教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.06.25

兄弟姉妹がいる家庭での学習において気をつけたいこと

兄弟姉妹がいる家庭では、親はつい悪気なく子ども同士の成績を比較しがち。また、兄弟姉妹の教育費に偏りができてしまうことも珍しくありません。しかし、学習面において子どもたちにわだかまりを残したりコンプレックスを抱かせたりはしたくないもの。この記事では、兄弟姉妹がいる家庭の学習面での注意点を紹介します。

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コンプレックスのもとになる? 兄弟姉妹の成績に対する親の受け止め方

兄弟姉妹の成績差が大きい場合、親は子どもにどう接するべきなのでしょうか。成績の良い子どもばかり褒めるわけにもいかず、かといって成績の悪い子どもに喝を入れないわけにもいかず、悩むことも多いはずです。

 

兄弟姉妹がいる場合の原則は、「その子ども自身の過去の成績と比較して、伸びているかどうか」に注目することです。兄弟姉妹同士を比べることは極力避けるようにしましょう。

 

これは塾における指導でも同じで、成績の悪い生徒に対して「あなたと違って〇〇さんは成績が良いんだよ。あなたももっと頑張ろう」などと声かけしても多くは逆効果になります。子どもに引け目を感じさせるだけで終わってしまうのです。「〇〇ちゃんはすごいのに、それに比べてうちの子は」という保護者の謙遜に、ひどく落ち込んでいる子どももいました。まして兄弟姉妹だと距離が近いだけに、余計に意識してしまいます。

 

たとえ成績だけのことでも「親から他の兄弟姉妹より下に見られている」と認識するのは子どもにとって辛いことで、兄弟姉妹間で愛情に差をつけられたと誤解してしまう場合も…。親は、比較しない姿勢を貫くことが大切なのです。

 

 

同じ塾に通う兄弟姉妹は比較されがち。どんな点に注意すべきか

保護者が兄弟姉妹を比較しなくても、周囲に比較されることでライバル意識やコンプレックスを持つケースもあるでしょう。兄弟姉妹が比較されやすい環境のひとつに該当するのが、塾。塾での比較基準は成績に特化しがちです。“成績の良し悪し=優劣”の認識を持ちやすいため、親の知らぬ間に“互いの存在がプレッシャーになってしまう”ということもあり得ます。

 

兄弟姉妹を同じ塾に通わせる親は多く、筆者の教えていた塾でもその傾向はありました。塾についてよく知っているという安心感はもちろん、送迎の手間が省けたり兄弟姉妹割引が用意されていたりと良い点がたくさんあるからです。

 

もし一方の子どもだけが極端に優秀な場合は、塾に「子どものプレッシャーになるので、あまり比べないであげてほしい」と伝えてみてください。塾側は言動に気をつけるでしょうし、生徒間でのやりとりにも注視してくれるはずです。

 

学年の垣根を越えて生徒間の距離が近い塾は、比較対象にされる機会が多いので避けるという手もあります。

 

 

 

 

兄弟姉妹間で教育格差が生じないために。教育費は計画的に見積もっておこう

塾では“兄弟姉妹にかかる費用が思ったより厳しい”という理由で、オプションや回数を変更する家庭は珍しくありません。あらかじめ、どのぐらいの教育費が必要なのかを計算しておくことも大切です。

 

文部科学省の「平成28年度子どもの学習費調査」によると私立中学に進学した場合、塾の費用などを含む1年間の教育費は、132万7000円という数字が出ています。公立校の47万9000円に比べるとその差は歴然です。

 

私立中学は中高一貫校が基本であり、外部高校受験コースを有する学校は少ないもの。6年間継続的に学費を用意できるのか、試算しておきましょう。公立の中高に通わせる場合は補習などのフォローが手薄な分、塾に費用を割かなければならないケースも多くみられます。兄弟姉妹間での教育費の偏りを、親にかけられている期待の差だと受け止める子どもは少なからずいます。本人の希望をくんだ結果として偏りが出る分には子どもも納得するでしょうが、親の計画性に問題があった場合、理解を得るのはなかなか難しいのです。

 

早い段階で教育費をできるだけ正確に把握しておき、どちらかにだけ我慢を強いることのないよう配分したいものです。

 

 

兄弟姉妹がより良い関係を築けるよう、親は双方を比較しないようにしましょう。同じ塾に通う兄弟姉妹の成績差が顕著な場合は塾選びを工夫するか、塾側に「比較しないでほしい」と伝えておくと良いです。学習にかかる費用は早めに正確なところを把握し、子どもの理解を得られる配分を検討することをおすすめします。

 

稲石加奈

稲石加奈(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。

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