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2019.04.18

職業を考えるだけでいいの? 未来へ向けて考えたい新しいキャリア教育とは何か

これまでの学校におけるキャリア教育は将来どんな職業に就きたいかを見つけ、そのためにどんな大学を目指し、文系か理系かを選択する、という流れで進んできました。しかし、よく考えてみると常に社会の構造は変化をしており、これからの社会が特別な訳でもなくこれまでも例外なく社会が大きく変わっているのです。今回はその流れについて掘り下げ、言及していきます。

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目まぐるしく普及した通信事業の背景

例えば、今から40年前にIT企業がこれほど増えていくと明言できた人はいたでしょうか。

私が小学生の頃、初めてファミコンという存在が登場し衝撃を受けましたが、それが今ではソーシャルゲームを制作運営する企業がゲーム機本体を作る訳でもなく、月に何十億円も稼ぎ、これほどの市場規模を持つ業界が形成されるなどまったく想像もできませんでした。

更には携帯電話が登場するだけに留まらず、小さなパソコンのようなスマートフォンがすっかり普及し、通信事業がここまで大きな規模になるとは誰が想像したでしょうか。

要は30年から40年程度の期間で社会構造がこれだけ多く変化した訳ですから、キャリアデザインを逆算型で固めたところで役に立たないことは容易に想像できるはずだ、ということです。

逆算型のキャリアデザインという発想が古い

未来までのストーリーを逆算で考えることはできず、未来がどうなるかも予想がつかない。

では自分のキャリアをどのように事前の段階でデザインができるのか。これはなかなか難しい課題だと思いますが、事前にキャリアをデザインしておこうという発想自体変えることが必要なのかも知れません。

レールのようなものを敷ければ確かに安心かも知れませんが、そのレールがそのまま使えるか、行き先が続くのかは誰にも分らないのであれば、レールを敷いてあげる教育より自分でレールを作れる柔軟性を持てるように準備することがこれからの目指すべきキャリア教育ではないでしょうか。

理系、文系という発想は過去のこと

私は文系の方でも非常にロジカルな方を知っていますし、理系だけれども文学的な造詣の深い方も知っています。理系だから文系は知らなくていい、文系だから理系科目は捨てる、という発想が自分の未来の可能性を狭めているかも知れないのです。

理系、文系という固定概念を捨てて、幅広く学ぶ中でどの教科を入試に選ぶのかを最後に決めるイメージでそのプロセスの中で適性をチェックし、目指したい方向性を定めればよいはずで、早めに理系、文系と自分に勝手にラベルを貼るのではなく、まずはきちんと苦手科目でも挑戦させなければ本当の意味での適正など見えてこないのではないかと思うのです。

さらに、社会の構造が変化するということは要求される能力も変わる可能性があるということです。

例えば、現在、理系には英語、数学、理科が必要と言われていても、数年後には「論理性を見極めなければダメだ」という世論が大きくなっていったなら、国語が入試科目に加わるかもしれない訳です。

新しいキャリア教育で必要なこと

社会の構造が予測不可能であるなら、できるだけ幅広い知識と教養を身に着けるようにして準備しておこうというメンタリティをセットすることが一つだろうと思います。

しかし、キャリア教育がそもそも仕事人となるためのロードマップを考えさせるカリキュラムであるのなら、仕事人としてどうありたいか、もっと広く捉えるのなら、どんな大人でありたいか、を考えるものであるべきでしょう。

また、社会がどう変わるかは分からないかもしれませんが、学生を卒業したら社会人として仕事をするという構造自体が変わらないのであれば、いずれ仕事と向き合うときに困らないための準備という視点も悪くはなさそうです。

それなら、新しいキャリア教育は仕事人としてのスキルであったり、心構えのようなものをどのように醸成しておくか、というものになるのではないでしょうか。

いずれにしても変わっていく社会に柔軟に対応できることが求められるのであれば、学び方も考え方も柔軟さや多様さを重視しておくことが大切になりそうです。

これだけをやれば良いという発想から、色々やっておいて損はないということかも知れませんね。

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諸葛 正弥

大手進学塾で長年指導を行ない、2007年に「イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」(明治図書)を出版。教育委員会・各種学校などで教員研修を行ないながら、私立中高一貫校の学校改革などを手掛けている。また、「ロボット教室」や「学習教室まなび-スタイル」の運営、「よい子を育む家」の監修なども行ない、教育について幅広く活動を行っている。

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