教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.04.26

私立中学の説明会へ行くなら! 注目してほしい3つのポイントとは

私立中高一貫校を受験させる、いわゆる中学受験の指導をしていた頃、保護者の方からよく質問された内容の一つが、学校説明会でどこに注目をすれば良いのか、ということでした。今は私立中高一貫校の側から説明会でお話をする機会も頂戴する立場となり、塾講師の時とは逆の立場からの学校説明会でのポイントを解説してみようと思います。

  • rss
  • google
  • bing

私学ならではの教員の特徴とは?

塾講師であった当時はよく学校説明会には足を運んでいましたので、自分なりに学校の先生方の話を聞き、見学などをさせて頂きながら、その学校がどのような学校なのかを観察したものです。

 

学校というのは、たくさんの生徒と教職員集団によって成り立っています。

 

そして、その考え方も多種多様。特に教員が抱く教育観は、多様なだけではありません。私学は異動がなく、教員が新しい環境に合わせる経験は少ないため、積み重ねられた経験とプライドという軸が通っています。教員同士の意思統一は公立学校難しいことでしょう。

 

ただし、私学は教育理念・建学の精神という大前提の上に教育が成り立っているため、一見バラバラな価値観の集団であっても、私学としての教育理念や建学の精神を否定する教員は少数(そもそもそこに賛同できないのであれば辞めていく)。大きな意味での方向性についてはコンセンサスが図りやすいと考えられます。

 

 

【ポイント1】ビジョンとその徹底具合を見る

それでは、教員の特徴も踏まえたところで本題となる注目ポイントを見ていきましょう。

 

第1のポイントは、ビジョンとその徹底具合を見るということです。私学は建学の精神に基づいて、どのような人物を育てたいのかが明確にあるからこそ存在します。よって、そこに芯が無ければ私学としての存在価値を失います。

 

では、話を聞く側としては、そのビジョンを具現化するために学校としてどのような取り組みをしているのか、ということを聞きながら本当に目指そうとしている人物像と合致していくのか、というイメージをしてみると良いでしょう。

 

例えば、「世の中を切り拓くトップリーダーを育成したい」と言いながら、教科の話になると国語の授業では年間を通じて俳句に取り組み賞を取ったという自慢話はあれど、トップリーダーとして必要な素養となるべき論理力や情報抽出能力を伸ばす施策は皆無ということであれば、それは学校の理念ではなく先生の趣味として扱っているという話です。教養のひとつとしては、悪くはありませんが、ビジョンを具現化するための取り組みを徹底しているのかという面では疑問符がついてしまいます。

 

実は、学校改革というのはビジョンと現状の差異をいかに小さくしていくかということが重要ですが、時間もかかるため粘り強く徹底し続けなければうまくいきません。

 

ただ、私学としては至極当たり前のことでもあるのですが、それができていないから伸びていなかった学校である、とも言えるのです。

 

私学として当たり前のことを当たり前にやる、徹底する、という意識が見えるかどうか、という感覚で見てみると良いかも知れません。

 

 

【ポイント2】話をしている教員を見る

第2のポイントは”話をしている教員を見る”ということです。

 

私も説明会で登壇することがありますが、なぜ話をするのかと言えば、その部分に関する責任者であったり改革をリードする立場であったりするからです。

 

要するに学校組織を何らかの立場や責任を持ち、動かしている人が話を一番分かっているから登壇する訳です。

 

ではそういった先生の話を聞いて、この人に説得力がありそうか、そしてリーダシップがありそうかという観点で観察をしてみると、その学校の実情が透けて見えてきます。

 

もちろん、人前に出るのは誰でも緊張しますし、私も例外ではありません。

 

しかしながら、それを引き算しても”自分の言葉で話せていない”と感じるような場合は現場でもやはり同様なことが多く、改革を推進していくことはできていないでしょう。

 

 

 

【ポイント3】生徒と話をしてみる

第3のポイントは”生徒と話をしてみる”です。これは生徒から不満や欠点を聞き出して下さいというレベルの話ではありません。粗探しをして欠点を見つけようと思えばどんな学校でも多かれ少なかれ見つかるものです。

 

ですから、一人の生徒の主観のみで全体の欠点として切り捨てるのはとてももったいない話です。しかし、生徒と話をしてみると見えてくることが他にもあるのです。

 

そしてそれは学校の教育の質そのものです。

 

生徒の言葉遣いや教養はもちろんですが、相手の立場や理解度を考慮した説明をしてくれているか、その内容が暗記ではなく自分の言葉でしっかり説明できているか、質問に対して誠実な対応ができているか、など知識だけではない生徒のレベルを推し量ることができるはずです。

 

そこでの対応が好印象でこういう子に育ったら良いなと思えたなら、それはお子さんにとっても良い出会いとなる可能性が高くなるのではないでしょうか。

 

 

具体的なイメージを妄想してワクワクできる?

学校説明会は学校選びにおいてとても重要です。ただ、3つのポイントは挙げましたが、粗探しと査定だけをしに行くと強いフィルターがかかってしまって良い部分も曇ってしまいます。

 

ですから、ビジョンと統一感を見て全体像をイメージしたら純粋に”この先生が担任になったらどうなるか、この生徒が先輩になったらどんな学校生活になるか”という妄想をしよう、という感覚で参加してみると、グッとその学校が合うか合わないかが分かりやすくなってくるのかな、と思います。

 

諸葛 正弥

諸葛 正弥

大手進学塾で長年指導を行ない、2007年に「イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」(明治図書)を出版。教育委員会・各種学校などで教員研修を行ないながら、私立中高一貫校の学校改革などを手掛けている。また、「ロボット教室」や「学習教室まなび-スタイル」の運営、「よい子を育む家」の監修なども行ない、教育について幅広く活動を行っている。

\ SNSでシェアしよう /

  • rss
  • google
  • bing
  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう

    最新情報をお届けします