「我慢しなくていい」ことが分かる。子どもが教師による体罰や性暴力にSOSを出せるようになる動画
認定NPO法人3keysは、子どもを対象とした啓発アニメーションの新作『「ミーのなやみ」先生編』を公開しました。可視化されにくいけれど現実に起きている「教師から生徒への加害行為」。いざというときに子どもがSOSを出せるよう、親子で確認しておきませんか?
一見わかりにくい行動や発言も、立派な「加害行為」
教師から生徒への加害行為は、学校という閉鎖的な空間であるがゆえに可視化されにくいだけでなく、本来であれば「子どもたちの手本となるような存在」の教師が行っている行為であることから、子ども自身が「おかしい」と判断しづらいケースも多いのだそうです。
『ミーのなやみ「先生編」』では、以下のような事例が登場します。
体罰、不適切指導の例
・ペンを投げつけられたり、腕をつねられる
・無理な要求を言われる(例:「1時間でグラウンドを100周走れ」など)
・言われたことができないと暴言を吐かれたり、からかわれる
・やっていないのに犯人扱いされる
・いじめに対し見て見ぬふりをされたり、先生本人もいじめに加担している
性暴力(性被害)の例
・スポーツの指導と称して、不必要に身体を触られる
・「ケガの記録を取るから」と、下着姿や裸の写真を撮られる
・性的な冗談を言われたり、わいせつな画像や動画を見せられる
・告白されたりデートに誘われたりする
・突然抱きついてくる
なお、「教師」には担任の先生だけでなく、部活のコーチや校長・副校長、教育実習生なども含まれます。体罰や不適切指導には、直接手を挙げることはもちろん、暴言や精神的苦痛を与える行為、いじめを助長するような行為なども該当します。
子どもは「先生からこういうことをされるのは、自分がダメだからだ」と考えてしまい、我慢してしまうケースも多いそう。
教師からの性暴力で起こりやすいのが、たとえば「スポーツの指導やマッサージ、くすぐりと称して不必要に身体を触る」など、一見そうとはわかりづらい行為。親しい先生が相手だと、子ども自身も「あの先生がそんなことをするはずがない」と考えてしまったり、その行為が「性被害に当たるのかどうか」を、すぐに判断しづらいことも。
また、「冗談のつもりで」性的な言葉を言ったり、「勉強」と称してわいせつな画像や動画などを見せたりすることも、立派な「性暴力」のひとつです。
相談しやすい親子関係が大切
たとえ問題のない先生であっても、子ども自身が「この先生は合わないな、苦手だな」と感じたり、先生から言われたことに「納得がいかない」と感じたりすることはあるでしょう。そういった経験自体は、学校生活を通じて成長していくうえでの本人の学びにもなり、ある程度は必要なことだともいえます。
しかし、今回ご紹介したような行動や発言をするような先生の場合、子どもが我慢を続ける必要はありません。
本来起きてはならないことですが、加害行為をするような先生に当たってしまう可能性は誰にでもあります。大切なのは、もし我が子が先生からされたこと・言われたことで嫌だと感じたり、モヤモヤしたときにすぐに相談できたり、助けを求められる環境があること。
まずは、子どもがなんでも話せるような親子関係をつくっておく。もし親に話しにくいという場合も、味方であること、公的な相談先もあることを伝えておく。親から見て子どもの様子が気になったり、先生の行動や発言に違和感があり不安が続いたら、そのままにしない。
「我が子が通う学校にそんな先生はいない」「子どもが何も言ってこないから大丈夫」と思い込まず、保護者として、大切な子どもを守る意識は常に持っておきたいものです。
<参考資料>
・認定NPO法人3keys(スリーキーズ)が子ども向け啓発アニメーション「ミーのなやみ」に新シリーズ「先生編」を公開(PR TIMES)
・認定NPO法人3keys
・「ミーのなやみ」(認定NPO法人3keys)
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1987年生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務等を経てライターとして活動。主に女性の生き方、ワークスタイル、夫婦・子育て、社会問題などのジャンルで執筆。小説執筆も行い、短編小説入賞経験あり。