2020.03.11

休校中の子どもをネット依存、ゲーム障害にしない対策 ゲーム好きを学習させるコツとは

学校は休みで外出も控えるようにといわれている休校期間。Youubeやゲームをする時間がつい長くなってしまいがちです。中には、中毒性の高いオンラインゲームをやり続けてしまう子もいるようで、子どものネット依存が気になります。実際に厚生労働省の発表によると、病的なネット依存が疑われる中高生は推計93万人。過去5年間で倍増しているそうです。そこで、子どものネット依存対策について解説。さらに、オンラインゲーム好きな子がその子に合った学習を見つけられる方法も紹介します。

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ネット依存の症状とは? 診断テストも紹介

今や生活に欠かせないインターネット。見たいものがある、調べたいことがあるというわけでもないのに気づけばスマホを触っていることってありますよね。しかし、ネット依存とは、そんな状態を指す言葉ではないようです。そもそもネット依存とはどんな状態を指すのでしょうか。

 

依存症の最先端治療を行う「独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター」のホームページを見てみると、インターネット依存症を下記のように定義しています。

 

インターネット嗜癖の一致した定義はまだ見られていませんが、キンバリー・ヤング(Kimberly S. Young, 1998)によれば、「インターネットに過度に没入してしまうあまり、コンピューターや携帯が使用できないと何らかの情緒的苛立ちを感じること、また実生活における人間関係を煩わしく感じたり、通常の対人関係や日常生活の心身状態に弊害が生じているにも関わらず、インターネットに精神的に嗜癖してしまう状態」

引用元:久里浜医療センターHPより

 

キンバリー・ヤングとは、ピッツバーグ大学の博士で「インターネット依存」の概念を提唱した人物。

 

つまり、上記の内容を分かりやすくすると

・コンピューター(パソコンやタブレット、スマホ)が使えない環境にいたり、周りにネットをするのを止められたりしてイライラする人

・家族・友人づきあいよりもネットを優先してしまう人

・ほかにすべきことがあるのにネットをせずにはいられない人

・ネットのせいで体調が悪くなっている人

などは、ネット依存に陥っている可能性があるといえるのではないでしょうか?

 

ただし、ネットばかりしていることを叱ったときに子どもがイライラしている態度をとってもそれは、“ネットから切り離されたから”ではなく“親に指図されたこと”へのイライラという場合もあります。ネットを止めたら怒った=ネット依存と考えるのではなく、子どもがどんな点にイライラしているのかを見極めたほうがよさそうです。

 

ちなみに、久里浜医療センターのホームページでは、20問の質問に5段階で回答してインターネットへの依存度を測ることができるテストを試すことができます。依存への恐れがある親子は一緒に試してみてはいかがでしょうか。

IAT : Internet Addiction Test (インターネット依存度テスト)

 

 

 

WHOも認定したゲーム障害(依存症)の問題点とは

また、ひとことでネットといっても用途はさまざまですよね。久里浜医療センターのホームページでは、「ネット依存の中でも、10代~20代の若い世代の多くが没頭してしまうのが、オンラインゲーム (ネットゲーム) です」と書かれています。

 

オンラインゲームとは、スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機をインターネットに接続して、オンラインで通信しながらすすめていくゲームのこと。

 

世界保健機関(WHO)は2019年5月に、ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」(ゲーム依存症)を「国際疾病」として正式に認定し、2022年より施行、世界中の医療関係者が診断・調査で使用します。

 

ゲーム障害の定義は、下記のようなこと。

 

・日常生活よりゲームを優先し、健康を損なうなど問題が起きても続けてしまう

・家族や社会、学業、仕事に重大な支障が起き、こうした症状が少なくとも十二カ月続いている

 

上記に当てはまる場合、「ゲーム障害」と診断され、治療が必要になります。

 

なぜ「ゲーム障害」は危険なの?

「ゲーム障害」は、オンラインだけでなくオフラインゲームも含まれますが、特に注意したいのは、オフラインゲームと違い終わり(クリア)がないオンラインゲームです。

 

実は、オンラインゲーム先進国である韓国では、2002年に20代の男性がインターネットカフェでオンラインゲームを80時間以上やり続けて死亡する事件が発生。2005年には1年間で10名がオンラインゲームが原因で死亡するなど韓国で社会問題となりました。

 

久里浜医療センターの樋口進医師は、「国民生活」2019年10月号の中で、「患者の約70%は未成年者が占めています。ゲームに没入した彼らは、昼夜逆転して引きこもる、親に注意されて暴言や暴力を振るう、成績が大幅に下がるなど、将来への悪影響は計り知れません」と話しています。子どもの「ゲーム障害」問題は、日本も他人事ではないのです。

 

 

なぜネットのゲームだと依存症になるの?

では、なぜオンラインゲームはそこまで人を没頭させてしまうのでしょうか。

 

<オンラインゲームにハマる理由>

・最も盛り上がる時間帯は、ひとりで過ごすことが多い23時頃 ~ 深夜1時、2時頃。誰にも邪魔されないので没頭しやすい。

・ゲームをするほど強くなり、武器やアイテムも充実するので長時間やりたくなってしまう。

・強くなるとほかのプレイヤーよりゲームを優位に進めることができたり、ほかのプレイヤーから称賛されてヒーロー気分が味わえる。

・チームプレイをするゲームでは、自分が抜けるとチームが負けることもあるため、責任感でゲームを止めにくくなる。

・定期的に内容がバージョンアップしたり、期間限定のダンジョンやアイテムが出るので飽きない。

・学校生活、家族関係、友人関係など現実世界での悩みやストレスから逃避できる。

<参考:久里浜医療センター「オンラインゲームの問題点」>

 

オンラインゲームにハマる理由は、ゲーム制作側の工夫とプレイヤーである子どもの心のどちらにもあるようです。自由な時間が長く、生活リズムも崩れやすく、友達ともなかなか会えずに孤独を感じやすい休校期間中は、オンラインゲームにハマりやすい条件が重なっているように感じませんか。

 

 

 

子どもをゲーム障害、ネット依存症にしないためにできる対策

インターネットモラル教育やプログラミング教育の教材開発などを行う株式会社教育ネットでは、今回の臨時休校に合わせて、子どもへのネット依存、ゲーム障害への対策を紹介しています。

 

子どもをゲーム障害、ネット依存症にさせない3つのヒント

①家庭の中で役割を与える

オンラインゲームをする理由のひとつに、現実世界では感じることのできない充実感や自己肯定感が感じることができるからということがあるそう。そこで「助かったよ」「ありがとう」「さすが」などの声がけをできる役割を与えてみましょう。

 

②I(アイ)&You(ユー)メッセージにする

親としては心配して言った言葉も子どもからは「また説教か」と素直に受け取ってもらえないことがあります。心がけたいのは、指示や命令、決めつけにならないようにすること。「私はこう思っている、こうしてほしい(Iメッセージ)」「あなたはどう思っている?どうしたい?(Youメッセージ)」を活用しましょう。

 

③家族全員が触らない時間をつくる

自分はネットやオンラインゲームを制限されているのに、親は無制限に使っている状態では子どもも納得できないはず。家族みんながネット、オンラインゲームから離れる時間をつくりましょう。

 

また、オンラインゲームやネットをさせないために子どもから取り上げる人もいるかもしれませんが、一時的な解決にしかならないケースが多いそう。強引な方法は、子どもの反発心も生んでしまいがち。一発で解決するような強硬策ではなく少しずつ上向いていく方法で辛抱強く取り組むことをすすめています。

 

 

 

なぜ子どもがゲーム(ネット)に依存するのか考えよう

前述の通り、子どもがオンラインゲームにハマる理由の一つとして、現実社会のストレスから逃避するためということがあります。

 

また、オンラインゲーム(ネット)をしないことで友達との話題についていけなくなるなどの理由もあるかもしれません。

 

大切なのは、子どもにゲームをさせないことではなく、生活に支障が出るほどゲームをさせないことです。子どもが孤独にならないためにゲームに没頭していっているのに、「ゲームをさせたくない」という一方的な親の思いでゲームから引き離し、余計に孤独にさせてしまっては子どもは不安になっていくばかりです。

 

子どもの気持ちも理解しながら、どのようにネットやオンラインゲームと付き合っていくのか考えていきましょう。

 

こちらの内容は、株式会社教育ネットのホームページ(下記)からダウンロードできます。

「子供のゲームの使いすぎに悩む保護者へのアドバイス」※右下の保護者向け資料

 

 

 

ゲーム好きな子にぴったりの学習法が見つかる

同じく株式会社教育ネットで紹介しているのが「ゲーマータイプ別 自宅学習法」です。

 

イギリスのゲーム研究家であるリチャード・バートルが提唱している「バートルテスト」(※)の簡易版で、ゲームのスタイルについて聞いている8つの質問に回答することで子どものゲーマータイプが診断できます。

 

※バートルテストとは、何と、どのようにゲームで遊びたいかなど、ゲームのプレイスタイルによって、プレイヤーの気質を4タイプに分類する診断テストのこと

 

ダウンロードはこちら

 

ゲーマータイプは、下記の4タイプです。

・アチーバー(達成者)レベル上げや収集を極めるタイプ

・ソーシャライザー(交流者)友だちとの交流がすきなタイプ

・エクスプローラー(探求者)興味のあることを調べつくすタイプ

・キラー(決闘者)競い合いに燃えるタイプ

 

コツコツ覚えるのが向いている、ふしぎに思ったことを入口にする勉強が向いているなど、タイプに合わせた勉強法が分かります。

 

オンラインゲームにはまる子なら、休校中にさまざまな企業・団体が提供しているオンライン学習サービスも抵抗感なく始めやすいかもしれません。たくさん種類のある中から子どもにあった学習ができそうなものを選べば、子ども自身もおどろくほど学習もおもしろく感じてくれるかもしれませんよ。

 

子どものことが心配なあまり、ネットやゲームの扱いって悩んでしまいますよね。でも、ネットやゲームを悪とするのではなく、ゲームが好きな子ども、ネットが好きな子どもということを親として受け入れたうえで親子で付き合い方を考えていけたらいいですね。

 

神田司

神田つかさ

ソクラテスのたまご編集部の一員。大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーランスへ転身。週刊誌、女性誌のほか書籍などの編集、執筆も手掛ける。プライベートでは2児の母であり、社会福祉士の資格取得に向けて勉強中。

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