• facebook
  • twitter
  • feedly
  • LINE
  • hatena
2021.06.24

自己肯定感は低いままでもいい!?  “ありのままの自分”で子育てもラクになる!

最近よく見聞きする“自己肯定感”というワード。自分や他人を評価する言葉として使うこともありますが、この言葉に振り回されている節はないでしょうか? そもそも自己肯定感は高い方が良いのか、子育てにも関わることなのか。発行部数8万部突破『「自己肯定感低めの人」のための本』の著者・山根洋士さんに教えてもらいました。

  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • feedlyfeedly
  • LINELINE
  • hatenahatena

“自己肯定感”の本来の意味って?

“自己肯定感が高い人”というと、皆さんはどんな人をイメージしますか? 「自分に自信がある人」と答える人は多いのではないでしょうか。けれど、実は“自信がある”とか“ポジティブである”といったことと自己肯定感は、関係がありません。

“自己肯定感”とは自分はありのままでいい、生きているだけで価値があるという感覚のこと。つまり、ネガティブで自分に自信がない人でも「自分は自分!」と思える人は自己肯定感が低くありません。

一般的に自己肯定感が高いといわれるような人は、自分にできることをやってできないことはやらない。「無理だからいいや、得意だからやっておこう」という感覚を持っているのです。

つまり、嫌なことや向いていないことは諦めるという選択もアリ。無理に頑張って結果が伴わなかった時、自己肯定感が低い人はさらに低い状態に落ちてしまいます。

自己肯定感は、環境により育まれる

日本人は、全般的に自己肯定感が低いといわれています。しかし、そもそも人間は生まれた頃から自己肯定感が低いということはありません。そもそもは高い所からスタートしているのが、教育や環境でどんどん落ちていってしまいます。

最近の研究で自己肯定感はある程度、遺伝や体質による部分があるということが分かっています。しかし、自己肯定感は身近に接する大人、あるいはきょうだいといった育ってきた家庭環境からの影響が一番大きいのです。つまり、親の自己肯定感が低いと子どもの自己肯定感も低くなる可能性は大いにあり得ます。

また、自己肯定感が低い人の育った環境を見ると自己肯定感が低くなるような育て方をされていることが多いものです。そして、自分もわが子に同じような子育てをしてしまい、子どもの自己肯定感が低くなるという連鎖が起こります。

自己肯定感が低い人(低いと感じる人)は、“なぜかうまくいかない”という場合が多くあります。「〇〇したいけれど、周りの目が気になるからできない」「いい人だと思われたいから、頼みごとを断れない」。こういったことが積み重なると、心のモヤモヤが発生しますよね。このモヤモヤの原因となっているのが、「メンタルノイズ」というものです。次章で詳しく解説しましょう。

自己肯定感の低さの原因は“メンタルノイズ”

自己肯定感に大きく関わるのが、メンタルノイズ。メンタルノイズとは、自分が「ついやってしまう心のクセ」です。

何かにチャレンジしたいけれど自信が持てない、断りたいけど断れない、周りが自分をどう思っているか気になる、成功している人を見ると不安になる…、そういった気持ちになってしまう原因がメンタルノイズです。どんな人にも思い当たるものはあるはずで、これが自分を邪魔しているのです。

メンタルノイズは、経験したことが潜在意識にどんどん蓄積され増えていきます。

一般的に、メンタルノイズの影響を受けやすいのは

  • 受け身になりやすい素直な人
  • 物事を深く考える内向的な人
  • 切り替えが苦手な生真面目な人

といったタイプの人。

目の前にある問題を解決しようととことん向き合ったり、ルールに従順だったりする人は「こうあるべきだ」という思いが強い傾向にあります。うまくいかないと「自分はダメだ」と考えてしまい、結果的に自己肯定感が低くなってしまいます。

しかし、もし何度やってもうまくいかないとか長期間解決しないということがあるのであれば、それは間違いなくメンタルノイズが原因だと思ってください。

もう少し分かりやすく、メンタルノイズについて解説しますね。

悩みの種から見つける自分のメンタルノイズ

自己肯定感が低い人を悩ませているのが、メンタルノイズだということは先述した通りです。また、メンタルノイズの素となるのは子どもの頃のマインドセット。マインドセットとは簡単にいうと“思い込み”のことで、価値観・倫理観・信念といったもの。潜在意識に深く刻み込まれた記憶で、6歳までに作られるといわれています。

マインドセットが生み出すメンタルノイズにはどういったものがあるのか、いくつか紹介しましょう。

山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』では、悩みを作り出す心のモヤモヤとなる14個の「メンタルノイズ」が紹介されています。ここでは、親子関係に影響をもたらすことの多い5個のメンタルノイズを解説してもらいます。

自分に自信がない、できないと思ってしまう「ダメ出しノイズ」

  • 人前で話すのが苦手でドキドキする。
  • ちょっとしたミスが気になって、一日中どんよりとした気分になる。
  • 責任ある仕事を任されるのが怖い。
  • 子どもが何を言っても、何をしても、ついダメ出ししてしまう。
  • 子どもが自信がなさそうな態度を見せると、イライラする。

わが子に対しても、ストレスなどがあるときについ「片付けもできないなんて、ダメだなあ」「サッカー選手なんて、なれるものじゃないよ」など否定的な発言を投げかけてしまうことはありませんか?

こういった症状がある人は、「ダメ出しノイズ」が邪魔をしています。ダメ出しや否定を繰り返される環境で育った人によく見られます。「自分はダメだ」という思い込みがあるため、自分に自信が持てないのです。

つい人と比べてへこんでしまう「ありのままの自分封印ノイズ」

  • SNSで生き生きとした人の投稿を見ると嫌な気分になりへこんでしまう。
  • 頑張っているのに、他の人の方が評価されていると思ってしまう。
  • 身近な人の“良い報告”や同僚・友達が褒められても素直に喜べない。
  • 人からの評価が過剰に気になり、他人と自分をいつも比較してしまう。
  • 子どもに「こうなってほしい」という理想像を押し付けがち。
  • わが子とわが子の友達を比較して、わが子ができないことが過剰に気になる。

これは子どもの頃に誰かの理想を押し付けられる環境で育つと作られるありのままの自分封印ノイズ」で、「自分のままでいない方がいいんだ」という思い込みが膨らんでしまったがゆえのものです。

わが子に「お友達の〇〇ちゃんはよくできるのに、あなたははできない」といった発言をしてしてしまう人はありませんか? こういう人はありのままの自分を封印しているため、子どものありのままも受け入れられない傾向にあります。

また、このノイズが強い人はママ友の発言や態度を気にするタイプでもあります。

言いたいことが言えない「他人ファーストノイズ」

  • 今日は肉が食べたかったのに、反対されるのが怖くて言い出せない。
  • 自分の欲求を出して自由に生きている人を見ると、イライラ・モヤモヤする。
  • 手伝ってほしかったけど結局、遅くまで一人で残業する。
  • 子どものことが最優先、自分のことは全て後回しにして疲れている。
  • 子どものためにしてあげているのに、子どもが断るとキレる。

言いたいことが言えず、後から「言っとけば良かった」「断らなきゃ良かった」と後悔することが多い人は「他人ファーストノイズ」タイプ。自分を後回しにして、他人優先で考えることが多くあります。

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と言われることの多い、長男・長女、きょうだいの多い家庭の兄・姉によく見られるノイズです。家族に気を遣う環境で育つと作られます。

ママ友同士の会話で自己主張ができず、つい周りに合わせてしまうことはありませんか?

うまく人に頼れない、気を遣いすぎて疲れる「ちゃんとしなきゃいけないノイズ」

  • 人に頼るのが苦手で、いつも自分だけ残業になってしまう。
  • 簡単に人に助けを求める人や、わがままな人を見るとイライラする。
  • 人の面倒ばかり見ているのに報われず、いつも自分が損をする。
  • 何をやっても人に気を遣ってばかりで、自分が楽しめない。
  • ちゃんと子育てしよう、子どもにちゃんとさせようという思いが強い。
  • 「自分のことは自分でやりなさい」と子どもにいつも言う。

常に人からの評価が気になり誰からも嫌われたくないので、甘えられないしわがままも言えない。自分の思いを抑圧していることが多いこのタイプは、「ちゃんとしなきゃいけないノイズ」。

他人ファーストノイズと同じく、弟や妹がいたり両親が共働きだったりすることで「自分がちゃんとしなきゃ」という思い込みが育ってしまうのです。

このタイプの人は、子育てでも「ちゃんとしなさい」とわが子につい言ってしまうことが多いようです。

いいことが続くと怖くなる、心から安心できない「幸福恐怖症ノイズ」

  • 長い休みや遊びが、心から楽しめず逆に不安になる。
  • ボーッとくつろいでいることができず、何もしないと罪悪感がある。
  • 幸せは長く続かないと思って、良いことが続くと怖くなる。
  • 子どもが楽しそうに無邪気に遊んでいると、なぜか落ち着かない。
  • 子どもの将来がいつも不安でしょうがない。

「これで良いのだろうか」といつも満たされず、安心できない人は「幸福恐怖症ノイズ」に邪魔されています。両親が苦労していたり忙しくつらそうな姿を日常的に見てきた人に多く、親よりも幸せになることに罪悪感を抱いてしまいます。

これは、母と娘の関係に多いパターンでもあります。「お母さんと一緒に不幸になるわ」と潜在意識レベルで勘違いが生じ、「なぜだか分からないけれど幸せになることに罪悪感がある」という状況になりやすいのです。

山根さんに5個のメンタルノイズを紹介してもらいましたが、心当たりのある“クセ”はあったでしょうか? 山根さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』ではより詳しく、メンタルノイズ別の思考転換法が紹介されています。

メンタルノイズは、全ての人が持つ考え方のクセ。けれど、その影響を強く受けやすい人は自己肯定感が低くなってしまいます。そして自己肯定感が低い人は、子育てにおいてわが子の自己肯定感を下げてしまう言動をしがちです。

自己肯定感が低い親必見! 子育てにおける7つの心得

親の自己肯定感が低いことで、子どもも自己肯定感が低くなることは事実です。

けれど、どんなに親がああだこうだ言っても、子どもは最終的には自分が受け取りたいものしか受け取りません。

子どもが何か悪いことをした時、親の育て方を追及されることは少なくありません。しかし、いわゆる“毒親”と呼ばれる親の元で育った人でも普通に育つ人は多くいるし幸せに暮らしている人もたくさんいます。ですから、子育てで悩んだり子どもが何かトラブルを起こしたりしても「自分の育て方が悪いからだ」とは思わないでください。ここで解説するのは、親も子も幸せに気持ち良く過ごせるコツ。子どもとの関係を客観的に見つめることで、自分の自己肯定感が低い理由を知ることができるかもしれません。

【1】行為を否定し、人格は否定するなかれ

まず、自己肯定感が低い親全般にいえるのが無意識のうちに子どもに対してNGな言動をしてしまうということ。

例えば、片付けをしない子どもに対してその行動を注意するのはOKです。しかし、「あなたは本当に片付けのできない子だね」など、その子自身を否定してしまうことはありませんか? 最も子どもにしてはいけないのが、人格否定。「僕(私)はダメな人間なんだ」という意識を植え付けてしまうことがあります。

【2】他の子と比べるなかれ

きょうだいや他の子どもと比較しないことも、大切です。「あの子に比べてあなたは…」「お兄ちゃんに比べて…」という発言は、ついしてしまうこともあるでしょう。しかし、そう言われた子どもは「自分を認めてもらっていない」と思い込み、自己肯定感がどんどん下がっていきます。

「隣の芝生は青く見える」ということわざがありますが、他の家の子どもの良いところは目につくのに、わが子の場合は悪いところばかりに目が行ってしまうということはありませんか? 

【3】過去の自分を自慢するべからず

「お父さんはあなたくらいのときには2~3時間は勉強してたな」「お母さんはこうやって頑張ったから成功したんだよ」など、過去の自分とわが子を比較してはいけません。自己肯定感の低い人は自己肯定感の高さの根拠を過去に求める傾向にあるため、こういう発想が出てきてしまいがち。

親は親、子どもは子どもで別人格です。自分の自己肯定感が低めで子どもに自己肯定感を高く保ってもらいたいのであれば、なおのこと自分と子どもは切り離して考えるクセをつけましょう。

【4】自分の失敗は認めるが、叱った後には謝るなかれ

自分の失敗を認めないのは、自己肯定感の低い人の傾向です。間違った時、失敗したときには子どもに対してそれを認め、謝ることは大切です。

ただし、子どもを強く叱った後に「さっきは言いすぎてごめんね」と謝るのは間違いです。

こう言われしまうと、子どもは自分の心にたまった怒りや感情のやり場がなくなってしまうのです。人間は基本的な仕組みとして、“感情の消化機能”を備えているものです。怒られた後に部屋にこもったり、壁にぬいぐるみを投げつけたり、何かをたたいたりすることもあるでしょう。しかし「ごめんね」と言われると、消化の邪魔をすることになってしまいます。そうすると最悪、その矛先を自分に向けてしまう。「自分が悪かったんじゃないか」となり、子どもの自己肯定感が低くなることがあります。

謝るというのは自分の罪悪感を子どもに投げつけているだけのこと。親は、自分で消化しなければなりません。謝りたくなる気持ちは、グッとこらえましょう!

【5】過保護になるべからず

自己肯定感が低い人は自分が信じられないため、子どものことも信じられません。「この子は大丈夫!」と思えずに不安が先走り、子どもが挑戦する機会や失敗する機会を奪って、何でも親が先回りしてしまい過保護になりがちです。

親が何でも決めるような環境で育つと、子どもは考えることを放棄するクセがつくので、大人になってからも決断力がなく悩むことが多くなってしまいます。

【6】子どもの欲求をスルーするべからず

メンタルノイズの一つに「謙虚謙遜ノイズ」というものがあります。これは他人に評価されないと嘆く一方で、潜在意識の中では愛情や称賛を素直に受け取れない人で、99%母親との関係に影響されます。つまり、「お母さんに認めてもらいたい」という子どもの欲求をスルーしてしまうことに起因しているのです。

子どもが「できたよ!」「100点取ったよ!」と報告しても、スルーしてしまったり一緒に喜んであげなかったりというのは感情の受け取り拒否が起きている状態。そうすると、子どもは「どうせ喜んでもらえないし、報告するのはやめよう」と屈折した思考になってしまいます。

忙しいと、つい子どもの話を聞き逃すこともあると思いますが、子どもが喜んでいるときは一緒に喜ぶ、共感することは大事です。

【7】自分の子どもの頃を思い出すべし

自分の子どもの頃を思い出すことも、子育てにおいては大切です。

自分が親からされて嫌だったことと、してほしかったことをリスト化してみてください。そして、自分が嫌だったことは子どもにしない。やってほしかったことは子どもにしてあげるんです。大人になると子どもの頃の気持ちをすっかり忘れてしまい、自分が嫌だと感じた親の言動をわが子に行ってしまいます。

では、既に自己肯定感が下がっている子どもに対して、親はどのように接するべきなのでしょうか。次章で解説しますね。

自己肯定感の低い子が自信を取り戻すために

自己肯定感の低さは、だいたい小学3~4年ごろから表れることが多いものです。言動の特徴としては、

  • 「どうせできない」「やっぱり、無理」といった発言をする。
  • 挑戦することを嫌がる。
  • 過剰に失敗を恐れる。
  • 周りに感謝できない。
  • 相手に謝ることができない。
  • 人のためにすることが苦手。
  • いじめの加害者・被害者になる。

こういった言動が見られる場合は、自己肯定感が低い可能性があります。そして、その原因となるメンタルノイズの強化を止めることが必要です。

ただし、一つ覚えておいてほしいのが“メンタルノイズは必ずしも全て悪い方向に行くとは限らない”ということ。

例えば、人の評価が気になって仕方がない繊細な人は「おもてなしノイズ」が発生している状況になります。自分は楽しくないけれど、人を喜ばせなければならないという義務感が強いのです。そのため、気遣いばかりで疲れ果ててしまうことはあるでしょう。しかし、それが良い方向に発揮できると優秀なサービスマンになる可能性を秘めています。おもてなしノイズを持つ人の中には、ホテルや飲食業、サービス業で出世する人が多いんですよ。

つまり、わが子の自己肯定感を下げない接し方を知ることも大切ですが、わが子の特性や向き・不向きを理解することも大切になるということです。

自己肯定感が低いことを否定してはいけない!

一番大事なのは、自己肯定感が低いと感じるような言動を注意したり否定したりしないこと。そこを否定してしまうと自己肯定感の低さを上塗りしてしまうことになります。

僕には4人の子どもがいますが、長男が自己肯定感の低めの傾向が出てきています。チャレンジすることが苦手で、「無理な気がする」という発言が多い。けれど、励ますつもりで「自己肯定感低いなあ。挑戦しようよ!」といった発言は絶対にしてはいけません。

また、「そんなことないよ、できるよ絶対!」というのもNG。なぜなら、子どもは“できない”と思っているから。それなのに、そんなふうに言われてしまったら「僕の気持ちを分かってくれない」と感じてしまいます。プレッシャーに感じることもあるでしょう。

「そっか、そう思うんだ。じゃあ、また挑戦したくなったらやろうね」「お父さんはできると思うけど、まあいいや」という発言はOK。今の状態を認めてあげる、考え方を尊重するというのが自己肯定感をカバーすることになります。

最初のアプローチとして大切なのは、そのままの子どもを認めてあげることです。

さて、最近よく聞くのが“自己肯定感を高めよう”というフレーズ。自己肯定感を高めるためのノウハウ本などもよく見かけますよね。けれど、世間で紹介されているような高め方のアプローチは、もともと自己肯定感の高い人がそれを維持したりもっと挙げたりするための方法が多いものです。同じ方法を自己肯定感の低い人が実践すると、心が苦しくなってしまうこともあります。そして、“できない”自分に「やっぱり、自分はダメだ」「私には無理だ」という悲しい無限ループに陥ることも…。

だから、僕はあえて自己肯定感を高める必要はないと思っています!

自己肯定感は高めなくてもいい! 必要なのは「自己納得感」 

誰でも、自己肯定感は低いより高い方が良いと思いますよね。けれど、本当に必要なのは悩みや問題に直面したときに納得できる“自己納得感”です。

自己肯定感の低さに直接アプローチして、それを上げようとしてもうまくいきません。自己肯定感を取り戻すためのアプローチ、“自分は自分、これでいいんだ”という自己一致・自己納得感を持てるようにすることが必要です。結果的に、自己肯定感を取り戻すことができますから。

最終的なゴールとなるのは、自己肯定感が気にならなくなること。自己肯定感の高い低いを気にしている間は、自己肯定感にとらわれているということです。そうすると、何かの拍子に低い状態に裏返ってしまう可能性があります。

先述したように、自己肯定感の素は6歳までに作られます。しかし、6歳を過ぎたら手遅れというわけではなく修正が可能。もちろん、子どもだけではなく大人も今から修正できるんですよ。

自己肯定感は一つの塊だと思っている人が多いですが、実はそうではありません。皆さんの周りに“仕事はできるけど、家庭内がうまくいっていない”とか、“仕事はできるけど、体がボロボロ”なんて人はいませんか? これは、一方の自己肯定感は高いのにもう一方の自己肯定感が低いという状態。つまり、それぞれの人が持つ自己肯定感には得意・不得意があるということです。

言ってみれば、自己肯定感は土地と建物のようなイメージ。自己肯定感という土地の上に、建物という別の自己肯定感があるという二層構造になっているのです。土地は何歳からでも養えるし、建物も何歳からでも建て替えることができます。

もう自己肯定感が低いことに悩まない! “クセ”を直す思考のエクササイズ

最後に、自己肯定感に悩まなくなるためのトレーニングを紹介しましょう。難しいテクニックは必要なく、簡単にできるのでぜひ試してみてください。

「インナー舎弟」を作ろう

一番、手軽で効果のある方法が「インナー舎弟」。

正解もゴールもない中、ずっと走り続けなければならないのが子育てです。“できて当たり前、できなきゃダメ”という雰囲気もあり、精神的につらい状況になることはあるでしょう。

ここで登場してもらうのが、インナー舎弟です。あえて自分を褒める・労うという心を持つことが大事。実は自分を褒めるのは非常に難しいことなので、心の中に別人格を作るんです。「ああ、ダメだな私」と思ったら、「いえいえ、あなたはよくやっています!」と心の舎弟に褒めてもらいましょう。

セルフ突っ込みをしよう

子どもを叱りすぎた時、子どもが友だちとトラブルを起こした時、子育てに悩み「育て方が悪かったのだろうか」と自分を責めることもあるでしょう。特に、自己肯定感の低い人はこういう傾向にあります。

そんなときは、お笑いコンビの「ぺこぱ」さん風に「私ってダメだな…とも言い切れない!」とセルフ突っ込みをしましょう。

「本当に、効果があるの!?」「ふざけてる!?」と感じた人もいるのではないでしょうか。いえいえ、本気です。メンタルトレーニングや心理療法は、こういう簡単なことも実は効果があるんです。こういう思考のクセの修正をすることで、少しずつ自分を認められるようになっていきますよ。

子育ての悩みは自分へのメッセージとして受け取る

子どもの問題行動や思うようにいかないことは、子どもの問題ではなく自分自身へのメッセージという視点で捉えることも大切です。

親の目線を向けるために子どもが問題行動を起こすのは典型的なパターンで、母親のストレスが軽減すると、子どもの状態が良くなるというのは臨床データとして世界的に知られているところです。

例えば、僕の話でいうと三男が小さい頃、僕が忙しくなると体調を崩しがちだったんです。3回くらい繰り返したときに、これは自分の問題だと気が付きました。僕は、もともとが怠け者なのでそんなに忙しく働くのが好きではないんです。これはきっと、「父ちゃん、そんな一生懸命働きたくないでしょ」というメッセージだったのだと思います。僕自身は「頑張り屋さんノイズ」が働きがちなので、三男の体調を崩すのを見て「ああ、頑張りすぎてるな」と気が付きました。

子育てで悩むことがあった時、「私の今の状態はどんなだろう」と自分の心や行動に目を向けてみてください。

子育てで悩んだことがないという人は、いないのではないでしょうか。心理の専門家であっても、パーフェクトにできる人は絶対にいません。僕自身も日々、悩みながら考えながら子育てしています。完璧も正解も、答えもないからこそ、悩むんですよね。

僕が思うのは、親が子どもに与えることができるのは愛情と信頼だけだということ。でも、この二つさえできれば何とかなるんです。親が思っているより子どもは強いし、たくましいですから。

子育てにおいては、一つ悩みが解決すると、また別の悩みが発生するというのはよくあることです。ママ友関係や仕事のことで、悩みが山積み状態という人もいるでしょう。そんなときはインナー舎弟に「あなたは良くやっています!」と褒めてもらい、「私ってダメだな…とも言い切れない!」とセルフ突っ込みを入れる。ぜひ、試してみてくださいね。

<構成・執筆>ソクラテスのたまご編集部

山根洋士

山根洋士

心理カウンセラー。ノンフィクションライターとして活躍する中、激務で入院。そのときに出合った心理療法から「なんのために生きるのか」を模索した末、カウンセリングを提供したいという思いでカウンセラーに。数多くの経営者やプロスポーツ、芸能人等への取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れたメンタルノイズメソッドを開発。実践中心のカウンセリングで一線を画し、これまでに8000人以上もの悩みを解決。すぐに実践できるワークと、論理的なセッションで好評を博している。▶ 【メンタルノイズ心理学 山根洋士公式チャンネル】 

\ SNSでシェアしよう /

  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • feedlyfeedly
  • LINELINE
  • hatenahatena
  • ソクラテスのたまごの
    最新情報を受け取ろう

    いいね!するとfacebookに情報が届きます