小学生のわが子が混乱しない国語と算数の教え方とは?学校のやり方に合わせるべきか解説します
「宿題が分からない!」「勉強を教えて」と子どもに頼られても「学校と説き方が違う」と言われて困ったことはありませんか? そんな風に子どもに言われると「学校と同じやり方でないと…」と考えるかもしれませんが、すべてが学校と同じじゃなくてもいいんです。今回は、家庭での勉強の教え方に悩む保護者へ教え方のポイントを紹介します。
学校に合わせたほうがいいのは2つ
まず、学校の勉強の中には、学校での解き方に合わせた方がいいものと、違ってもいいもの、また、学校の教え方にプラスしてその子が分かりやすい解き方を家庭で補足してあげたほうがいいものがあります。具体的な内容については、次の段落以降で説明しますが、全教科を通して、以下のような判断基準で考えましょう。
学校と同じ教え方が好ましいもの
・子どもがそのやり方に納得しているもので、やり方を忘れてしまっただけのもの
・そのやり方でないと、これから先の勉強に影響してしまうもの
子どもに学校でどんな風に教わったかを聞き、もし子どもが覚えていなければ、教科書やノートをチェックしてみましょう。見て分かるような内容であれば学校の教え方に合わせたほうが無難です。
しかし、その通りの解き方を教えているのに何度も間違えたり、違う方法で解決しようとしたりする場合は、やり方について納得をしていない場合があります。よく子どもの様子や書いていることを観察して、子どもが納得できるようにポイントを改めて教えてあげるようにしましょう。
また、今後の勉強に関わってくる解き方(例:足し算、引き算、かけ算、わり算など)は、これから先も学校での教え方についていけなくなるなど影響があるので、学校が教えている通りに教えることが望ましいです。
学校と違っても問題ないもの
・意味を捉えていればいいもの
・知識として覚えておけばいいもの
学校の教え方に補足が必要なもの
・学校で教わったやり方がよく分からなかった、納得できなかったもの
一度学校でのやり方をもう一度やらせてみて、できない、分かりにくいという場合は補足をしたり違うやり方を教えたりしてみましょう。
国語で悩みやすい文章問題を教えるときは?
国語は答えが一つではないことがよくあるため、教え方に悩むことも多いでしょうが、テストの点数に反映させるためには、学校での教え方の傾向をよく知ることがポイントです。
学校と同じ教え方が好ましいもの
・漢字
漢字は、書き順、止め、はね、はらいなどに注意しなければなりません。学校で使っているドリルや教科書で書き順や形を確かめて、その通りに教えるようにしましょう。また、すぐに答えを教えるのではなく、まずは自分で調べるような習慣をつけさせておくことをおすすめします。
学校と違っても問題ないもの
・言葉の意味、語彙
言葉の意味や語彙に関するものは、意味や使い方が正しく理解できていれば問題ありません。正しい意味を子どもに分かりやすい言葉で説明をしてあげましょう。
・音読
子どもが文中の変なところで区切って読んだり、つまづきながら読んだりしているときは、範読をしてあげましょう。範読のポイントは、短く、リズムよく読むことです。一文ずつ区切る、一文が長いときはきりのいいところで区切るなどしながら読んであげましょう。
学校の教え方に補足が必要なもの
・文章問題
学校では、「理由には『から、ため』という言葉をつけなさい」「この言葉が出てきたら、その前の文章を見なさい」などの答え方を教える傾向があり、「教えた通りに書けていないので不正解」と判断されてしまう場合が多いのです。
家庭で文章問題を解くときは、キーワードに線や丸などで印をつけたり、一緒に読んだりしながら回答を書かせましょう。そして、学校の先生がどのように丸つけをしたり、書き直しをさせたりしているかを確認しながら教えていくことが必要です。
算数は書き方や計算方法を学校に合わせる
算数は、国語と違い決まった答えがあります。「答えに行きつくまでの工程を大切にするもの」「答えだけが出ればいいもの(主に暗記するもの)」この2つを見極めて教えることがポイントです。
学校と同じ教え方が好ましいもの
・ひっ算の書き方
繰り上がり、繰り下がりの書き方、小数点の動かす書き方、0の消し方など、ひっ算の書き方は学校によって色んなスタイルがありますが、子どもの中では学校で習った書き方が基準になります。ひっ算が苦手という子は桁ごとにリード線やマスを書いて考えやすくしてあげましょう。
・式を立てるときの順序
式の右の数と左の数を反対にして教えてしまっていることがあります。足し算やかけ算では、数が反対でも答えが変わらないため、順番が逆になっているということがあるのです。以前は「入れ替わっていてもいい」とされていたものでも、今は順番通りでないと不正解になるということがあります。
例えば「2×3」と「3×2」では、「2のまとまりが3つ」と「3のまとまりが2つ」という違いが生まれ、式の意味が変わります。
式を立てるのが難しいときは、「同じ数ずつ配るということは、分けないといけないね、何算かな?」など、数だけを見るのではなく、文章から式を予想できるようにサポートしてあげましょう。
学校と違っても問題ないもの
・九九
足し算や引き算と違い、九九は暗記をするものです。学校では、九九カードを使って覚えるように言われるかもしれませんが覚え方は自由です。例えば、トイレの壁に九九表を張る、寝る前に7の段を言ってから寝るなど、家庭で学校と違う方法を選択しても問題ありません。
子どもは自分に合った解き方を選んでいくもの
今回の記事では、国語と算数の教え方を紹介しましたが、上記以外にも「どう教えるのが子どものためになるのだろう」と悩んでしまうことはたくさんあるはずです。もし、子どもに「学校と違う」と拒絶されてしまうのであれば、連絡帳で教師に解き方を質問してみてください。
また、「学校と違う教え方をしてはいけない」と必要以上に気をもむ必要はありません。子どもは「こんなやり方もあるんだ」「このやり方がやりやすいな」など、教わった中から自分が一番納得できて、やりやすいやり方を選んでていくものです。
低学年の子どもほど「学校ではこう!」と言い張ってこだわることが多いですが、学年が上がっていくにつれて受け入れていくようになっていくことが多いですよ。
教師も学校と違う解き方をしている子どもをすべて否定するとは限りません。「なるほど、この解き方がこの子にとっては解きやすいのか」と子どもを理解するきっかけになることもあります。そのとき、その解き方のままにしておくか、少し手を加えるか、学校と同じように改めさせるかなどは担任次第ですが、保護者は「子どもの勉強をサポートしてあげるんだ!」という気持ちと自信を持って、お子さんと向き合っていってくださいね。
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短大卒業後、小学校教員を8年間経験。その8年間の経験から、自分や教育に対する様々な疑問を抱き始め、まずは自分を変えようとヨーロッパへ留学。現場では得られないたくさんの経験を積み重ねるが、留学中も教育への関心はたえず、非常勤講師として小学校に勤務中。好奇心旺盛なため、やりたいと思ったことには進んで挑戦中。