できる年齢として15歳以上を対象としています。
ゲームの内容が子どもの感情を高ぶらせてしまうことがあるということは、認識しておきたいこと。特に言葉遣いには影響が出やすいため「暴力的な言葉遣いをしたらゲーム停止」など、あらかじめルールを決めておいても良いかもしれません。
「CEROレーティングC」は15歳以上を対象と定めているだけで、厳密な罰則などは発生せず購入も可能です(例外として、「CEROレーティングZ」の18歳以上対象に関しては販売の自主規制があります)。だからこそ、CEROレーティングCであること、注意しなければならないこと、暴力性を刺激しやすいことなど、親子で話し合っておくことが大切になります。
今回は、人気のゲーム「フォートナイト」で気を付けたいことについて説明しました。
アカウントやチャットに関しては、話し合いで子どもの合意を得やすいでしょう。しかし、プレイ時間や課金については親も子も互いに譲れない部分が出てくるかもしれません。
子どもが好きなゲームについて、そのタイトルは知っていても内容までは知らないという親は少なくないでしょう。けれど、どんなゲームなのかを知らないまま「遊んではダメ」と言っても、子どもは納得できません。
「フォートナイト」がどんなゲームなのか、課金で何がしたいのか…子どもの楽しい気持ちを理解し、子どもとコミュニケーションをしっかり取ることで親の不安はかなり緩和されるはずです。
子育てのお悩みを
専門家にオンライン相談できます!
「記事を読んでも悩みが解決しない」「もっと詳しく知りたい」という方は、子育ての専門家に直接相談してみませんか?『ソクたま相談室』には実績豊富な専門家が約150名在籍。きっとあなたにぴったりの専門家が見つかるはずです。
子育てに役立つ情報をプレゼント♪
ソクたま公式LINEでは、専門家監修記事など役立つ最新情報を配信しています。今なら、友だち登録した方全員に『子どもの才能を伸ばす声掛け変換表』をプレゼント中!