小学生の習い事 子どもの可能性を伸ばす4つのヒントを紹介します
幼い頃からたくさんの習い事を掛け持ちしている子どもが多いですが、気を付けたいのは、習い事が子どもにとってプラスになっているのか、ストレスやマイナスになっていないのかということです。親の願い通り、習い事が子どもの力、可能性を伸ばすことにつがるよう家庭教育師の藤田郁子さんが、習い事を生かすためのヒントを紹介します。
【ヒント①】習い事と遊びのバランスはとれている?
習い事で1番大事なのは、子どもの「やりたい!」という気持ちです。
子どもは、幼いほど自分が本当にやりたいことなのか分からず、親の要望に応えてしまいます。例えば、女の子であれば、ピアノやバレエ、男の子はサッカーやラグビーなど運動系など、の習い事をさせる親は多いですが、本当に子どもは「やりたい!」と思っているのでしょうか?
なかには、「身体を動かすのが苦手で将来が心配」という理由で、苦手意識を克服するために運動系の習い事を選ぶ人のほか、英語やプログラミングなど、子どもを取り巻く環境の変化に適応させてあげたいと考える人もいることでしょう。「何か、習っていないと不安になる」そんな心理状態に親子でなってしまっているのかもしれません。
しかし、元々子どもは思いっきり遊ぶことによって、その年代に必要な心身のバランス感覚を身に付けることや学年を越えて遊ぶことの楽しさは貴重な体験です。また身体能力・人間関係・リーダーシップ等が自然と身についていくのも“遊び”の効用です。習い事で子どもの能力を伸ばしてあげようとすることは悪いことではないですが、“遊び”の中に学ぶべき事が沢山あることを忘れないでいましょう。
【ヒント②】親のマイナス感情は捨てよう
しかし、子どもの習い事で親を悩ませる1番のポイントは、長続きしないということではないでしょうか。「子どもが『やりたい』と言ったから習わせたのに、1年とたたずに『やめたい」と言います。どうしたら、もっとやる気をもって続けられるでしょうか?」とよく相談されることがあります。
親にとっては切実な問題です。あっさりとやめさせてよいものなのか、励まして続けさせた方よいのか迷いますよね。
相談してくれた親の話を聞いていると、ほとんどは、「簡単に辞めさせてしまったら、がんばる力が身につかないばかりか、やめ癖が身に付いてしまわないか」と恐れ「やめてほしくない」と考えるようです。今の親は「継続は力なり」を信じて育てられた世代。習い事が続かないのは、ワガママだからなのか継続する能力がないからなのだと思ってしまう傾向があります。
「たかが習い事」ではなく「習い事でさえ続かない」という強烈なマイナス感情が湧き上がってきてしまうのです。
そこで、私がまずアドバイスするのは、「そのマイナス感情はできればゴミ箱(空想の)に捨ててしまいましょう!」ということ。そのマイナス感情は、親の中でどんどん大きくなっていきます。その後、もし子どもががんばっていても「この子は習い事さえ続けられない子」という色メガネで見てしまい、「今のままではダメ! もっと頑張れ!」と否定的な見方になってしまいます。
そして、否定され続ける子どもは、何事に対しても“やる気”を失ってしまうのです。
【ヒント③】始めるのもやめるのも子どもに決断をさせる
親のマイナス感情は子どもを思いのほか不安にさせてしまいます。習い事が続かないからといって、物事すべて中途半端になることはありません。物事にはその子が頑張れるタイミングがあります。
わが家の例でいうと、長男は小1でサッカー部に仮入部したものの練習日にテレビゲームに夢中になっています。そこで私が「毎回『行くの? 行かないの?』と聞くのは嫌だから、自分の意思で行けないなら入部しないでね」と声を掛けました。
長男は即答で「ゲームがしたい」と言い、サッカー部へは入部しませんでした。ただ、小3になった時、再びサッカーをしたいと言いだしたのです。
その時、私が出した条件は…
① 児童期の習い事はひとつ
※藤田家のルールです。学習塾は中学からということにしています
② 自分で用意をして、行く
※親を当てにしないこという意味です
長男は、これらの条件をふまえて小3からサッカーを始めました。
始めた頃は上級生からのいじめもあったようですが、コーチや仲間に支えられ、そして何より自分の意思で決断したことだったので一日も休みませんでした。
親は日頃から子どもが選択したことを丸ごと受け入れてあげることが大事です。たまにはそっと背中を押してあげることやアドバイスも必要ですが、子どもを信じて任せてみてください。親が思う以上に考えて自分にとってベストな選択をするものですよ。
【ヒント④】やめ時を逃さない親になろう
がんばっていた子どもが習い事を「やめたい」と言った時、さりげない励ましで続けられるならそれに超した事はありません。ひとつのハードルを飛び越えた体験は、その子の自信になることでしょう。
ただし、気をつけたいのは、子どもがやめられないと思い込んで無理を重ねることです。「行きたくない」が言えないと、親の前で仮面をかぶるようになるか、自傷行為にはしるケースも出てきてしまいます。
親は子どもに色々と期待をしてしまいますが、一度立ち止まって子どもをよく観てあげましょう。
その習い事に、喜んで行っていますか?
友人関係は良好ですか?
チャレンジする心が芽生えていますか?
確かに、習い事は楽しいばかりでなく、大なり小なり壁が立ちふさがるものです。その時に前向きになれるのは「好きだからこそ出てくる力」です。もし、好きでもない習い事なら思い切ってやめてみてはどうでしょうか。イヤイヤ行っていても身体や心を痛めてしまい、そのダメージは計り知れません。
無理やり続けさせるよりも、好きな事がみつかることを待ちましょう。このとき「好きな事がないなんて」とガッカリし、「早く見つけなさい」とプレッシャーを与えないことも大切です。子どもによって、好きな事に出会うタイミングは千差万別。何事も大らかに、ゆったりと待つことができると親も子も楽です。
そして、信じて待ってもらった子どもは、やる気エネルギーを満タンにしています。“その時”がきたら驚くほど、その子らしさが開花します。飛躍するときはあっという間に飛び立っていくものです。親が焦らなくても大丈夫! 心配しないで、のんびりいきましょうね。
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1961年、神戸市生まれ。日本家庭教育学会認定の家庭教育師。幼児生活団の指導者・保育士・健康体操インストラクターなどの経験があり、1991年に公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会に入会。日本家庭教育学会第24回大会(2009年)、同32回大会(2017年)では、研究論文を発表したほか、ゲームなど、身体から心の交流をはかる「ふれあいトレーニング」や「キッズ保育者研修」のトレーナーとして活躍中。スコーレ協会の首都圏北地区のリーダーも務めている。