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2024.07.05

子どものリストカットに気づいたら?自傷する心理や適切な対応を解説

子どもの手首に傷があり、「もしかしてリストカットをしている?」と思っても、どう対応すればいいかわからず困ってしまう方は少なくありません。
子どもに質問しようと思っても「どう聞けばいいんだろう?」と悩んでしまったり、「へたに踏み込み過ぎると子どもを傷つけるかもしれない」と怖くなったりして、リストカットの話題に触れることをためらってしまう方も多いようです。
そこで今回は、子どものリストカットに気づいたときの適切な対応について解説します。

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記事を執筆したのは…

佐藤セイさん

公認心理師・臨床心理士。現在、スクールカウンセラー(中学・高校)・非常勤講師(大学)として勤務しつつ、webライターやブックライターとしても活動中。カウンセラー・講師・ライターのどの立場であっても、受け取る人にとって、消化しやすい言葉や表現を選ぶことを心掛けています。

そもそもリストカットとはどんな行為なのか?

「リストカット」という言葉は聞いたことがあっても、どんな行為かイメージできない人もいるかもしれません。まずはリストカットとは何かについて説明しましょう。

リストカットとは

リストカット(リスカ)とは、自分の手首をカミソリやカッターなどの刃物で切って傷つける行為を指します。リストカットと同じく身体を切る行為として、腕を切るアームカット(アムカ)、太ももを切るレッグカット(レグカ)などもあります。

このように、わざと自分を傷つける行為を「自傷行為」と呼んでいます。
リストカットなどの自傷行為は10代の子どもの約1割が経験していることが報告されています。これは、日本だけでなく、海外でもほぼ同じ状況です。
心が不安定になりやすい思春期頃に、自傷行為を経験することは珍しくないのです。

自傷行為とは

精神科医の松本俊彦さんは、自傷行為を「自殺以外の意図から非致死性の予測をもって、故意に、そして直接的に、自らの身体に対して非致死的な損傷を加えること」と定義(*)しています。
*松本俊彦(2014)自傷・自殺する子どもたち 合同出版 p22より)

この定義で大切なのは
・自殺以外の意図:死ぬつもりで行っている訳ではない
・非致死性の予測:「死なないだろう」という予測をしている
・非致死的な損傷:死なない程度の傷付け方で収まっている

ということです。

手首を切る行為は、自殺手段としてのイメージが強く、リストカットも「自殺未遂」と誤解されがちです。
しかし、自傷行為であるリストカットは、死ぬための方法ではありません。むしろ、「苦しい世界を自分1人で生き延びるために、何とか苦痛を克服しようと必死の思いで編み出された方法」といえます。

リストカットをする心理・理由や原因とは?

ここからは、リストカットをする理由と、そのときの子どもの心理についてお話しします。

リストカットをする理由

①自分で苦痛をコントロールするため

リストカットをすると脳内麻薬と呼ばれる成分「エンケファリン」が分泌され、苦しさや痛みが和らぎます。
また、目に見えない心の痛みに耐えるよりも、リストカットした傷の痛みの方が「この傷のせいで痛いんだ」と受け止めやすく、耐えやすいと言う人もいます。
このように、苦痛を手軽にコントロールする方法としてリストカットが選ばれます。

②周囲に受け入れてもらうため

リストカットが発覚すると、周囲の人たちは子どもに注目し、いつもより優しくなったり、いつもより話を聞いてくれたりします。
苦しさと1人で戦ってきた子どもにとって「受け入れてもらえた」「自分を見てもらえた」という体験は嬉しく、何にも替えがたい喜びになります。リストカットは自分を受け入れ、見てもらう大切な手段として扱われるかもしれません。

③生きている実感を得るため

苦しい過酷な環境で過ごしていると、苦しみから逃れるために感情や感覚をシャットダウンし、何も感じない「解離」という状態になることがあります。
解離すると、ネガティブな感情や感覚も感じない代わりに、ポジティブなものも感じられず、だんだんと生きているのか死んでいるのかわからなくなってきます。
その場合、痛みや滲んでくる血によって、生きていることを確かめるため、リストカットが行われることがあります。

④メンタルの不調が影響している

先ほど触れた「解離」以外にもメンタルの不調が、リストカットに影響していることもあります。
例えば、
・うつ病:「自分が悪い」と考えやすく、強い自己否定感がリストカットを引き起こす
・摂食障害:「食べない」「過食する」「嘔吐する」など、食事を適切に摂らないという自分を傷つける行為がやめられない精神疾患。同じく自傷行為であるリストカットも発生しやすい
・境界性パーソナリティー障害:人との距離がうまくとれず、関係が壊れそうになるとリストカットなどの自傷行為で引き留めようとする
・統合失調症:「手首を切れ」などの幻聴による命令がリストカットを引き起こす

などがあります。

⑤友人や媒体からの「伝染現象」

中学生や高校生の場合、1人の子どものリストカットが発覚すると、その子に共感した子どもたちの間でリストカットが流行してしまうことがあります。
また、映画やドラマでリストカットのシーンを見たり、リストカットについての記事や画像を投稿するブログに出会ったりと、外からの影響をきっかけに突然リストカットを始める可能性もあります。

リストカットをする心理

子どもがリストカットをする心理としては、次の3つが挙げられます。

①「自分には価値がない」と思っている

「自分には価値がない」「自分の存在は迷惑だ」と思っている子どもは、苦しみを誰にも相談できず、リストカットでの対処を選びやすくなります。

「自分は無価値/迷惑だ」という心理は、
・完璧主義で、うまくできない自分を受け入れられない
・家族や先生の忙しい様子に気を遣い、「これ以上負担をかけてはいけない」と思う
・大人からの罵倒や学校でのいじめによって、自分は他者から大切に扱われないと確信している
・大人の関心を優秀なきょうだいなどから取り戻せなかった

などによって、大きくなります。

②「自分は気持ちを感じる権利がない」と思っている

自分の気持ちを否定される経験が続くと、子どもは「自分の気持ちを感じたり、表現したりしてはいけないのだ」と考え、苦しい気持ちをすぐに解消できるリストカットに頼ります。

「気持ちを感じる権利がない」という心理の背景には、
・「大人の言うことを聞くのが『いい子』だ」とずっと言われてきた
・自分の好みや関心について「変なの」「不良みたい」など否定された
・反論すると「偉そうなことを言うんじゃない」と叱られた。あるいは「あなたのために言っている」と心配されて何も言えなかった

などの経験が影響しています。

③「大切な人を傷つけたくない」と思っている

とても良い関係を築いている家族や先生に対しても、「大切にしてもらっているのに、苦しいと感じている自分はおかしい」「こんな気持ちを知られたら、きっと傷つけてしまうだろう」と思って、苦しさを言えない場合もあります。
その結果、周囲にばれないリストカットを使って苦しみの解消を試みます。

リストカットは放っておくとエスカレートしてしまうの?

リストカットは、基本的にエスカレートする性質があります。
その背景には「リストカット耐性が高まる」と「ストレス耐性が下がる」という2つの耐性の変化が影響しています。

リストカットへの耐性ができる

リストカットは、ほかの方法よりも迅速・簡単・確実に苦しさを取り除いてくれます。カッターなどの刃物が1つあれば、いつでもどこでも実践できますし、脳内麻薬が苦しさをすぐに和らげてくれます。
しかし、リストカットを繰り返すと、少しずつ耐性ができます。これまでと同じような傷では脳内麻薬が分泌されなくなるのです。

ストレスへの耐性が下がる

リストカットを始めたばかりの子どもは「苦しくてたまらない」「死にたいくらいつらい」というときだけリストカットを使います。しかし、しばらくすると「友達が冷たい気がした」「欲しかったゲームが買えなかった」などの「ちょっと嫌だな」レベルのストレスにも、リストカットを使うようになります。

リストカットや自傷行為がエスカレートする

ストレス耐性が低下し、リストカットを何度も使用すると、リストカットへの耐性が一気に強まります。これまでの方法では苦しみは取り除けません。
すると、リストカットをしていた子は、以前よりも深く切りつけたり、何度も切ったりとリストカットの状態を悪化させます。また、頭を殴る、腕に噛みつくなど別の自傷行為を始める場合もあります。放っておくとエスカレートする可能性があるのです。

リストカットは正しい対応・治療をしたらやめられるの?

リストカットは、
・子どもにとって苦しいものを減らす
・リストカット以外の苦痛の対応を知る
・苦しいときに相談できる人や場所を見つける

という3つを揃えられるように対応すれば、少しずつやめられます。

子どもにとって苦しいものを減らす

まずは、子どもが切りたくなる「苦しみ」を親子で特定してみましょう。

リストカットしたい気持ちが浮かんだら、
・いつ、誰と、何をしたとき?
・切りたい気持ちは何%?
・実際に切ったのはどんなとき?

などを記録していきます。子どもに任せても良いですし、1日の終わりに親子で話しながら一緒に整理しても良いでしょう。

記録が増えてきたら「どんな状況で切りたくなっているか」を分析します。
「夜、部屋に1人でいると切りたくなる」なら、しばらく家族で一緒に寝ることもできそうですし、「〇〇ちゃんと一緒にいると苦しくなる」なら別の友達と一緒に過ごしたり、先生に相談したりできるかもしれません。できるだけ苦しみの種から離れましょう。

リストカットしたい気持ちの対処法を知る

リストカットしたい気持ちを上手にコントロールする方法としては「刺激的置換スキル」と「鎮静的置換スキル」が代表的です。
親にとっても、子どもを支えるときに「もう疲れた!」「ムカつく!」と思ったときに使えるスキルになるため、一緒に練習してみると良いかもしれません。

刺激的置換スキル

刺激的置換スキルは、切りたい気持ちを別の刺激で切り替える方法です。

・氷や保冷剤を握る:氷や保冷剤の冷たさがリストカットの痛みに似た刺激をもたらし、切りたい気持ちを逸らしてくれます。

・香水を嗅ぐ:強い香りによって気を紛らわせます。

・輪ゴムをはじく:手首に輪ゴムを巻き、「切りたい」と感じたらパチンとはじいて気持ちを切り替えます。

・紙を破く:「切りたい」と感じたら、不要な新聞や雑誌を破り、衝動をぶつけます。

・サインペンで腕を赤く塗る:リストカットで血が出ることを重視している場合、切りたい気持ちが浮かんで来たら、腕を赤く塗りつぶすことで気持ちが落ち着く場合があります。

・大きな声を出す:大声を出すと、切りたい気持ちが紛れることがあります。家族で一緒にカラオケに行くのも良いでしょう。

刺激的置換スキルは簡単で即効性がありますが、あくまで「切りたい」という気持ちを紛らわせているだけ。刺激的置換スキルで、できるだけリストカットしないようにしつつ、次にご紹介する「鎮静的置換スキル」を練習しておく必要があります。

鎮静的置換スキル

鎮静的置換スキルは、切りたい気持ちそのものを落ち着かせる方法です。

・呼吸法(マインドフルネス):

「今、ここ」で起きていることに集中するための方法です。
椅子やクッションに座り、意識を呼吸へと集中させ、息が鼻から喉へ入り、お腹がふくらみ、そしてお腹が凹み、息が出ていくのを感じます。呼吸に集中できず、ほかの考えが浮かんでも「あ、ほかのことに気を取られたな」とだけ思って、もう1度集中し直せば大丈夫。
練習していくうちに「切りたい」という気持ちに振り回されず、今の自分を大事にできるようになります。

・イメージ法:

これまでに最もリラックスできた状況をイメージします。牧場で子羊を触った瞬間かもしれませんし、図書室の本棚と本棚の間にいるときかもしれません。
目で見た光景だけでなく、そのときの匂い、音、温度や湿度、触り心地、味わいなど、五感を使ってイメージできると良いです。切りたい気持ちに心が支配される前に、心をリラックスできる場所へと逃がせます。

鎮静的置換スキルは一度身につけると、これから先の人生でずっと活用できます。その分、習得まで時間がかかります。親子で一緒に取り組む時間を設けると良いでしょう。

苦しいときに相談できる人や場所を見つける

子どもがつながりやすい相談先としては、次のようなものがあります。

・養護教諭(保健室の先生):いつでも学校にいるため、予約しなくても気軽に会えます。リストカットの知識も持っており、傷口のケアもしてもらえます。

・スクールカウンセラー:月1回〜週1回ほど来校し、生徒や保護者のカウンセリングを実施しています。リストカットの専門知識を持っているため、苦しい気持ちや不安な気持ちだけでなく、「リストカットのやめ方」なども相談できます。

・外部の相談機関:身近にいる人には話せない場合は、「チャイルドライン」や「24時間子供SOSダイヤル」など外部のサービスを活用するのも良いでしょう。電話・メール・チャットなどでいつでも相談できるため、「苦しい!」「切りたい!」に対処する方法としておすすめです。

子どものリストカットが分かったら、どのような対応をすればいい?

大切な我が子の手首や腕に生々しい傷があるとなれば、多くの方が動揺してしまうでしょう。何とかしてあげたいと思いつつ、「下手な関わり方をして、さらに傷つけてしまったら…」と不安になり、関わりたいのに関われない状況に陥るかもしれません。
ここからは、子どものリストカットが分かったときの具体的な対応をご紹介します。

リストカットの傷は適切に手当てをする

まずは落ち着いて傷の手当てをしてみましょう。傷を消毒し、絆創膏やガーゼで覆います。傷が深いようなら病院を受診するのも良いでしょう。
このように身体の傷から逃げない姿勢を示すことで、子どもは「家族に頼ってもいいのかもしれない。心の傷も見せてもいいのかもしれない」と思えます。

リストカットを教えてくれたら「ありがとう」と受け止めよう

「この傷、どうしたの?」と聞いたときに、正直に教えてくれたなら「話してくれてありがとう」と伝えましょう。
リストカットについては、親であっても相談するのはかなり勇気が必要です。子どもは「リストカットを知られたら親をがっかりさせるかも。傷つけるかも。親から見捨てられるかも」など、たくさんの不安を乗り越えて話してくれています。その勇気を褒めてあげてください。

子どもから言い出せないようなら「TALK」で気持ちを聞こう

子どもからリストカットについて話せない様子なら、相手の気持ちの寄り添いながら話を聴く方法「TALKの原則」を使って、聞いてみてもいいでしょう。
「TALKの原則」では、次の4つのポイントを押さえながら話をします。

・Tell(話す):リストカットを見て見ぬふりせずに話し合う
・Ask(尋ねる):困っていることや気持ちを率直に尋ねる
・Listen(聞く):つらい気持ちを受けとめる
・Keep Safe(守る):安全に過ごせる環境を一緒に作っていく

【例】
Tell(話す):「これはリストカットをした傷じゃないかなと思っているんだけど違うかな?」
Ask(尋ねる):「どんなときに切りたくなっているんだろう?しんどいことがあるのかな?」
Listen(聞く):「そっか、隣の席の〇〇君に悪口を言われて、ずっとしんどかったんだね」「リストカットすると落ち着くのか。学校を乗り切るための大事な方法なんだね」
Keep Safe(守る):「学校に行くのがしんどかったら少しお休みしようか。その間に担任の先生と〇〇君や席について相談してみるのはどうかな」

リストカットが分かったときの家族向け相談機関

家族が子どものリストカットについて相談できる機関としては、次のような場所があります。

・スクールカウンセラー:スクールカウンセラーは保護者だけでの相談も可能です。
・精神保健福祉センター:心の問題を扱う公的な相談機関です。面談や電話、メールなどで相談できます。
・保健所/保健センター:心に限らず健康に関する問題を扱う公的機関です。
・子ども家庭支援センター:子どもに関する幅広い悩みに対応します。
・医療機関:リストカットがエスカレートし、傷が隠せなくなったり、人前でも切るようになったりしたら、医療機関につながると安心です。子どもの場合は「児童精神科」や「思春期外来」を掲げている医療機関を受診すると良いでしょう。

子どものリストカットが分かっても、してはいけないこととは?

子どものリストカットが分かっても、してはいけないNG行為3つも押さえておきましょう。

①リストカットを無理にやめさせる

子どもがリストカットしか苦しみの対処法を持っていないのに、リストカットを無理にやめさせてもあまり効果はありません。
子どもは親が苦しみを分かってくれなかったことに失望し、隠れてリストカットを行います。それに気づいた親は裏切られた気持ちになり、親子の関係はどんどんギクシャクします。そのような親子関係はストレスとなり、子どものリストカットをさらに悪化させるリスクがあります。

感情的・攻撃的に対応する

リストカットを見つけると、心が揺さぶられて「私がダメな親だから!」と感情的になったり、「こんなことする子に育てた覚えはない!」と子どもを攻撃的に責めたりしたくなる可能性があります。
しかし、感情的・攻撃的な対応は、「自分は無価値だ」「自分は迷惑な存在だ」という子どもの認識を強め、「やっぱりリストカットにしか頼れない」と思わせてしまいます。

③リストカットを無視する/過小評価する

リストカットに気づいても「たいしたことない」「どうせアピールしたいだけ」と無視したり、過小評価したりすると、子どもは「やっぱり誰も助けてくれない」と思います。その結果、ますますリストカットに頼ったり、さらに激しい自傷行為を始めたりします。

リストカットをする子に対し、親としてどのような心持ちで向き合えばいい?

リストカットをする子どもを前にして、親としては気持ちが不安定になるかもしれません。
・「今」に注目すること
・親だけで背負いこまないこと

の2点を大事にしましょう。

「過去」ではなく「今」に注目する

子どものリストカットが発覚すると、親としては「自分の育て方が悪かったのではないか」「自分が仕事ばかりで子どもに構ってあげられなかったから…」など過去の関わり方に悩んでしまうことがあります。
しかし、大事なのは「今」と「これから」です。過去ではなく「今」を見つめ、着実に改善すれば、「これから」の子どもの人生はリストカットが不要なものにできるはずです。

親だけで背負い込まない

我が子がリストカットをすると、「親なのに気づけなかった」「相談もしてもらえないダメな親だ」など、自分を責めてしまう親も少なくありません。その分、リストカット発覚後は「今度こそ自分がなんとかしなきゃ」と気負うケースもよく見られます。

しかし、リストカットを親だけで支援するのは大変です。「リストカットを無理にやめさせてはいけない」のが正しいとわかっていても、子どもが傷を増やすのを見るのは苦しいことです。子どもに寄り添いながら、家事や仕事もこなそうと頑張るうちに疲れ切ってしまい、つい「もういい加減にして」と投げ出してしまうこともあります。

子どもを安定的にサポートするためには、親だけでなく、たくさんの力を借りることが必要です。親が周囲に助けを求める姿が、子どもにとっての良いモデルになります。

まとめ

子どもがリストカットを手放すまでには、苦しさの原因そのものにアプローチしたり、苦しさと上手に付き合うスキルを身につけたり、苦しさを吐き出せる人や場所を見つけたりと、手間も時間もかかります。

「だんだんリストカットの回数が減ってきたな」と思ったところに、予想もしなかった大きなストレスがかかり、再びリストカットが戻ってきてしまうこともあります。
しかし、うまくいかないときがあっても「親が一緒に考えてくれている」という事実が、苦しみと孤独に戦ってきた子どもの心に、嬉しさや喜び、ちょっぴりの気恥ずかしさなどのポジティブな気持ちを育みます。これらポジティブな気持ちは、「苦しい」「切りたい」という気持ちを乗り越えるための大きなエネルギーになります。

「子どもと一緒に悩んで、戦っている」ことに大きな意味があるのを忘れないでくださいね。

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佐藤セイ

公認心理師・臨床心理士。現在、スクールカウンセラー(中学・高校)・非常勤講師(大学)として勤務しつつ、webライターやブックライターとしても活動中。カウンセラー・講師・ライターのどの立場であっても、受け取る人にとって、消化しやすい言葉や表現を選ぶことを心掛けています。

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