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2019.01.12

【新学習指導要領】アクティブラーニングという言葉に踊らされないために

大学の授業などで取り入れられ始め、今や中学や高校などでも広く浸透するようになったアクティブラーニング。しかし、実際の教育現場ではそのように受け入れられ実践されているのでしょうか。新しい教育法や言葉に踊らされて本来の目的を見失ってしまうことのないようアクティブラーニングとの向き合い方について考えてみましょう。

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アクティブラーニングが導入された現場の声

2012年の中教審における答申をきっかけに大学の授業などで積極的に導入されるようになったアクティブラーニング。“受動的な受講”から“能動的な学修”への転換が目的です。

さらに、2014年12月22日の中教審における「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申の中で、高校におけるアクティブラーニングについて言及。こうして、中学や高校などでも広くアクティブラーニングが浸透するようになってきています。

しかし、実際の教育現場では、教員から「やり方を教えてください」という反応が返ってきているケースが多いよう。アクティブラーニングには特別な方法があるというものではなく「アクティブラーニングと教授学習法パラダイムの転換」(溝上慎一著)の中では次のように定義されています。

アクティブラーニングとは… 一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。

定義しかされていないため、特に手法は定められてはいません。そのため、双方向型の授業を従来から行っている教師ではアクティブラーニングを導入するといっても何かが変わるわけではありません。

興味のあることを積極的に学べるというメリット

次にアクティブラーニングのメリットについて考えてみましょう。 アクティブラーニングは、一方的に聞き役に徹する講義に比べて生徒の深い学びを促すきっかけを提供することができます。自主的に興味をもって学習に取り組めるようになるなんて子どもの意思を尊重できる理想的な学習法ですよね。

一方でアクティブラーニングは万能ではないということも理解しておかなければなりません。アクティブラーニングでは“私語を話しなさい”“立ち歩きなさい”といったルールを設定されることがあります。子どもたちの自由な発想を引き出し、活発な活動を行なわせるためのルールなのかもしれませんが、すべての授業がそのようなスタイルで行われるとなると不安を感じてしまうのではないでしょうか。

昨今では、従来型の講義形式の授業は、退屈で古く効果がないというイメージが強くなっています。しかし、講義の動画を視聴するという形式は、世界的に増加傾向にあり国内でも配信講義に対するニーズは高まっています。

興味のないことに取り組めない大人に育ってしまう!?

では、動画ではなく人が講義を行なう従来の授業はどうでしょうか。 学習効率という観点だけで考えるのであれば、一方的に教師が話す授業スタイルはムダを感じる部分もあるかもしれません。自分に関心のない話題が提供される時間を退屈と感じる子どももたくさんいることでしょう。

その点で動画の講義スタイルは、自分に関心のあるテーマを好きなタイミングで取り出して、自分のペースで視聴することができます。そして、アクティブラーニングでは好きなように思ったことを発言し、行動し、楽しく学べます。 しかし、興味のない部分をすべて排除してしまって本当に良いのでしょうか。 興味のあることを好きな時間に自分のペースで学ぶ。このような学び方しかできない子どもが大人になったとき、果たして社会生活を成立させることができるのでしょうか。 社会生活を成立させるには、群れとしての行動規範が必要です。例えば、会社という組織の中で「興味がないから他人の話は聞きません」「退屈な仕事はしたくありません」という姿勢で仕事は成り立ちません。

アクティブラーニングは、協同学習を行うといいながら、その結果、行き過ぎた個人主義を助長してしまう危険性があるのです。

アクティブラーニングは手段に過ぎない

そもそもこれは極端なルールを設定した場合であり、アクティブラーニング自体が悪いという訳ではありません。あくまでも運用上の問題です。さらに、アクティブラーニングは、生徒の能動的な学びを促すための手段に過ぎず、それ一色で染めなければならないという話でもありません。

結局はバランスの問題であり、子どもたちをどのように育てたいのかということで方向性は変わります。 新しい学習観と上手に向き合い子どもを伸ばすために必要な習慣を見つける視点は、教師に限らず子どもと向き合うすべての大人がもっていなければなりません。

教育の転換期を迎えようとしている昨今、アクティブラーニングのあり方は学校の勉強に限定されたものではありません。日常生活の過ごし方や価値観にも関わる幅広いものですから、耳障りの良い言葉に踊らされず、子どもの成長のために必要なことを上手に見極めていきたいものです。

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諸葛 正弥

大手進学塾で長年指導を行ない、2007年に「イラスト図解でわかるプロ教師力アップ術55」(明治図書)を出版。教育委員会・各種学校などで教員研修を行ないながら、私立中高一貫校の学校改革などを手掛けている。また、「ロボット教室」や「学習教室まなび-スタイル」の運営、「よい子を育む家」の監修なども行ない、教育について幅広く活動を行っている。

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