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2026.01.27

【田舎で子育て】38年続くふるさと留学と、小中一貫校での新しい学び。地域ぐるみで子どもを育てる大川村

「自然が豊かな場所で子育てしたいけど、実際の暮らしはどうなの?」と感じる方も多いと思います。今回は、離島を除いて日本で2番目に人口が少ない村・高知県大川村を取材。小さな村ならではの子育て環境や取り組み、制度についてご紹介します。

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大川村ってこんな村

高知県の最北に位置する大川村は、北は愛媛県に接し、四国のほぼ真ん中に位置しています。周囲を1000m級の山々に囲まれた吉野川の源流域にあり、村の中心部には“四国の水がめ”と呼ばれる早明浦(さめうら)ダムが広がっています。標高は350〜750m、高知県内では比較的気温の低い地域です。

人口は350人(2025年6月末時点)と、離島を除き日本で2番目に小さな村です。主な産業は農業、林業、畜産業。特に畜産は有名で、毎年11月3日に行われる「大川村謝肉祭」には1500人を超える観光客が訪れます。

近隣の主な市町へのアクセスは、高知市、愛媛県西条市までそれぞれ車で約1時間、土佐町まで約20分です。

そんな大川村のおすすめスポットと名産品を紹介します。

早明浦ダム

吉野川の治水を目的に作られた四国最大級のダム。1975年に完成したダムの底にはかつての村の中心地域が沈んでいて、渇水時には水面に旧役場が姿を現します。特に香川県への用水の影響が大きく、「水量が不足すると、うどんが茹でられない」と言われることも。4〜11月には遊覧船が運行され、両岸に連なる切り立った山々の景色を堪能できます。冬にはワカサギ釣りも人気です。

小金滝

吉野川の源流域にある大川村は、いたるところに清流が流れ落ちる「滝の村」。落差100mを超える四国最大級の滝「小金滝」をはじめ、銚子滝や翁滝、妃ヶ渕などの滝巡りも楽しめます。

土佐はちきん地鶏、大川黒牛

土佐はちきん地鶏
大川黒牛

高知県特産「土佐はちきん地鶏」の約8割は大川村で生産。シャモの引き締まった肉質とブロイラーのプレーンな味わいを兼ね備え、噛むほどに旨みが広がります。

但馬牛をルーツに持つ「大川黒牛」は、年間出荷わずか約50頭の“幻の肉”。やわらかな肉質と上品な脂の甘みが魅力です。これらのBBQなどが楽しめる「大川村謝肉祭」は、受付開始1時間以内にチケットが完売する村の一大イベントです。

大川村の子育てサポート制度

大川村の取り組みで特徴的なのは、40年近く続いている「ふるさと留学」があること。寄宿舎で共同生活を送りながら、村の子どもたちと一緒に学び、大自然の中で地域の人たちと交流する体験を提供しています。

ほかにも保育料や給食費の無償化、満18歳までの医療費助成といった子育て支援制度も充実。移住者に向けては村営住宅を用意するなど、安心して暮らせる受け入れ体制が整っています。

村ぐるみで子どもを育てる「大川村ふるさと留学」

1987年から38年間続く「ふるさと留学」は、1年間親元を離れ、異年齢の集団で生活をともにしながら、大川村の小中学校に通う山村留学制度です。対象は、小学5年生から中学3年生まで。最大5年間継続することもできます。村ではこれまでに約300名の子どもたちを受け入れてきました。

留学生は「大川村ふるさと留学センター」で仲間と共同生活を送り、掃除や洗濯、食事などを自分たちで行います。週末には、田植えや収穫、登山、和太鼓など、村の自然を活用した体験学習や伝統行事にも参加。自然体験や地域の人とのふれあいを通じて、豊かな心とたくましく生きる力を育んでいます。

このほか、夏に3泊4日、冬に2泊3日の自然体験活動を行う「短期留学制度」もあります。

卒業生の中には、短期留学の活動リーダーとして活躍したり、大川村に戻って就職したりする人も。また成人式にはほぼ全員が村に集合し、式に参加するのが心温まる光景です。

▶大川村ふるさと留学:https://www.vill.okawa.kochi.jp/ryuugaku/

小中一貫校「大川小中学校」でのびのび学ぶ

2022年、小中一貫の義務教育学校「大川小中学校」が開校。村民の思いが込められた「地域とともにある学校」として運営されています。全校生徒は30名、1クラス3〜4名の超少人数制。先生の目が一人ひとりに行き届き、個性に合わせた教育環境のもと、生徒たちがのびのびと学べる場となっています。

学校近くの給食センターで作られる給食は、地産地消にこだわっているのが特徴です。地元の旬の野菜をはじめ、名産の土佐はちきん地鶏や大川黒牛が登場することも。農家さんの顔が見える食材を使った給食は、食育の充実や地域とのつながりを深めてくれます。

子どもたちの放課後の居場所としては、「大川っ子なかよしルーム」を開設。大川小学校の1〜6年生を対象に、安全に安心して過ごせる場を提供し、心豊かでたくましい子どもたちの成長を支えています。

大川村の移住・子育て支援制度一覧

●子育て関連

支援制度助成金額等支援内容詳細
出産祝金支給第1子、第2子は10万円以内、第3子は20万以内大川村に住所を有し、かつ、居住し、引き続き村内に居住する意志のある保護者が対象
新生児の聴覚検査無料出生時及び検査を受けた日に母親の住民票が大川村にある新生児かつ、平成28年5月1日以降に出生した新生児が対象。検査機関は高知県内の分娩を取り扱う産科医療機関
医療費助成・乳児(出生日から1歳の誕生日の前日までの者)、幼児(1歳の誕生日の前日の属する月の翌月から6歳に達する日以降における最初の3月末日の者)の入院及び通院に係る医療費の一部を助成・満18歳の年度末まで医療費の自己負担分を助成

●保育所、小・中学校関連

支援制度助成金額等支援内容詳細
保育費無料保育所での保育費無料(6ヶ月~)
給食費無償保育所および学校給食費無料
放課後子ども教室大川小学校に通う1年生〜6年生の児童を対象にした「大川っ子なかよしルーム」

●住宅関連

支援制度助成金額等支援内容詳細
村営住宅の斡旋入居可能な村営住宅等を斡旋

●その他(定住支援)

支援制度助成金額等支援内容詳細
結婚祝金5万円結婚後、夫婦とも住民基本台帳に登録され、3か月を経過した後、引き続き大川村に居住する事が確約できる新婚夫婦に結婚祝金を贈呈

移住者に聞きました。大川村での子育てってどうですか? 

 大川村に移住後、3人のお子さんに恵まれ、現在7歳、5歳、0歳の子育ての真っ最中。村営住宅に家族5人で暮らすYさんに、お話をうかがいました。

大川村に移住したきっかけを教えてください。

私は高知市出身で、滋賀で働いたのち、17年前にJターンで大川村に移住してきました。きっかけは高校時代の同級生が大川村出身で、その友人が大川村に戻って役場に就職していて、自分も30歳までに高知に帰りたいと考えているという話をした時に、ちょうど村役場の採用試験があると教えてもらって、試験を受けてみたところ、ご縁があって採用に。妻は結婚を機に、8年前から大川村での暮らしを始めました。

ちなみに私は小学生のときに、塾の合宿で大川村に来たことがあって、朝食に出たアメゴの塩焼きがすごくおいしかったのを覚えています。そのときお土産に買った白滝鉱山の石は、今も机の上に置いてあるんですよ。

ー大川村の子育て環境はどうですか? 

今の住まいは小中学校の目の前で、保育所も徒歩圏内。遠くから通う子どもにはスクールバスが用意されています。同級生は3人とか、児童数が少ない分、先生が一人ひとりをしっかり見てくれるのがありがたいですね。些細な変化も見逃さず、連絡帳や電話で教えてくれます。

大川村では「ふるさと留学」で、毎年10〜15人ほどの子どもたちがやってきます。5年生になると仲間が増えて、一緒に学び合えるのもいい経験です。

学校給食は無料で、しかも定期的に大川黒牛や土佐はちきん地鶏が出ることもあり、結構豪華なんです。給食センターが近いので、温かいうちに食べられるのもいいですよね。野菜なども地元のものを使っているので「残さずおいしく食べておいで」と話しています。

夏の間は学校のプールが開放されているのも助かります。家の目の前なので、プライベートプールのように、休日や平日の夕方に通っていました。子どもたちものびのび楽しんでいます。

ー地域の方たちとの関係性は?

地域の人たちに会うと、必ず挨拶をしてくれることに驚きました。年配の方も若い方も、年代問わず、みなさんオープンで気さく。同じ村営住宅に子育て世代の方がいることもあって、全然さみしくないですね。

ベランダで家庭菜園をしていたら、近くの畑を貸していただけることになり、今はそこで夏野菜などを育てています。移住者を温かく受け入れてくれる雰囲気が、この村の魅力のひとつです

ー印象的なエピソードは?

台風で停電したとき、オール電化なので食事が作れずどうしよう?と思っていたら、ご近所の方が「うちはガスだから、ごはん炊いてあげるよ」と声をかけてくれました。温かい気遣いがとてもありがたく、助け合いの暮らしを実感しました。

移住を考えている子育て世代にメッセージをお願いします

大川村のいいところは、自然がいっぱいで、景色がきれいなこと。ダムに映る空や雲、桜に藤、ツツジ、ミツマタ……春はいろいろな花が順々に咲いて、とてもきれいです。動物や虫もたくさんいて、夏になると子どもたちがミヤマクワガタをいっぱい取ってきます。自然豊かな大川村で、ぜひ子育てを楽しんでほしいなと思います

担当者からのメッセージ

最後に、大川村役場むらづくり推進課の長谷川賢虎さんより、メッセージをいただきました。

大川村は大きなスーパーもコンビニもないのどかな村ですが、「何もなければつくればいい」という考えのもと、逆に自由にやりたいことができる環境にあります。人口が少ないからこそ、一人ひとりが主役であり、住民同士の温かな支え合いがある村です

住まいに関しては、学校に通いやすい集合住宅タイプがいい、畑が近くにある一戸建てがいいなど、ご希望をうかがいながら、そのとき空いている村民住宅をご案内しています。

仕事については、テレワークをされている方も多いですし、マルチワークや副業をされている方も。地域おこし協力隊、「ふるさと留学」の留学センター、集落活動センターのスタッフなど、村内の仕事も紹介しますのでご相談ください。

大川村の暮らしを試してみたいという方には、1泊2日〜最長14日間の滞在を通して村の生活を体験できる「お試し滞在住宅」がおすすめです。

▶大川村移住情報:https://www.vill.okawa.kochi.jp/iju/

高知県大川村ホームページ:https://www.vill.okawa.kochi.jp
でぃぐ!大川村:https://okawafk.or.jp

画像提供:大川村

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