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2023.06.22

自己肯定感は低いけど親としての自分に0点は付けない

インスタグラムで育児にまつわる情報を発信している「ソクたまアンバサダー」。そんなアンバサダーのみなさんに、子育てや教育について、それぞれの視点で執筆してもらうコラムです。今回は,
知育インスタグラマーとして活躍中の、論文ママさいとうさんの子育てコラムをお届けします。

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私にとって子育ては、素晴らしい発見の連続であると同時に、自分が親からされて嫌だったことをひとつひとつ思い返し、改めて傷つく、というしんどい作業でもある。

私は今年34歳だけど、自己肯定感とか自己効力感がとても低い。

それは子どもの頃からあまり変わっていなくて、人生の所々で「あれ? 私今自己肯定感めっちゃ高くない?」などと思っても、実際は自己肯定感に見せかけた他人に対するつまらない優越感だったり、肥大化した自尊心だったりする。

自己肯定感の低い人間が子どもを育てるとどうなるのかおわかりだろうか。

その綻びは、100%子どもに向く。

私の両親は悪い人達ではないけれど、様々な手段で子どもをコントロールしようとする傾向が強かった。

父は暴力とネグレクトのなかで育ち、母もまた、貧しい田舎のしがらみと、長男第一主義の祖父母の元で、抑圧されながら育った人だった。

だからなのか、二人とも自分の親に対して強いコンプレックスを抱えている。そして私もまた、その連鎖の中に入っている。

息子には、自分のことを大好きになって欲しい。

この連鎖から逃げて欲しい。そう思っているから、たくさん育児書を読み、研究論文を読んできた。

そのなかで、幼少期からのポジティブな言葉掛けや、共感がいかに大切かを知った。だけどその度、自分が育った環境とのあまりの違いに傷ついたのも事実。

「これを全部プリントアウトして親に突き付けてやりたい」

という意地悪な衝動に駆られながらも、「息子には同じ思いをさせまい」というモチベーションで、あらゆる情報を用い、自分を「洗脳」してきた4年間だった。もはやリハビリに近い。

インスタでは知育発信者として沢山の方にフォローしてもらっていても、それはあくまでネット上の数字であって、当然私が優れた母親であるというわけでは全くないし、何の証明にもならない。

笑える日ばかりじゃないし、SNSに載せてない(というか載せられない)ダメな部分は山ほどある。

自分がイライラしたときや息子を叱るとき、とても嫌味な言い方をして突き放したり、必要以上に怒鳴って、息子をコントロールしようとしてしまう。

それらはまぎれもなく、全部自分がされてきたことで、当時嫌だった母の言動と全く同じ言い回し、「親」という立場を利用した最も卑怯なやり方で、息子の心を傷つけてしまっていた。

唯一母と違うとすれば、私は冷静になってから必ず「怒ってごめんね。ママが悪かったね。嫌だったね」と息子に謝っていることだ。

でも、それってなんか、DV男の常套手段みたいだ。(例えば殴ったあとに優しくする~みたいでなんか妙に気持ち悪い。)


子どもは絶対に親を許してくれる。その優しさに甘えているのではないかと、謝りながらも常に違和感があった。

怒鳴ると海馬が委縮するとか、嫌味な言い方は自尊心を傷つけるとか、わかっているにも関わらず、「嫌な親」になってしまう。そして後悔のループである。

きっと私だけではないのだと思う。親コンプをこじらせているのも、カッとなるのも。

誰もが何度も後悔を繰り返して子育てをサバイブしている。

だけど、忘れてはいけないのが、それを許してくれる我が子がいるから、この関係は成り立っているということ。

どんなに怒っても、幼い子どもはみんな親が大好きだし、優しくされたいと思っている。かつて自分もそうだったように。

でなければ、この関係はとっくの昔に破綻しているだろう。

今年息子が幼稚園に入園し物理的に距離を置いたことで、怒る頻度もイライラも激減した。

それどころか最近は

「いいなぁ、息子は。こんなに毎日遊んでくれるパパと、大好き大好きって言ってくれるママがいて」

とさえ思っている。(謎の立場)

それでもそのうち成長して、自己肯定感の低さからくる私のこの異常性に、息子が違和感を抱くときがくるのではないかと思うと恐ろしい。

今だから、この年齢だから、愛情だけでカバーできているということも肝に銘じておかなくてはいけない。

良かったこともある。


例えば、幼い頃母と一緒の布団で寝ていたこと。
母はいつも私のほうに背中を向けて寝ていて、どんなにお願いしてもこっちを向いて寝てくれることはなかった。


母の背中を見ながら寝るのはとても寂しく、「何でこんなにお願いしてるのに、こっちを向いてくれないんだろう」と、そんな些細なことで物凄く傷ついていたけれど、

だからこそ、今私は息子と寝るとき、必ず息子のほうを向いて寝るようにしている。


「そんな程度」のことで子どもは容易く傷ついてしまうことを知っているし、息子には同じ寂しさを感じて欲しくないからだ。

小学生の頃、母の誕生日にお小遣いで買った植木鉢が、一週間後粉々になってベランダのゴミ置き場に入れられていたことも(そしてそれについて何の説明もなかったことも)

当時はとても傷付いたし、不信感しかなかった。

今でも誰かに何かをプレゼントするのはとても苦手で、粉々になった植木鉢が鮮明に思い出される。

けれど、おかげで今私は、息子が拾ってきた石ころひとつでさえ大切に保管しているし、もし息子からプレゼントをもらうことがあれば死ぬまで使い続けようと思っている。

親の影響は多大だ。そうなりたくない、と思っていても気付けば同じような話し方、行動をしてしまう自分がいる。

「親の一挙手一投足が子の人格を作る」

それこそが重荷でストレスの原因だと思う人もいるかもしれないが、それはもう仕方ない。

私達は選んで子どもを産み、「育児」という、絶対に降りられないとわかっているレールの上に、自ら乗ったのだから。

自己肯定感なんていくらあっても足りないくらいだけど、低いからこそ「我が子には気をつけよう!」と思えることが沢山ある。

「嫌な記憶の脳内処理」は一見とてもしんどい作業だが、その中にこそ、もっと優しくなれるヒントが隠されているのではないか。

消化できないまま親になった私達は、誰よりも「いい親」になれる可能性を秘めているはずだ。

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