志望校を選ぶ前に考えたい“いい学校”ってどんな学校?
早いもので今年度もあと少し。来年度はいよいよ受験の年という学年もあると思います。親子で志望校選びを考える家庭もあるのではないでしょうか。しかし、わが子にどって“いい学校”ってどんな学校なのでしょう。志望校を絞る前に改めて確認しておきたい“いい学校”の条件について考えます。
勉強面から考える“いい学校”とは
“いい学校”と聞くと、まず有名な難関校を想像する人がいるかもしれません。しかし、ひとことで難関校といってもさまざまなカラーがあります。
例えば、私立の進学校では、成績上位校になるほどペース配分が速くレベルの高い教科書を採択する傾向にあります。そのため、せっかく入学できたものの、ついていくのがやっとという子どもも少なくありません。 学業成績を誇りにしてきた子どもほど、過去の栄光と現状との落差に自信やモチベーションを失う可能性があります。
また、補講を熱心に行い生徒が授業についていけるようサポートしてくれる学校もあれば、放任主義で生徒の主体性を重んじている学校もあるなど、勉強スタイルは学校によって違います。
偏差値の高い学校イコールよい学校ではありません。勉強に関するサポートがほしいかどうか、学内である程度の成績を維持していたいかどうかなど、子どもの勉強へのスタンスによって選ぶべき学校は変わっていきますよ。
校風から考える“いい学校”とは
子どもの性格が一人ずつ違うのと同じように、学校の性格もそれぞれ違います。つまり、校風の違いです。
知名度や偏差値、進学率にばかり注目していると教育理念や校風といった学校の基本的な部分をおざなりにしてしまいがちです。また、まだ社会経験が未熟な子ども自身は、学校が発信する耳触りのいい言葉に流されてしまったり、信ぴょう性に乏しい誰かからの言葉を真に受けて実態以上の憧れを学校に抱いてしまうかもしれません。
入学後にがっかりしてしまわないよう、子ども以上にホームページやパンフレットに掲載されている情報を読み込みましょう。大切な子どもを長期にわたって預ける学校ですから、親としてその考え方に信頼が置けるかよく検討してみてください。
社会問題から考える“いい学校”とは
また、過去に問題が起きた際、学校がどんな対応をしてきたかも大切です。特にいじめ問題の対応などは、これから学校生活を送る上で知っておきたいところでしょう。
可能であれば、塾や知り合いを通して実際に通っている生徒から話を聞くことをおすすめします。“いい学校”であれば、問題が起きた場合にうやむやにすることなく子どもを守ってくれているはずです。
また、最近は一般的に見てあきらかにおかしいルール、いわゆる“ブラック校則”を定めた学校があります。
例えば、茶髪についてです。NPO法人が、全国の15歳から50代の男女計2000人を対象にとったアンケートによると、生まれつきの髪色が黒以外の人のうち9%が中学時代、18%が高校時代に黒く染髪するよう求められたそうです。
社会的には、「生まれつきであれば仕方ない」「茶髪のままでいるほうが自然である」という意見もありますが、学校という閉鎖的な空間では“茶髪は悪い、黒髪こそが正しい”という考えがまかり通てしまいます。
ほかにも、下着の色を確認するという学校をはじめ。耳を疑うような事例がネット上などでたくさん話題になっています。そこに子どもの個性や人間性を尊重する姿勢はありません。
学校とはそういうものだと受けとめる人もいるでしょう。しかし、生まれつき茶髪の子どもがそのことを恥じなければならない理由があるでしょうか。人目につくものでもない生徒の下着の色を、教師に逐一確認されなければならない理由とはなんでしょうか。人と異なる個性は正さなければならないという発想は、いじめの温床にもなりかねないものです。
志望校を選ぶ権利は受験者の側にあります。できることなら、子どもと相性がよく、それでいて子どもを大切にしてくれる学校を選びたいものです。そのためにはまず、学校に関する情報をできるだけ多く集めることから始めてみてください。
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教育・受験指導専門家の西村創が主宰する「西村教育研究チーム」のメンバー、フリーライター。大学卒業後、書店に勤務し、実用書や旅行書、新書等、幅広く売場を担当。書籍を扱うプロとして常にアンテナを張り、多岐にわたるジャンルに対して学びの姿勢を貫く。その後、医療系商社勤務を経て、難関中学受験をメインに据えた進学塾の講師を務める。 出産を機に退職し、現在はフリーライターと双子の母を兼業中。台風のようなちびっ子たちに日々振り回されている。