教育は未知にあふれている

ソクラテスのたまご

2019.03.08

【本ソムリエがセレクト】小学1,2年生を読書好きに育てる本5選

すべての教科で必要となる読解力。読解力は漢字を覚えたり国語問題を解いたりするだけでは身につきません。小さいうちから本に慣れ親しみ、文章を読むことが増えれば自然と読解力は高まっていきます。そこで、本ソムリエである筆者が小学校低学年におすすめの本を紹介します。

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不思議な絵で集中力が育つ「トリックアートアドベンチャーシリーズ」

「ゆうえんち」や「おばけやしき」などのテーマに合わせて、目の錯覚を利用した不思議な絵がいっぱい載っているのが「トリックアートアドベンチャーシリーズ」(あかね書房刊)北岡明義:監修。絵の中のアイテムを探したり、クイズに答えたりとトリックアートを楽しむシリーズです。

 

文章は少ないですが、絵を詳細に眺めて間違い探しをしているうちに集中力がついていきます。飽きっぽい小学低学年にちょうど良い難易度なので、今まで積極的に本を読んでこなかった子が本格的な読書への第一歩として選ぶのに最適です。

 

こちらのシリーズを読み終えたら、次はエッシャーのだまし絵を見たり、トリックアート展などに行ったりして興味を深めてあげるのもいいでしょう。なぜ、目の錯覚が起こるのか、絵のどの部分が不思議なのかを親子で話し合ってみるのもいいですね。

 

 

生物の進化を学べる「13800000000ねん きみのたび」

138億年の間に「たったひとつぶのげんし」だったきみが、どうやって今、人間として生きているのか。壮大な生物史を一冊の絵本にしたのが「13800000000ねん きみのたび」(光文社)坂井治作です。

 

原子から細胞になり生命体になり、長い時間をかけて進化していったきみ。「パパとママの赤ちゃん」になるまでの道のりの中で経験したことや努力したことが記憶の中にあることなどが子どもにも読みやすく描かれています。生命の不思議や今ここに生きていられる奇跡を実感できることでしょう。

 

生物の進化について学校で学ぶ前に流れだけでも知っておけば授業の理解や興味も深まることでしょう。読後には、科学博物館などを訪問して理解を深めてあげるのもおすすめです。

 

 

子どもが自主的に本を開く「かいけつゾロリシリーズ」

アニメ化、映画化もされた1987年から続く大人気シリーズ「かいけつゾロリシリーズ」(ポプラ社)原ゆたか。

 

きつねのゾロリが双子のイノシシの家来(イシシとノシシ)を連れて冒険の旅に出かける物語。悪者になり切れないゾロリの優しい性格や三人で助け合ってトラブルを解決する勧善懲悪のストーリーです。

 

マンガページのこま割りやセリフがふきだしになっているイラストなど、ページによっては見開きが一枚の絵になっていたりするので、子どもが飽きずに物語に熱中できる仕組みになっています。

 

60冊以上のシリーズものなので小学生低学年でも次々に読むことができ、読書の楽しさを体験できることでしょう。親御さんとしては、いわゆる課題図書に選ばれるような教訓めいた作品を選びたくなってしまうかもしれませんが、子どもを自発的に読書に向かわせるためには、このような遊び心のある本がおすすめです。

 

 

豊かな想像力を育めるファンタジー「きつねの窓」

ファンタジーの真髄ともいえる作品「きつねの窓」(岩崎書店)安房直子。あらすじは次の通りです。

 

猟師のぼくが山で道に迷い、たどり着いたききょうの花畑。一面の花畑の中で、一匹の白ぎつねを見つけます。しとめてやろうと追いかけた先にあったのは“そめもの ききょう屋”の看板ときつねが化けた子どもの姿の店員。その店で花の汁で指を染めて窓を作ると、そこにはもう二度と会えない懐かしいものが見えてーー。

 

コンピューター世代の子どもが想像力を養うためには、画像や映像だけでなく読書や読み聞かせでいろいろな想像体験をさせてあげましょう。この本のように不思議なでき事がもたらす神秘性、ちょっと怖いようなわくわくするようなそれでいて厳かな気持ちは、小さいうちにしか味わえないものかもしれません。

 

 

 

大人に反発し始めたら読んでほしい「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランテ」

それでもおそうじが嫌いなゲルランテは、意地っ張り。おそうじをせずに怖いことがいっぱいの外に出ていってしまいます。自分の意思を頑固に通しつつ、周りの大人たちを右往左往させながらも結局はすべてを手に入れてしまうゲルランテの痛快劇が子ども心をくすぐるのが「おそうじを おぼえたがらないリスのゲルランゲ」(福音館書店)ジャンヌ・ロッシュ・マゾン 。

 

強情な子どもはいずれ困ったことになるという設定の物語が多い中で、大人の言いつけを守らなくても立ち回るゲルランテはうらやましい存在かもしれません。大人の言う事に素直に従うことにうんざりしている子どもたちは、ベージをめくる手が止まらなくなることでしょう。続きがどうなるかを知りたいという、読書の原動力を刺激するはずです

 

いったん読書の楽しさを知った子供は、少しずつでも読み続けます。簡単な読みやすい本から始めて読書ライフをサポートしましょう。

 

武内乃布子

武内 乃布子(監修:西村創)

教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、旅行会社へ就職した後に渡米。その後、ニューヨークのビジネススクールを経て、イスラム圏へ移住。6年間の外国生活で異文化コミュニケーション、ムスリム(イスラム教徒)の生活様式や考え方、イスラム教について知識などを身をもって学ぶ。現在は日本在住。ジャンルを問わず、年間100冊以上の本を読み、その人に合う本をおすすめする本のソムリエでもある。  

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