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2020.09.25

【小学校の個人面談】服装や質問はどうする?疑問や不安にベテラン教師が答えます

新型コロナの影響で学校公開や保護者会を中止・縮小する学校も多い今年度。担任教師とコミュニケーションを取ったり、子どもの学校生活の様子を知ったりする上で個人面談が重要な機会になります。しかし、聞きたいことがたくさんあっても、時間内に話せることは限られますよね。一方で、話べきことが何も思い浮かばない場合もあります。そこで、教員歴が長い教育カウンセラーの望月保美さんに個人面談で聞くべきポイント、親として知っておきたいマナーなどを聞きました。

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小学校の個人面談は何のためにあるのか

1年度に1~2回設けられている小学校の個人面談。与えられる約15分の時間は、本格的な相談をするには短く、世間話をするには長い時間です。そもそも、小学校の個人面談は何のためにあるのでしょう。

東京都内で約40年にわたり小学校の教員を務めてきた望月保美さんは次のように話します。

第一の目的は、普段の学校での様子を伝えることですよね。学習の様子や精神的に不安定ではないか、など。もうひとつの目的は、親御さんがどのような思いや教育方針でお子さんを育てていらっしゃるのかを知ることです。

親御さんは“わが子”何年も一番近くで見てきた“わが子”の専門家です。一方、教員は教育の専門家。面談は専門家同士でその子をよりよく育てていくためにどうすればいいのかを相談するコンサルテーションのようなものだと考えてみてはいかがでしょうか」

特に新しくその子どもを受け持った教員にとっては、昨年度と比べて様子が違っている点はないかをぜひ聞いておきたいそう。

「例えば、家では行きたくなさそうな様子を見せていても、学校では元気という子でももいます。何月ごろから何曜日(もしくは毎日)に行き渋っているということを教えてもらえると、教師も今後の対応について心づもりができるのでありがたいです」

多くの場合、個人面談は1学期の終わりごろや夏休みに行われますが、このような情報を家庭から提供されることで教員は、2学期以降、その子の学校生活を注意深く観察することができるそう。

「不登校傾向がある子の場合であれば、まず始業式に来ることができるのかということに気を配ります。もし、難しそうでも夏休みの間に家庭と協力することで子どもの不安を和らげることができるかもしれません。不登校に関わらず、次に子どもと会うとき、その子の心境を意識して対面することで新たにできることが見つかるかもしれません」

望月保美さん上級教育カウンセラー

上級教育カウンセラー、ガイダンスカウンセラー、特別支援教育士、東京都の元小学校教員。 教員生活の中で、生活指導・教育相談・特別支援教育のコーディネーターとして、子どもの声を聴くこと、保護者の思いを受け取れることに努めた。現在は、東京都の事業で高等学校での構成的グループエンカウンターの講師や東京都の特別支援教室巡回相談心理士として、小学校を訪問している。

個人面談は何でも質問していい

とはいえ、子どもの学校生活のキーパーソンである担任教師に対してできるだけ悪い印象や子どもに対する変な先入観は与えたくないもの。個人面談で質問していいこと、悪いことはあるのでしょうか。

子どもに関することで気になることは何でも質問していいと思いますよ」と望月さん。例えば、下記のようなことは質問したり、伝えたりする人が多いとか。

個人面談のよくある相談・質問

  • 子どもが学校に行きたくなさそうだけど学校ではどうか
  • 宿題の量が多すぎる気がする(こなせない)
  • 精神的に不安定だけど学校ではどうか (反抗的、急に言動が悪くなった、など)
  • 友達関係に悩んでいるが学校ではどうか
  • 授業についていけているか
  • 中学受験をする予定(小学校4年生以上)

特に今年度は新型コロナによる長期休校、夏休みの短縮など、教員にとっても子どもにとってもイレギュラーな状況です。

「学習面でも精神的負担でも許容量を超えてしまう子どもがいると思います。帰宅後の子どもが常に疲れた様子であれば面談に限らず教師に相談していいと思いますよ」

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個人面談の質問は事前に準備したほうがいい?

一般的に面談時間は15~20分程度という小学校がほとんど。限られた時間を生かすために事前にできることはあるのでしょうか?

「面談中に教員から『何か気になること(お話しておきたいこと)はありますか』と聞かれるタイミングがあると思います。ただ、そのときに急に考えてもなかなか思いつきませんよね。何となく話しているうちに世間話に流れてしまうというのは、個人面談のあるあるです。

だからこそ、話したいことはいくつかメモして持っていくのがいいですね。ただし、メモは絶対ではありません。特になければ持っていかなくてもいいですよ」

もし、メモをしていった内容を時間内に聞き切れなかった場合はどうすればいいのでしょうか?

「相談しきれなかったことやじっくり相談したいことがあったり、他人(廊下にいる他の保護者など)に相談を聞かれたくなかったりする場合、面談の場では、『友人関係でちょっと悩んでて…』など何に関する内容かを少し匂わせながら『さらに相談したいことがあるのでまた時間をつくって頂けますか?』と言ってみてください。

具体的な日時の相談は、その場ではなく、改めて行うことになると思いますがアポ取りは連絡帳を介したほうがいいのか、それとも、学校に電話をしてもいいのかなども確認しておくとよいでしょう」

学校・担任教員に嫌がられない質問・相談2つのポイント

また、質問や相談をすることが苦手な保護者もいるのではないでしょうか。うまく思いをくみ取ってもらい、子どもの今後につなげる相談のコツを聞いてみました。

苦情や批判ではなく柔らかい表現に

「勇気を出して相談をしても、クレームと取られてしまったら損ですよね。例えば宿題が多過ぎて子どもが疲れている場合、『宿題が多くて困るんです!』と苦情的な言い方をされると教員も戸惑ってしまいます。ですが『夕方になるとうちの子、ちょっと疲れているように見えるんですよね。宿題もなかなか終わらなくて夕飯の後まですることが多いんです』などちょっと柔らかい言い方にするだけで印象は違いますよ」

また、具体的な方法を相談してみるのもいいそう。

「例えば、『漢字を書くのが遅くて1行書くのに時間がかかる』『計算ドリルの問題をノートに写すことに時間がかかりすぎてしまう』など困っていることを具体的に話して、『漢字を書く数を減らしてもらう』『計算の問題は親が書く』など個々の対応について了承を得ようとするのも教師は検討、返答しやすいのではないでしょうか」

過去ではなく今後について話をする

学校生活の様子や子どもの交友関係について質問をしたとき、「心配することないですよ」「楽しくやっていますよ」と返されて「あれ?子どもの話と違うんだけど」「先生はちゃんと見てくれているのかな」と思ったことはありませんか?

「教師がその子のことをちゃんと見ていないというよりも相対的に見て問題はなさそうということだと思います。ただ、児童全員の心の中まで見えているかといえば、教員もオールマイティーではありません。見落としていることもあるでしょう。

ですから、面談で子どもの悩みを伝えることで、教員はそのことを心に留めながらその子のことを見ていくようになっていくと思います。教師としては、大切な子どものことだからこそ、親子の不安、悩みを意識しながら普段の様子を見て、より正確なことを親御さんにお答えしたいと思っているかもしれないので教師にも少し時間は与えていいと思います。

もし、相談後の対応が心配なのであれば、「子どもの様子を見ていると心配なので、改めて●週間後ぐらいにまたご相談させていただいてよいですか?」と言っておくと、それまで意識して見たうえでの担任の意見を聞くことができると思います」

再度の相談で「心配ない」「大丈夫」と言われたとしても、もし辛そうな子どもの状態が続くのであれば「様子見てたんですけど、やっぱりどうしても辛そうなので、もう一回相談をさせてください」と連絡をしていいと望月さんは話します。

個人面談で相談をするときは、これまでの子どもの状況を意識して話す保護者は多いと思いますが、過去や今だけでなく、“今後について”という視点もあったほうがいいのかもしれません。

小学校の個人面談の服装やマナー

「どんな人なのなのだろう」「安心して任せられる人かしら」など、保護者からすると個人面談は教員について知ろうとする時間ですよね。一方で先生も保護者のことを見ている時間でもあります。

子どもがお世話になっている学校に対してなるべく失礼がないようにマナーはあるの? 特に気になる服装について教員はどう思っているのでしょうか。

「おしゃれをしたほうがいい、スーツじゃなくちゃダメというような服装にルールはないと思います。教員側としては(保護者に)わざわざ来て頂いている側なので自分はなるべく失礼のない格好で面談をしたほうがいいと思いますが、親御さんは好きな格好でいいですよ。

ただ、何を着ていったらいいか悩むのであれば、学校公開や保護者会の際に周りの保護者の服装を見てみてください。やっぱりそれぞれ地域や学校の雰囲気があるので地域の雰囲気に合わせてみるのはいかがでしょう。もちろん『服装なんて気にしない』という親御さんは、無理に周りに合わせる必要はありませんよ」

そのほか、マナーは時間さえ守ってくれたり、もし間に合わないときは連絡さえくれればいいとのこと。

「個人面談ではお子さんのがんばっている様子などいいところもいっぱい聞くことができると思います。いいところはぜひお子さんに伝えて、褒めて、お子さんの今後のモチベーションにつなげてあげてくださいね」

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浜田彩

エディター、ライター、環境アレルギーアドバイザー。新聞社勤務を経て、女性のライフスタイルや医療、金融、教育、福祉関連の書籍・雑誌・Webサイト記事の編集・執筆を手掛ける。プライベートでは2児の母。

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