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2024.03.04

【新体力テスト・立ち幅跳び編】即実践! ジャンプ力がアップするコツや練習方法を伝授

立ち幅跳びは、跳躍力を測定する新体力テストの種目。少しの練習で記録を伸ばすことができます。帝京平成大学・現代ライフ学部児童学科講師で、(財)日本体育協会・スポーツリーダーも務める鈴木邦明さんに立ち幅跳びのコツや小中学生ができるトレーニング方法を教えてもらいます。練習に役立つ動画もあるので、参考にしてみてくださいね。

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記事を執筆したのは

鈴木 邦明さん

帝京平成大学 人文社会学部 児童学科 准教授。公立小学校に22年間勤務し、学級担任としてさまざまな子どもたちや保護者と関わる。現在は大学での教員養成、保育者養成に携わっている。(財)日本体育協会スポーツリーダー、WSSA-JAPANスポーツスタッキング指導者。

体力テスト「立ち幅跳び」とは?

立ち幅跳びは“跳躍力”を測定するもので、運動においてとても重要な能力になります。例えば、バスケットボールやバレーボールであれば高さを生かしてボールを有利に扱うことができるようになります。

跳躍力は、運動のみに発揮される能力ではありません。例えば、道を歩いていて何かを跳び越える必要が生じた際、けががしやすいかどうかにも大きく関わりがあります。

つまり、跳躍力が高い方が日常生活を支障なく過ごせるということがいえるのです。

立ち幅跳びの小・中学生の平均記録

文部科学省が発表している立ち幅跳びの平均記録(2020年度)は、以下の通りです。

記録の単位:センチメートル

また、過去の平均記録の変化を見ると以下のようになっています。この20年で男子はほぼ同じ、女子はわずかですが少しずつ平均値が上昇していることが分かります。

記録の単位:センチメートル
記録の単位:センチメートル

立ち幅跳びの基本的なルール

文部科学省「新体力テスト実施要項(6歳〜11歳対象) 」によると、立ち幅跳びの取り組み方は以下の通りです。

  1. 準備
    <屋外で行う場合>

    用意するもの…砂場・巻き尺・ほうき・砂ならし
    ・砂場の手前(30cm〜1m)に踏み切り線を引く

    <屋内で行う場合>
    用意するもの…マット(6m程度)・巻き尺・ラインテープ
    ・マットを壁に付けて敷く
    ・マットの手前(30cm〜1m)の床にラインテープを張り、踏み切り線とする

  2. 方法
    (1)両足を軽く開いて、つま先が踏み切り線の前端にそろうように立つ。
    (2)両足で同時に踏み切って前方へとぶ。



  3. 記録
    (1)身体が砂場(マット)に触れた位置のうち、最も踏み切り線に近い位置と、踏み切り前の両足の中央の位置(踏み切り線の前端)とを結ぶ直線の距離を測定する(上図参照)。
    (2)記録はセンチメートル単位とし、センチメートル未満は切り捨てる。
    (3)2回実施してよい方の記録とする。

  4. 実施上の注意
    (1)踏み切り線から砂場(マット)までの距離は、被測定者の状態によって加減する。
    (2)踏み切りの際には、二重踏み切りにならないようにする。
    (3)屋外で行う場合、踏み切り線周辺及び砂場の砂面はできるだけ整地する。
    (4)屋内で行う場合、着地の際にマットがずれないように、テープ等で固定するとともに、片側を壁につける。滑りにくい(ずれにくい)マットを用意する。
    (5)踏み切り前の両足の中央の位置を任意に決めておくと測定が容易になる。

立ち幅跳びが苦手な子の原因は?

立ち幅跳びが苦手な子どもの多くは、“手と足のタイミング”がずれています。詳しくは次章、「学校では教えてくれない! 立ち幅跳びのコツ」で解説しているので、参考にしてくださいね。苦手な原因となっているポイントを少し直すことで、記録は伸びていきます!

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学校では教えてくれない! 立ち幅跳びのコツ

「明日、新体力テストが控えていて、今からトレーニングをするのは無理!」という子どもでも、即席でできるコツを解説します。

準備運動をしっかりとする

立ち幅跳びに限らず、準備運動はとても大切です。準備運動にしっかり取り組むことで、けがの予防にもつながります。

新体力テストの直前に筋肉や関節をあらかじめ動かし、少し温めておくことで、本来の力が発揮しやすくなります。待っている時間も、可能であれば少し体を動かしておく方がより良いでしょう。

腕をしっかりと振る

2つ目のコツは、しっかりと腕を振ること。

ジャンプの前にしっかりと腕を後ろまで持っていき、肘を伸ばした状態で前に向けて大きく振ることで反動が生まれ、体が前に進める力となるのです。

手と足のタイミングを合わす

3つ目のコツは、手を振るタイミングとジャンプのタイミングを合わせること。ジャンプのタイミングに対して手を振るタイミングが早すぎても遅すぎても、上手に力が伝わりません。

手を前に振るタイミングに合わせ、ジャンプをしていきます。タイミングが合うと体が一直線になり、前へ飛び出していく形になります。

合わせるタイミングは何度か練習をすることで、自分でつかむことができるようになります。振った手が前に出てくるタイミングと同時に、ジャンプをするイメージで練習してみてください。

両足に体重を乗せる

最後は、両足に同じように体重を乗せることです。

片方だけに体重が乗っている状態だと、ジャンプの際にしっかり前に進む力とならない可能性が高くなります。両足に同じように体重を乗せることで、両足で同じタイミングでジャンプをすることができ、遠くまで跳べようになります。

膝を曲げる角度は90度が目安

膝を曲げることによって大きくジャンプするための力が生まれるのですが、曲げすぎると却ってその力が伝わりにくくなります。膝を曲げる角度は90度くらいを目安にしましょう。

ジャンプの角度は45度が目安

ジャンプするときの角度は、45度くらいが望ましいとされています。

上に向かって跳び過ぎると距離が出ませんし、前に向かって跳び過ぎるとすぐに着地してしまいます。斜め45度くらいを意識して跳ぶと、上に向かう力と前に向かう力のバランスが取れて記録が伸びやすいでしょう。

立ち幅跳びの記録が伸びるトレーニング法

立ち幅跳びが苦手な子どもに向けた、家庭でできる効果的なトレーニング法を紹介します。庭や公園など外でできるもの、家の中でできるものもあります。やり方を確認して、ぜひチャレンジしてみてください。

  • 立ち幅跳びが苦手な子
  • 立ち幅跳びが得意な子

それぞれのトレーニング法を解説しましょう。

立ち幅跳びが苦手でも簡単にできるトレーニング

立ち幅跳びが苦手な子どもに向けた、家庭でできるトレーニング法を紹介します。

簡単にできるトレーニングとしては、スキップがあります。スキップをすることで“手と足のタイミングを合わせる”ことができるようになります。

屋外で行う際は通常のスキップを行い、家の中など範囲が限られた場所で行う際は“その場スキップ”に取り組むと良いでしょう。

立ち幅跳びのコツとトレーニング法を解説した動画も、参考にしてみてくださいね!

もっと記録を伸ばしたい! 立ち幅跳びが得意な子向けのトレーニング

バレーボールやバスケットボールなどのスポーツをしている子や、すでにある程度の記録を出している子は、今より記録を伸ばしたいと考えているのではないでしょうか。ここでは、得意な子が記録をさらに伸ばせる少し負荷の掛かるトレーニングを紹介します。

おすすめは、“坂道ジャンプ”。坂道ジャンプは、坂道で立ち幅跳びをしていくものです。坂の下から上に向かってジャンプをしていきます。

角度が付いていることで負荷が掛かり、角度が大きくなることで負荷が大きくなります。

坂道ジャンプを行う際は、安全への配慮をした上で取り組みましょう。

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立ち幅跳びは、ちょっとしたコツをつかむことで記録の伸びやすい種目。特別な器具を用意する必要がないので、家庭での練習もしやすい種目です。

練習している様子をスマホなどで動画に撮り、うまくいっている部分とそうでない部分を分かるようにしながら取り組むのもおすすめです。子どもが実際に自分の跳ぶ姿を確認することで、より良い方法をイメージしやすくなります。

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鈴木 邦明

平成7年東京学芸大学教育学部小学校教員養成課程卒業。平成29年放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務し、学級担任としてさまざまな子どもたちや保護者と関わる。現場での長年の経験を基に、教員・保護者向けに様々な教育関連情報サイトなどで役立つ情報を発信。現在は教員育成に軸足を移し、平成30年4月から帝京平成大学現代ライフ学部児童学科講師。(財)日本体育協会・スポーツリーダー、WSSA-JAPANスポーツスタッキング指導者。 

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