GW明けは不登校になりやすい?原因やサイン、登校しぶりへの親の対処法
入学・進級に慣れたタイミングで訪れる約1週間のGW(ゴールデンウィーク)は、登校しぶりにつながりやすい時期であり、この頃に子どもが「学校に行きたくない」と言うことは、決して珍しくはありません。ただ保護者としては、そんな子どもの姿を見たら心配になりますし、不安を覚えますよね。そこでこちらの記事ではGW明けに不登校になる原因や、保護者ができる対策などについて紹介します。この記事が、不安を取り除くのに役立てれば嬉しいです。
目次
GW明けに不登校が増える原因とは?
新生活の疲れ
GWがきっかけで不登校になる大きな原因は、新生活の緊張感で生じる疲れです。特に1年生にとって、時間がきっちりと決められた小学校は幼稚園・保育園とは異なる環境といえます。2年生以上の子どもたちも例外ではなく、クラス・担任替えや教科の増加などで少なからず緊張しています。そのため、休みが続くGWを機に、糸がプツン切れたかのように意欲をなくしてしまう可能性があるのです。
疲れが原因になっている場合は、新学期の「気負い」を緩和することで、不登校にならずに済むでしょう。特に子どもは、無意識のうちにストレスを溜め込んでしまうケースも少なくありません。「◯年生になったんだから」との言葉は控え、進学・進級の負担を軽くしましょう。
家の快適さに気付いた
自宅が快適過ぎることが、不登校につながるケースもあります。もちろん居心地の良さは大切ですが、「学校よりも自宅のほうが楽しい」状況にならないように注意しましょう。好きなだけゲームができ、勉強もしなくていい環境にある子どもが、少なからず緊張感のある学校を嫌がるのは無理もありません。
ゲーム・動画・漫画といった娯楽は、時間を決めることが大切です。その際は親が「◯時間までね!」と押しつけるのではなく、子どもと相談して納得のいくルールを決めましょう。家庭内にもある程度の規律を設けることが、登校しぶりの防止につながります。
勉強が分からない
GWの登校しぶりに、学習面の不安が隠れているケースもあります。ひとつ学年が上がるだけでも、学習の難しさはアップします。特に2年生から3年生に進級したときには、生活科が理科・社会に分かれる上に、総合的な学習の時間といったグループ学習も増えてきます。
3年生以上の算数から、学年をシャッフルした習熟度別の学習を取り入れている学校も少なくありません。そのほか、音楽・図工などに専科が入り、担任以外の先生とのコミュニケーションが求められます。
高学年以上も例外ではなく、思考や説明を要する学習が入ってくる分、学習への苦手意識を持ちやすい時期といえます。学習に対する不安は、通信教材や塾、家庭教師などの先取り学習で解消されるケースもあります。子どもの様子を見ながら、サポートを検討してみてもよいでしょう。
登校しぶりの前兆かも。GW中の子どものサインをチェック
中には学校に行きたくないことを言い出せず、抱え込んでしまう子どももいます。学校に対するストレスを抱えている場合、多くの子どもには以下の2つの変化が見られます。
朝、起きるのが遅くなる
「朝◯時に起きて、夜◯時に寝る」という生活リズムは、子どもの心の状態を表すバロメーターのひとつです。
特に、これまで早起きだった子どもが朝9〜10時に起きるようになるのは、睡眠がしっかりと取れていないからとも考えられます。睡眠不足は意欲の低下につながり、登校しぶりに発展する可能性もあります。もちろん休み中に少し寝るのが遅くなるのは仕方ありませんが、遅寝遅起きが定着しないようにしましょう。
学校の話をすると表情が曇る
GWが終わる数日前に「もうすぐ学校が始まるね」と話した途端、無口になったり、表情が曇ったりするのも登校しぶりのサインかもしれません。「学校」が苦痛な子どもにとって、「学校で何があった?」「どんな勉強をしたの?」という質問はできるだけ避けたい話です。
とはいえ、大人だって日曜日の夜に、「明日から仕事か」と憂鬱になるものです。全てが登校しぶりにつながるとは限りませんが、学校を嫌がる可能性は高いといえます。
GW明けに「学校に行きたくない」と言われた!親の接し方・対応を段階別に紹介
GWを終えた登校日の朝、子どもから「学校に行きたくない」と言われた場合にはどのように対応すればいいのでしょうか?
実は休み明けの登校しぶりはよくある話で、対応次第ではスムーズに登校するようになります。ここからは、登校をしぶる子どもへの対応をステップ別に解説します。
ステップ1:子どもの話を聞く
子どもが登校をしぶるのは、親に向けてのサインだと考えられます。まずは「なぜ、学校に行きたくないの?」と理由をたずねて、子どもの気持ちを聞いてみましょう。子ども自身がうまく説明できないケースもありますが、話をさえぎらずに耳を傾けることが大切です。
明らかに疲れている様子なら、1日休ませてみる手もあります。頭ごなしに「学校に行きなさい」と叱責したり、強引に学校に連れて行こうとしたりするのは禁物です。まずは、子どもの気持ちを受け止めるところからスタートしましょう。
ステップ2:担任に相談する
子どもの言い分を聞く一方で、全てを鵜呑みにするのは禁物です。子ども自身も自分の感情を理解できず、「〇〇くんに暴力を振るわれる」「先生が厳しいから嫌だ」といったもっともらしい理由を話すケースも少なくありません。その場合は、子どもが話す「問題」を解消しても新たな「登校しぶり」の理由が生まれる可能性が考えられます。
担任に連絡し、学校での様子を聞くと同時に、登校をしぶっている事実を知ってもらうことが大切です。担任から、学習の理解度、人間関係などを含めたお子さんの様子を聞き、一緒に登校に向けた対策を考えていきます。
ステップ3:段階を踏んで登校に挑戦する
登校に挑戦する際には、子どもの嫌がり具合に合わせて方法を決めるとよいでしょう。学校の支度はするけれど足が向かない様子なら、親が校門まで付き添い、担任に引き渡す手もあります。担任と相談しながら、校門から昇降口、教室の前へと、段階を踏んで自力の登校を目指します。
一方、布団から出てこなかったり、登校時間が近付くと泣いたりする場合には、以下のようにハードルを下げる手もあります。
・オンラインで授業を受ける
・午前中の登校
・登校して保健室で過ごす
登校を目指す際には、ある程度のタイミングで親が子どもの背中を押すことも大切です。例えば昇降口で担任に引き渡した後にはすぐにその場を去り、子どもが学校に向かうように促しましょう。
GW明けの不登校を乗り越えた子の事例
有給などで調整できる会社員とは異なり、小学生のGWは前半・後半に分かれるのが一般的です。連休と連休の間に登校日が入るため、うまく切り替えられないケースも少なくありません。
ある男子児童もこのパターンで、GWを機に登校しぶりがスタートしました。保護者から学校を嫌がっていることを聞き、学習面や人間関係、生活面でのサポートを考えたのです。彼の場合は休みの日の夜更かしが、平日の登校しぶりにつながっているようでした。
保護者には、休日も平日と同じ時間に寝るようにお願いし、リズムを整えたんです。彼の場合は、朝起きられないことが登校しぶりにつながっていたので、生活リズムが整ったことで少しずつ登校日が増えていきました。
もちろん個人差はありますが、GW明けの不登校はそれほど深刻にならないケースがほとんどです。早めに担任に相談し、対応を考えることをおすすめします。
不登校になったときの相談先
子どもが不登校になったときには、ひとりで抱え込まないことが大切です。ただ、「担任の先生に話しても、なかなか行動してもらえない」というケースもあるかもしれません。ここからは、担任以外の相談先を特徴と併せて紹介します。
学校
学校は基本的に、組織ぐるみで不登校の対策を考えています。学校によって多少の違いはありますが、東京都の公立学校では養護教諭をはじめとする特別支援コーディネーターを中心に、不登校などの対策を考えていました。
各クラスの窓口は担任になっているものの、伝え方はひとつではありません。担任が消極的なら学年主任(学年のリーダー。4月の学校だよりに記載されていることが多いです)・養護教諭・管理職へと段階を踏んで「不登校」の事実を伝えてみましょう。
子どもの現状を伝えることで、学校側の対応が期待できます。例えば学習面・人間関係などに不安がある場合は、個別指導・スクールカウンセラーの面談といったサポートを受けられる可能性が広がります。
自治体の教育相談
育児のサポートとして、教育相談センター・総合教育相談室を中心に悩みを吐き出す機会を設けている自治体も少なくありません。学校から配布されるおたよりに記載されていることが多いので、気になる人はチェックしてみてください。
学校に派遣される「スクールカウンセラー」と連携しているケースも多く、教育相談を機にスクールカウンセラーにつないでもらうこともできます。対面でじっくりと話を聞いてもらいたい場合は、自治体の教育相談を利用しましょう。
オンラインの教育相談サービス
対面でじっくりと話を聞いてもらいたくても、仕事・育児などで時間がない人もいるのではないでしょうか。忙しくて相談をする余裕がない人には、オンラインの教育相談サービスが便利です。
元教員・塾講師をはじめとする100人以上の専門家が在籍する「うちの子は」は、オンラインの教育相談サービスです。専門家ごとにスケジュールがあり、希望に合った日時を選べます。10年以上の現場経験を持つ専門家も多いため、学校側の状況を踏まえた対応を考えていけるでしょう。
不登校はひとりで悩まず、学校などと連携して対応することが大切です。その上で、教育の知見を持つプロに相談すると、新たな気付きを得られるかもしれません。モヤモヤを抱えず、一歩ずつ対応していきましょう。
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大学卒業後、公立小学校に10年以上勤務し、学級担任、専科(家庭科・算数)を経験。現在は2人の子どもを育てながらWebライターとして活躍するほか、教師経験を生かして、学習や人間関係に悩む親子の相談にのっている。