「恥ずかしがらずに自信をもっていたい 」中1女子が“生理”をポジティブに捉えられたわけ
フェムテックメーカーと航空会社、まったく異なる業界の企業コラボとは、一体どんな形だと思いますか? 本記事では、7月25日(月)に開催された、サニタリーショーツブランド「Bé-A〈ベア〉」を展開する「Be-A Japan」と、日本初の中長距離国際線LCC「ZIPAIR」がコラボした「生理×未来お仕事セミナー」をレポート。イベントでは、「生理×仕事」という切り口で見えてくる、生理を始めとする女性の健康課題や未来の働き方の展望を、子どもたちが学びました。
目次
フェムテックメーカー×航空会社のコラボイベント
本セミナーは、「これから未来を担う子どもたちに向け、性別などにとらわれず、なりたい自分を目指してほしい」という願いのもと、Be-A JapanとZIPAIRが共同して企画したもの。
当日は、ZIPAIRの代表の西田氏のほか、女性整備士や客室乗務員、さらにBe-A Japan代表の髙橋氏が登壇し、それぞれの仕事の魅力や、働くうえで生理を含めた「自分の体を知っておくこと」の大切さを子どもたちに伝えました。そのほか、航空機内の見学や機内食の試食、客室乗務員の制服を着る体験なども行われました。
女性の健康課題による日本経済への損失は4900億円
経済産業省の調査によると、女性の健康課題による日本国内の経済損失は、なんと年間4900億円にものぼると言われています(※ 経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」)。
そんな健康課題の中でも無視できないことの1つが「生理」。
生理によってパフォーマンスや行動が制限されてしまったり、何かを諦めなくてはいけない悔しさややるせなさを抱えたりする女性は数多くいます。そして、その状況を周囲に話せず心身のストレスとなってしまうケースもあります。
セミナーでは、「生理=職業選択のハードル」にならないために、自分の体をよく知って、生理とうまく付き合う方法を見つけることは、女性の人生にとっても社会全体にとっても大きなメリットがあることが伝えられました。
また、女子だけではなく、男子も生理について知っておく必要があることにも言及。生理を知ることでお互いに思いやる気持ちが生まれ、それが働きやすさにつながることを子どもたちに訴えかけていました。
「ジェンダーバイアス」にとらわれない選択を
航空業界は、パイロットや整備士は男性の仕事、客室乗務員は女性の仕事というように、性別で職業イメージが固定されがち(ジェンダーバイアスを持たれがち)です。
ZIPAIRはそういったイメージを打破するため、男女問わず、数ある制服の中から好きなものを選ぶことができるという制度を導入しています。すべての業種に男女が従事しており、男性の客室乗務員もいるのが当たり前、という企業風土も特徴の一つ。
セミナーではZIPAIR代表の西田氏が、航空会社の仕事内容のほか、ZIPAIRが大切にしている思いなどを子どもたちに伝えました。
また、新しい働き方を提唱するZIPAIRで働いている人たちのリアルな声を通して、性別に関係なく誰でも自由に未来を描けることを伝えていました。
中1女子「いつ生理がきても自信をもっていたい」
セミナーの中盤では、子どもたち全員がZIPAIRの制服を着て機内に移動。子どもたちにとっておまちかねの職業体験が行われました。
カートサービスや機内アナウンス体験のほか、なんと普段は入れない操縦席の見学も! 子どもたちは真剣な表情で説明を聞いたり、質問をしたり。臨場感あふれる体験に「CAさんの笑顔が素敵で対応が完璧、憧れる」という興奮の声が上がっていました。
体験後の感想では、「生理は人それぞれで、年齢によっても変わることがわかりました。私はまだ生理になっていませんが、話をきいて、いつ生理がきても恥ずかしがらずに自信をもっていたいと感じました(中1・女子)」「今日、色々な仕事を体験して、一番近くでお客様に寄り添うような職業に就きたいと思いました。今日見学した飛行機関連の仕事は人と関わっていく仕事だと思ったので、憧れます(中1・女子)」という子どもたちの素直な声のほか、「生理が女性の体や心にどのような影響があるかなど、子どもに知ってもらえてよかったです(小5・男子の母)」という保護者の声もありました。
性別の枠を超えた、無限の未来の可能性を
Be-A Japan代表の髙橋氏は、「男女関係なく自分の好きな仕事を目指してほしい。身体の作りを越えて、お互いに働きやすい社会をつくってもらいたい」としたうえで、「今回のイベントを通じてお伝えしたかったのは、世界は広いということ。選択肢はみんなが思っている以上に、想像以上にたくさんあること」だと話しました。
自分や相手の体を知り、互いに思いやることは、社会を築いていく上で重要な要素です。
参加した子どもたちは、職業体験という切り口から生理を学んだことで、より社会に密接した話題であるということに気づけたかもしれませんね。
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1991年生まれ、ライター兼編集。小学生向けファッション誌のほか、小学校教員向け専門誌の編集を経て、2022年にフリーに。小学校教育や性教育、10代のトレンドなどについて執筆している。夫と猫の3人暮らし。