2024年、本当の英語力が試されるときがやってくる
英会話スクールで教えている中学生から、「先生、M.V.PがMan of Very Popularの略って本当?」と質問してきました。学校の英語の先生がそう教えたとか。2020年のオリンピック・パラリンピックを契機に国際人に育てようとしている日本の教育ですが、これではちょっと心配になりますね。
英語力判定は民間試験で
M.V.Pは非常に人気のある人という意味のMan of Very Popularではなく、”Most Valuable Player”の略で、”最優秀選手”の意味です。
学校の先生は冗談でおっしゃったのかもしれませんが、こういうやり取りって意外と頭に残ってしまうもの。
気をつけたいものです。
なんといってもこれからの時代、ますます語学力の必要性が高まり、国際化がいよいよ身近なものとして捉えるべきときがやってきます。
その最初のステップとして、大学入試が変わろうとしています。
現在行われている、大学入試センター試験は2019年度で終了、2020年度には大学共通テストに替わります。
英語に関して言えば、2024年度から実用英語技能検定やTOEICなどの民間試験で英語力が判定されることになっています。
大勢の受験生が一斉に受ける大学共通テストで、英語の習熟度を測るのは難しいというわけです。
そこで、民間試験で判定することになったのです。
国際基準CEFRを日本でも採用
民間試験で英語力を判定すると言っても、それぞれ基準や特性が違います。
まずは各民間試験に共通の基準を設けなくてはなりません。
そこで注目されたのがCEFR(セファールまたはシー・イー・エフ・アール)です。
“Common European Framework of Reference for Languages”の略で、直訳すると“ヨーロッパ共通参照枠”です。
これは、外国語の力を総合的に判断する指標で、ヨーロッパで作成され、欧米を中心に広がりつつあります。
6段階評価になっていて、A1、A2が基礎段階、B1、B2では幅広い話題について自然な会話ができるレベルとし、C1、C2になると細かい意味の違いまで認識できるとあります。
この基準に照らせば、ほぼ、本当の英語力がわかるというわけです。
現在、実用英語技能検定やTOEICなどは最高 (英検1級、TOEIC満点)でもC1。
ケンブリッジ英語検定のみがC2評価まであります。
これを改良しようというのか、実用英語技能検定は試験方法を変更する意向のようです。
これからの情報社会において、英語を使いこなすことは必要不可欠。
世界の最新情報はいつも、英語で発信されるからです。
英語学習は小学3年生から
2024年度の大学入試からということは現在の小学生が受験するころは既に、民間試験による英語力判定に替わっているのです。
受験の時期ですが、高校3年生の4月~12月の間に最大で2回とされています。
2回のうち、高得点のものが採用になるのです。現在、8種類、6団体の参加が確定しています。
長年、学校で学習してきたのに英語が話せない人は多いもの。
読めば、あるいは聞けばわかるのに、間違ったらどうしようとためらって話せないというケースが多いです。
つまり、英作に自信がないのです。
今までの英語学習は読む、聞くが中心だったからです。
今後は真の英語力を備えた人材を育成するために、書く、話すにも重点が置かれます。
書く、話すといった能力は一朝一夕には身に付きません。
そこで英語学習の開始年齢を前倒しすることが決定されたのです。
現在、小学5、6年生で行われている外国語活動を3、4年生に移行、5、6年生では英語が正教科になります。
中学生になると英語の授業はすべて、英語で行われるようになるのです。
次世代を担う子どもたちに寄せられる期待はこのように大きいのです。
それに応えるにはより早めの、周到な準備が必要になってくるでしょう。
これからの情報社会に後れを取らないために欠かせないのが英語力です。
今までのように“書かれているものを読めばわかる”では、通用しなくなります。
国際社会で活躍できる人材を育てる英語教育改革はすぐそこまで来ています。
小学生の今から備えておきたいものですね。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、英会話スクール講師。一男、一女の母。幼少教育を重く見て子どもたちを私立小学校へ入学させるも公立も経験させたいと中学はあえて地元の学校へ通わせた。通訳ガイドの資格を持ち、英文コラムの執筆をはじめ、翻訳もこなす。英文、和文ともに執筆するが、その分野は多岐にわたり教育から観光案内、趣味、レジャーまで幅広い。