ソクたま会議室
2019.02.03
テーマ: どうして勉強させなきゃいけないの?

勉強は夢を叶える邪魔になる? 一流アスリートと子ども時代の過ごし方

青山 剛久

青山 剛久

“夢を見つけてほしい”“打ち込めるものに出合ってほしい”と子どもに願う保護者は多いもの。しかし、もし子どもに「スポーツで生きていくから勉強はしない」と言われたら夢を否定する? それとも…? そこで、アスリートのマネージメントやセカンドキャリアのサポートを行う青山剛久さんに夢と勉強について話を聞きました。

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一流アスリートの考え方とは

―夢を叶えた存在であるプロスポーツ選手。彼らと数多く出会ってきた青山さんですが、学生時代に勉強をしてきたかどうかが、選手時代や引退後の人生に影響を与えていると思いますか?

 

影響はあると思いますね。勉強といっても学歴や知識的なことではなく頭の使い方や地頭のよさ、思考力の差は、特に引退後に顕著に出ると思います。

 

例えば、海外リーグで活躍するようなサッカー選手たちは、現役時代から積極的にチャリティなどに参加していますが、彼らは自分の社会的価値が分かったうえで行っています。自分たちの行動が社会にどんな影響を与えるのかを把握し、最も影響力が高い現役時代をどのように過ごせば(引退後の)将来に生かせるのかを考えながら行動しています。

 

ーつまり、目の前のことを何となく行っているのではなく、ひとつずつの行動に意味をもって行っているのですね。これは、学生時代から与えられたメニュー、練習をこなすだけではなく、自分で立場を理解し“すべきことを”考える力がある人間だからできることなのかもしれませんね。

 

どんな一流アスリートでも、(引退後に)社会に出てそのまま通用するわけではありません。自分のキャリアをどう変換すれば引退後の人生に役立てられるのかを優秀な選手であるほど考えていると思います。

 

例えば、サッカーでも課題があればクリアするためにどんなことをすべきかを考えて実行しますよね。人生においても同じようにセルフプランニングしながらすべきことを行っているのだと思います。

 

また、日本のプロサッカーリーグはJ3まであり、昔よりも夢を叶えられる(プロになれる)選手は多いわけです。しかし、すべてのプロ選手がサッカーだけで食べていけるわけではなく、もしかすると1年で契約を切られてしまう可能性もあります。選手を送り出す高校、大学の指導者の中には人生全体を見れば、プロになるよりもどこかに就職したほうが賢い選択だという方もいるほどなんです。

 

それでもプロを目指してサッカーをしてきた選手は、夢を叶えるためにJリーガーになります。私が、そんな彼らに伝えるのは、引退後の人生も見据えたうえで“どんなサッカー選手になりたいのか、どんな人生を送り、どこを目指すのか”などを考えること。なんとなく(サッカーを)続けていると、いざ契約が切れてしまい、夢(サッカー)を失った後、どう生きていけばいいのか分からなくなってしまいます。

 

 

セルフプランニング力をつけるなら子どものうちから

ーサッカー選手というくくりではなく、夢を叶えた後も続く人生全体を見てプランニングをしていかないとけないんですね。

 

ただ、すでに大人になっている選手に“自分自身で人生をプランニングする大切さ”を伝えても簡単にできるものではないんですよね。やはり子どもの頃の過ごし方が大切になります。

 

ー子どものうちから目標を自分で立てて達成できるように自分が今すべきことを考える。そんな風に考えるクセをつけていけたらいいですよね。

 

その何をすべきかを考えていったときに小中学生であれば、学生の本分である“勉強”というものも含まれると思うんですよね。僕自身もプロを目指してサッカーをしていましたが、好きなこと(サッカー)をするためには勉強をしなければならないという意識がありました。

 

ー最近は、スポーツ強豪校でも学力が高い学校が増えています。日本のスポーツのレベルが上がるにつれて“何をすべきか”を考えて行動する中に勉強もあるからなのかもしれませんね。

 

保護者が将来像を描けるよう促してあげる

―保護者としてできることは何かあるのでしょうか?

 

スポーツも勉強も一緒なのは、なんとなく続けることはあまり意味がないと思います。だからこそ保護者は、子どもが夢(目標)を見つけたら、子どもに対して「夢(目標)を叶えるためには今何をすべきか」と問いかけ、一緒にプロセスや“すべきこと”を考えてあげてください。

 

「なぜ今このことをしなければならないか」「今行っていることは何のために行っているのか」と問いかけ続けてあげることで、目標と行動を紐づけて考えるクセがついていけば自分自身で人生に必要なプロセスを考え、セルフプランニングができるようになると思います。

 

“やらされている”のではなく“自らやっている”という意識をもてるように子どもをフォローしてあげること。それはその子のことをよく見て、コミュニケーションがとれている大人にしかできないことだと思います。

 

―“勉強すること”を目的にせず、“今すべきことが勉強である”ということを子ども自身が納得できれば、勉強は“やらされている”ことではなくなります。ただ「勉強しなさい」と言うのではなく、目標や夢と勉強を紐づけ、子ども自身が自ら勉強をすべき理由(目標、夢)を見つけることができるようにサポートしていけるといいですね。

 

青山 剛久

青山 剛久

スポーツ関連事業を手掛ける株式会社RIGHTS.にてアスリートのマネージメントを中心に小学生向けの宿泊型スポーツ体験イベント「キッズキャンプ」(https://www.kidscamp-official.net/)の運営にも関わっているほか、アスリートの復興支援プロジェクトも6年にわたり参加している。

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