【共働き×子育て世帯のホームステイ受け入れ】ホストファミリー3家庭に聞いてみたよかったこと・大変だったこと
国際交流と聞くと、留学先の一般家庭に滞在して外国の方と交流するホームステイをイメージする人も多いのではないでしょうか?国際交流が目的であれば、受け入れる側のホストファミリーとなることもひとつの方法です。とはいえ、「子どもにもいい刺激になりそうだけど、それ以上に大変そう……」とちょっと躊躇する部分もありますよね。実際のところはどうなのでしょうか?留学生の受け入れをした3家庭に、大変だったことやお子さんの感想などを聞きました。
お話を聞いた3家族
今回お話を聞いたのは、約1カ月間日本大学の国際関係学部に通う留学生の受け入れをした3家族。どの家庭も共働きで小学生~中学生の子育て世帯です。
Aさん
家族構成:Aさん、夫、中学生2年生・小学6年生・小学3年生の子ども、両親、夫の弟
留学生:20歳アメリカ人女性学生
留学生の日本語:○
家庭の英語力:夫 中学レベル、妻 中学高校レベル、娘 高校レベル
共通言語:日本語
Bさん
家族構成:Bさん、夫、小学生の子ども2名
留学生:22歳アメリカ人女性学生
留学生の日本語:✕
家庭の英語:夫 中学高校レベル、妻 日常会話可
共通言語:英語
Cさん
家族構成:Cさん、夫、小学生の子ども2名
留学生:23歳アメリカ人男性学生
留学生の日本語:✕
家庭の英語:夫 ほぼネイティブ、妻 日常会話可
共通言語:英語
留学生は平日は学校に通い、週末が休みという一般的な学生と同じ生活スケジュール。学校への送迎は必須ではなかったようですが、交通事情などからみなさん車で学校までの送り迎えをされていました。今回紹介する事例の受け入れの条件は以下です。ちなみに謝礼は数万円もらえたそう。
・家族の一員として学生を受け入れていただけること
日本大学国際関係学部/ホストファミリー募集
・食事(原則として朝食・夕食)をご提供いただけること
・個室をご提供いただけること
・~前略~大学近郊にあり、原則として1時間以内の通学距離にあること
受け入れる前の期待と不安だったこと
受け入れが決まってから実際に留学生が来るまでの間、ホストファミリーのみなさんはどのような気持ちでいたのでしょうか。やはり共働きで子育てもしているとなると、ただでさえ時間がありません。そのため留学生対応の時間を確保することに大きな不安があったようです。
【Aさん】
我が家は両親(祖父母)と同居していたので、留学生の受け入れを事前に相談して了承をもらっていました。でも受け入れが決まった後に、実は抵抗があることが判明。そのため、とりあえずでも挨拶などのコミュニケーションをとってくれるか不安でした。私自身は、来てくれることが楽しみでありつつも、忙しいなかで上手く時間を回せるかという不安がありました。
【Bさん】
子供たちがうまく関われるか、スケジュールをうまく回すことができるかということと、食事についての不安が大きかったです。
【Cさん】
長女は英語を学び始めてインターナショナルの学校を目指し始めていたので、特に彼女にとって学びへの良い影響があればいいなと思っていました。不安に感じていたのは、すでに仕事や子の習い事のスケジュールでパンパンななかで、どうやって留学生のための時間を加えよう……というタイムマネジメントの面。あとは受け入れ前にちゃんと掃除が終わるかということでした(笑)。
受け入れてよかったこと・大変だったこと
そのような不安がありつつも、実際に受け入れてみてよかったことを聞いてみると……。
【Aさん】
夫との会話が増えました。あとは夫が明るくなったり、夫がとても早起きになったり(居間で寝ているため)、夫の変化がまぶしかったです(笑)。 イレギュラーな例かもしれませんが、留学生の受け入れは我が家の夫にとってとてもよかったようです(笑)。
【Cさん】
最初はお互い気を使いながら生活していましたが、受け入れてから2~3週間ほどするとお互い素がでてきて、言いたいことを言えるようになってきたのが心地よかったです。
あとは、家に留学生がいたことで、家族同士でも“常識の範囲”でコミュニケーションを取ろうとしたせいか、家族が明るくなったり、わけのわからない苛立ちやケンカが減りました。
常に家をキレイをキープできていたのも超快適でしたし、コミュニケーションも増えて、結果良いことばかりだったと感じています。
反対に、気になるのは大変だったこと。やはり事前に不安を抱いていた留学生のための時間の確保、あとは食事面が大変だったようです。
【Aさん】
事前に不安を感じていましたが、やっぱり全体的に時間がなかったです。具体的にはごはんの支度や、買い物、掃除、洗濯をする時間。留学生の送迎のため、我が子を放ったらかしにしてしまうことが多かったです。
【Bさん】
不便な地域なのでバスも少なく、朝夕送迎していましたがそこに時間を割くのがとにかくきつかったです。この点は、もっと長くいてくれたらバスを利用できるようになってもらうといった対策ができたかなと思ってはいます。全体的に送迎も含めスケジュールを留学生優先にするのが大変でした。
あとはご飯の品数問題!好き嫌いがなかったのは楽だったけど、ちゃんと作らなきゃ!とこちらも構えてしまうと大変かも。我が家は留学生がいても段々酷くなっていきましたが……(笑)。
細かくは計算していませんが、お出かけが増えることで出費も増えましたね。
【Cさん】
送迎、食事に関しては子どもが一人増えるという意味では大変でしたが、わが家については、それ以外大変だったことはありませんでした。
ただ、せっかく日本に来たからあちこち連れて行ってあげたくて旅行などしたので、その分の出費は確実に増えています。ちなみに同じ受け入れをした友人は山などでの自然体験によく行っていたみたいで、出かけてはいたけどあまりお金をかけなかったと言っていました。
受け入れて子どもにいい影響はあった?
特にお子さんがいる家庭でホストファミリーになる場合、子どもへのいい影響を期待しますよね。受け入れ中のお子さんの様子はどうだったのでしょうか。
【Bさん】
すぐに打ち解けて、一緒に遊んだりと関われていたようです。言葉が通じなくても翻訳アプリを用いたりしながら親の介入なしに遊ぶことができていました。言葉が通じなくても話すことにチャレンジするようになったことが一番大きいですね。
【Cさん】
留学生が23歳の男性だったからか、息子にとってはお兄ちゃん的存在で本当に家族の一員として仲良くなってくれました。親が言ってもきかないことを、留学生の子が言うだけで話をきいてくれるので、本当に助かりました。
言葉は全く通じない子どもたちも、ジェスチャーやGoogle翻訳などでなんとなく分かり合っていたようです。絵を描きもできていました。ポケモンが世界共通言語だなーとあらためて感じるほど、ポケモンでコミュニケーションとっていました(笑) 。息子は受け入れを経験してから英語学習意欲が増えたように感じます。
娘は一緒に過ごすということはしていましたが、思春期でまったくしゃべらず……。結局娘の英語力が上がることは皆無でしたね(笑)。
お子さんにも感想を聞いてみると……。
「英語をほんの少しだけど真似してみました」(小3/A家)
「英語をもっと勉強しようと思った」(中2/A家)
「共通の趣味(バレエ)があったので、とても楽しかった。言葉が通じないことは少し大変だったけど、ジェスチャーで伝わったから楽しく過ごせた」(小4/B家)
「ポケモンの話ができてうれしかった!(実際は会話ではなくポケカをみせあってよろこんでいたようです(笑))楽器を一緒に演奏したり、歌ったりたのしかった!もっと英語を喋れるようになりたい!」(小4/C家)
といった感想が。言葉が通じない分意思の疎通ができたときのうれしさや楽しさが伝わります。そこから英語に興味をもつようになったお子さんが多かったようですね。
受け入れてみての感想は?
最後に、いいことも悪いことも含め、受け入れてみての感想を聞きました。
【Aさん】
子ども達に良い刺激になったと思います。留学生を通してアメリカの文化の一部を知れて、少し視野が広がったかな。私自身も日本の文化を意識して考えるようになりました。
我が子のことを考えると、忙しい中でも受け入れた価値はあったと思います。留学生に関連するイベントに参加して、多くの日本の大学生や留学生と他にはない交流ができたのはいい経験でした。また、同じ留学生のホストファミリーをする方たちとの交流もあったので横の繋がりもできました。
受け入れにはまず家族の理解が必要。そして、できないわけではないけど、時間と心に余裕がないと疲れてしまってホストは難しいと感じました。今ある日常生活に、いかに無理せず留学生に対応する時間を当てはめていくかがポイントかなと思いました。
【Bさん】
大変さはありながらも、お互いの文化や思想などいろんなことを共有することができ、自分自身も日本について考える良い機会にもなった。
子どもも「完璧に話さないといけない!」と思わずに、自分のわかる言葉で話すことにチャレンジするようになっていたので、とてもよかったです。
ただ、今回は一カ月という短期間だったので、こちらも「もてなさないと!」と構えすぎて疲れてしまったので、もっと長期での受け入れのほうが楽かもしれないと思いました。
あとは夫が英語が話せなかったため、私がいないと非常に疲れていました(笑)。言葉が通じないことでのストレスはお互いにあったように感じます。
【Cさん】
受け入れた留学生が23歳男子=自立した大人だったので、基本的に大人と住んでる感じで楽でした。
わが家は夫婦ともに英語でのコミュニケーションができますが、子どもたちはできないので、ついつい子と親、親と留学生という構図になってしまってい、子どもを含んだ全員の会話が難しかったです。そんな中でも、アスレチックや子どものスポーツの試合にみんなで出かけるなど、言葉が分からなくても一緒に楽しめるものはたくさんあるな!と感じました。
子どもにとっても言葉を使わないコミュニケーションというものを感じることが出来たのかなと思うと、その点はすごくよかったです。娘はまったく話しませんでしたが、それでも海外への興味はかなり沸いたらしく留学したいと言い始めていました。
【Cさん】
今回は1カ月だったので、どこまで家のルールを伝えた方がいいのか、お客さんとして過ごしてもらうのか、それとも家族の一員としてなのか、そのあたりの距離感の測り方はむずかしかったなと思います。
でも、アメリカと日本の政治や歴史、夫婦の在り方、子育ての価値観、いろいろな話題のすごく意見を交換し合うことができて、ここまで20代で自分の意見を持っているなんてすごいと感動しました。こんなふうに自分の意見を持った子に育てたいなぁと、自分の子育てを省みる時間にもなったと思います。
あとはなんでも親に話す文化みたいで、好きな子ができた話とか、誰が誰と付き合ったとか、そういう学校での話を普通にしてくれて楽しかったです(笑)。
大変さはありながらも、異なる文化を持つ人との関わりはいい刺激になり、みなさん総じてポジティブな感想を持ったようです。
今回お話を聞いたのは1カ月の受け入れでしたが、運営団体によってはさらに短期のものや、長期の受け入れもあります。受け入れ期間によってまた大変な部分や、逆に負担を軽減できそうな部分が変わってきそうですね。
ホームステイの受け入れにより興味を持たれたら、まずは問い合わせや資料請求をしてみてくださいね。
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