専門家おすすめの小学生向けプログラミング玩具、本を紹介!おうちでプログラミング教育
今年度から小学校でも始まるプログラミング教育。プログラミングといえばパソコンを使って行うものと思っているかもしれませんが、実はコンピューターを使わなくても学ぶことができるのです。今回は、プログラミング教室を主宰する福井俊保さんが小学生におすすめのプログラミング玩具や本を紹介。家庭学習にプログラミング教育を取り入れてみましょう!
実は家事にも取り入れられているプログラミング的思考とは
文部科学省は、小学校にプログラミング教育を導入する目的のひとつに「プログラミング的思考の育成」を挙げています。
小学生にプログラミング教育を導入する目的などを詳しく説明している記事はこちら
プログラミング的思考とは、 簡単にいえば問題を解決するために必要なことを細分化し、それぞれを解決するために必要な命令を考えて組み合わせていくことです。
家庭の中にもプログラミング教育のヒントがある
言葉だけ聞いて考えると難しそうなプログラミング的思考ですが、実は、普段の生活の中でもすでに活用されています。
例えば「カレーを作ること」を問題にして考えてみましょう。カレーを作る工程は、簡潔にすると
- 材料を用意して
- 材料を切って
- 材料を炒めて
- 煮込み
- カレールー(粉)を入れる
となりますよね。
では、今挙げたカレーを完成させるまでのプロセスを細分化してみましょう。
①材料を用意する段階では、定番の野菜や肉類以外にも、普段は使わない調味料や材料を入れるのかを検討する必要があります。また、③材料を炒める工程では、材料や調味料を鍋に入れる順番、分量も検討する必要がありますよね。その際、無意識のうちにプログラミング的思考は使われているのです。
プログラミング的思考で組み合わせを考えていくためには、
- 順予=処理を行う順番
- 繰り返し=条件を満たすまで繰り返す
- 条件分岐=条件によって動作を変える
という視点が必要がですが、
③具材を炒めるという工程では、
・どの順番で具材や調味料を入れ(順予)
・条件(肉に火が通っているか、玉ねぎはアメ色かなど)を満たすまで炒めて(繰り返し)
・火が通ってなければやり方を変える(条件分岐)
などということを行っているのではないでしょうか?
つまり、カレーを作る際にも順予・繰り返し・条件分岐などプログラミング的思考を用いて動作を組み合わせているのです。
このように考えるとプログラミングやプログラミング的思考が少し身近に考えられそうではありませんか?
小学生向けプログラミング玩具「コードマスター」
プログラミング的思考を身につけるためには、実際にコンピューターでプログラミングするのが適しています。
しかし、家にコンピューターがない場合や、コンピューターにばかり向かわせることに抵抗があったり、いきなりプログラミングをやらせるのはハードルが高そうと思っていたりする人は、おもちゃを使ってプログラミング教育もできます。
小学生ならボードゲームなどのおもちゃでプログラミング的思考を鍛えてみてはいかがでしょうか。そこで、おすすめのボードゲームを紹介します。
ボードゲームでプログラミング的思考を鍛えよう
プログラミング的思考を鍛えるおもちゃはたくさん販売されていますか、普段、小学生たちにプログラミングを教えている私が特におすすめするおもちゃは「コードマスター」というボードゲームです。
実際にプログラミング教室で使ったことがありますが、子どものプログラミング能力と「コードマスター」の上手さは比例しているという印象です。
小学生も中学生もハマるはず!
「コードマスター」は、スタートとゴールが決まっていてスタートから条件(どんなルートを通るのかなど)を満たしながらゴールを目指すというボードゲームです。
ルールは非常に単純ですが、レベルが上がるほど条件をクリアすることが難しくなります。レベルは60まで用意されているので、ハマれば延々とやり続けることができ、小学生だけでなく中学生にも人気があります。
NASA発のプログラミング玩具
実は「コードマスター」は NASA のエンジニアが開発したボードゲームであり、プログラミング的思考を身につけるように工夫されています。
つまり、ゲームをしながらプログラミング的思考に必要な“順次・くり返し・条件分岐”の要素がすべて含まれているのです。
小学生が「コードマスター」をした結果
私の主宰するプログラミング教室では、夏休みに「コードマスター講座」を開きましたが、レベルが上がり難しくなるにつれて挫折する子も増えていきました。
しかし、プログラミングでも実際の社会問題でも問題が複雑になればなるほど解決するのは難しくなります。どういう条件であればどういう結果になるのか、そうした考えを積み重ねていくことはとても大事なことです。
小学生がプログラミング的思考を訓練していくためには最適なおもちゃだといえます。こうしたゲームで根気強く遊び、クリアしていくことでプログラミン的思考が身につくだけでなく、社会の問題を解く際にも役立つでしょう。
プログラミングの基本を学べる絵本「ルビィのぼうけん」
みなさんは「ルビィのぼうけん」という本を知っていますか? コンピューターとテクノロジー、プログラミングをテーマにフィンランドの女性プログラマーが手がけた絵本のシリーズで、現在、世界20カ国以上で4巻まで発売されています。
内容は、好奇心旺盛なルビィという女の子が宝石集めを通してプログラミングの基本を学んでいく物語部分(前半)から、練習問題を自分で解いていく後半へと読み進めていく構成になっており、小学生低学年でも分かりやすくプログラマー的思考を身に付けていくことができます。コンピューターを使わないでもプログラミングを理解していけることでしょう。
「ルビィのぼうけんシリーズ」は、小学校でもコンピューターを使わないでプログラミング的思考を学べないのかという視点で書籍も発行されています。
また、「ルビィのぼうけんシリーズ」特設サイトでは、自由にダウンロードして遊びながら学べる練習シートも用意されているので気になる人はチェックしてみてください。
コンピューターが1人1台無い状態でスタートするプログラミング教育ですので、コンピューターを使わない学習も増えていくのではないかと考えています。遊びながらプログラミング教育をしていくのは悪いことではありません。小学生向けのプログラミング玩具や本を使って楽しくプログラミング教育をしていきましょう。
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プログラミング教室スモールトレイン代表。1976年生まれ。横浜市立大学大学院博士後期課程単位取得退学。 大学では数学、大学院では文系(国際政治)を学ぶ。大学院時代から中学受験塾で4教科を15年間指導した後、子どもたちが「考える力」を身につけるためのプログラムを開発したいと思い、プログラミング教室「スモールトレイン」を開校。著書に「エラーする力──AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育」(自由国民社)などがある。 スモールトレイン https://www.smalltrain.com/