連絡帳の書き方|小学校の担任教師とよい関係を築ける書き方と活用方法
連絡帳の主な目的は、家庭の人に学習内容や学校行事、出来事、忘れ物などを簡潔に伝えるため。そして、教師と保護者が上手な連携をはかるための連絡手段のひとつです。しかし、保護者の中には「連絡帳の使い道はそれだけ?」「これは連絡帳に書いていいの?」と、連絡帳の書き方に悩みや疑問を持っている人もいるかもしれません。そこで、今回は、私が小学校での教師経験で感じた上手な連絡帳の書き方・活用方法を紹介します。
目次
面倒でも毎日のチェックを欠かさずに
連絡帳の使い方は、学校や学年、学級による違いはありますが、日々の連絡帳の役割は、時間割、時間割の変更、行事、宿題、持ち物などについてを保護者にチェックしてもらうことにあります。
保護者側からすれば「連絡帳の内容は、いつも同じだから」とチェックをしないことがあるかもしれませんが、教師は連絡帳を使って保護者へ子どもについての連絡をすることがよくあります。
例えば「休み時間後、だるそうにしていたけれどその後は元気に過ごしていました。」「今日はこの給食を頑張って食べていまいた。」「ひざをすりむいていたので、保健室で処置してもらっています。」など、緊急ではないけれど見守ってほしい、褒めてあげてほしいなどの連絡です。
これらは、保護者が安心して学校生活を見守れるようにという意図で、教師は書き、伝えています。
また、連絡帳を見ると、子どもの忘れ物や学習内容などを把握することもできます。1年生では一緒に連絡帳を見ながら準備や確認、2年生以降の準備等は、(保護者も連絡帳に目を通したうえで)たまに声かけをしながら見守る程度にすると、自立して準備ができるようになるはずです。
ただし、1年生のうちから1人で準備ができてくるようになる子もいますので、子どもの様子やタイミングを見ながら、チェックや声かけをするのがよいでしょう。
子どもだけではどうしても準備が難しいもの(図工の材料やプールの準備等)も、保護者が毎日連絡帳をチェックしているという前提で連絡帳を使って声かけをしています。
実は小学校の先生が困っていること
保護者の連絡帳の使い方で、小学校の先生が意外と頭を悩ませているのは、保護者による長文での連絡です。
教師は、授業のほかにも給食、清掃、休み時間と子どもたちがいる間、休むヒマなく動き回っています。保護者がせっかく心を込めて書いてくれた文章も、読むヒマがなかなかなく、結局一言しか返事を書けなかったり、電話をかけたりしてしまうことになるということも多くあります。
教師としては、連絡帳に長文が書かれているとゆっくり読めずに意図が理解しにくかったり、また、たとえ保護者にその気がなくても電話や面談を避けられているような気持ちにもなる場合もあります。
長文になってしまうようなことを教師と保護者で共有しておきたい場合は、例えば「先日、同じクラスの〇〇さんとケンカしたことについて、お話したいことがあります。もう一度詳しくお話ししたいので、お電話いただけると幸いです。」などと記入すると、学校の先生は自分が最適と思うタイミングで保護者の方へ連絡することができます。
教師が保護者に書いて欲しいと思っていること
では、どのような使い方をすれば、家庭も学校も連絡帳を活用することができるのでしょうか。私の教師経験のなかで「これは書いてくれていると助かる」と数多くの学校の先生が言っていたのは、下記の3項目です。
少し先の欠席連絡(日にち、曜日、理由など)
少し先の欠席連絡も早めに知らせておいてもらうことで、教師が見返したり日付を確認したりすることができます。
体育の見学、見学理由
体育の見学や見学理由は、子どもが「お母さんが見学しなさいと言っていました」と報告に来た時に連絡帳に一言書いてあると、どんな理由で見学すべきなのかが分かるからです。授業前に家庭に確認をとるというのも大変ですので、連絡帳に書いていると教室でさっと確認がとれるので助かります。
引越しや勤務先、電話番号の変更など電話ではメモが大変なもの
引越しや勤務先、電話番号の変更などは、電話での報告でしたらミスがある場合もありますので、連絡帳で確実に伝えてください。教師が見ているかどうか不安なときは、「連絡帳に書いています」と一言電話連絡を入れでもよいでしょう。
連絡帳ではなく電話や面談のほうがいいこととは?
地域によっては電話連絡より連絡帳を使ってのやり取りが前提になっている学校もありますが、用件によっては、連絡帳より面談が好ましいものがあります。それは、学校への不服申し出です。
学校への不服申し出は、連絡帳に書くだけでは趣旨が伝わりにくく、保護者がどんな感情で伝えているのかを知ることができません。連絡帳では、面談や電話で話すことを希望しているという旨と時間調整をするために「○○のことでお話ししたいことがありますので、ご都合のよろしい時にご連絡ください。」と伝えるようにしましょう。
教師の中には「連絡帳より電話の方が楽」「電話や面談の方がより感情が伝わるから良い」という理由で連絡帳を好まない人もいます。教師と対面で話すのは苦手と思う保護者もいるかもしれませんが、子どもにとって重要なことや緊急なことなどは、電話や面談で話したほうがいいと思っておいた方がよいでしょう。
連絡帳は子どもも見ていることを忘れずに
忘れないでほしいことは、連絡帳は親と先生の交換日記ではないということです。連絡帳は子どもが安心して学校生活を送るためのものです。子どもが毎日目にする自分の連絡帳に、自身のトラブルや学校への不服などが書かれていたら、子どもはどのように思うでしょうか。
低学年のうちは何が書かれているかあまり分からなくても、年齢を重ねていくと、連絡帳に書いている内容は子どもも理解できるようになってきます。実際に、トラブルなどについて書かれている連絡帳を、子どもが後ろめたそうに持ってきたり、友達に見られないように隠しながら時間割を書いていたりする姿を多く見てきました。
また、丁寧に書いているつもりでも、読む方が取り違えてしまったり、嫌な印象を受けてしまうことも少なくありません。「これは連絡帳に書いていいのかな?」と迷ったときは、下記のような手段も考えてみてください。
・先生宛の手紙を書く
・子どもに「そういえば、あのことでお母さんが話したいと言っていた」などと先生に伝言をしてもらう
・連絡帳に「○○のことでお話ししたいことがありますので、ご都合のよろしい時にご連絡ください。」と書く
子どもが嫌な思いをしないため、また、家庭と学校が良好な関係を保つためにも、連絡帳を上手に使っていくことは大切なことです。
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短大卒業後、小学校教員を8年間経験。その8年間の経験から、自分や教育に対する様々な疑問を抱き始め、まずは自分を変えようとヨーロッパへ留学。現場では得られないたくさんの経験を積み重ねるが、留学中も教育への関心はたえず、非常勤講師として小学校に勤務中。好奇心旺盛なため、やりたいと思ったことには進んで挑戦中。