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2021.03.09

【新体力テスト・長座体前屈編】体を柔らかくする方法とコツを伝授します

長座体前屈は新体力テストの他の種目と比べ、ちょっとしたコツをつかむことで記録が伸びやすいものです。体が柔らかくなるために日頃から取り組みたいストレッチ、測定直前に取り組める簡単な運動も動画で紹介します。ぜひ、良い記録に向けてチャレンジしてみてくださいね!

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新体力テスト「長座体前屈」とは?

「長座体前屈」は、柔軟性を測るものです。年代によってはなじみに違いがあるのではないかと思います。長座体前屈は、1999年から取り組まれている種目。1999年以降に学校に通っていた人は、経験したことがあるでしょう。

下の写真は、長座体前屈に使われる測定器です。

1999年以前は、「長座体前屈」ではなく「立位体前屈」が体力テストにおける柔軟性の測定項目でした。台の上に立って前屈し、どれだけ爪先より下に指が出るのかを測定するものです。現在、行われている長座体前屈を90度方向転換したものです。

では、なぜ「立位体前屈」が「長座体前屈」に変わったのか。それは、立位体前屈の測定時に台から前側に落ちてしまうと事故(けが)が増えたことにより学校の体力テストでは取りやめになったのです。

測定時の事故多発の原因として挙げられるのは、子どもの体力低下。脚の筋力が低下したことなどにより、台の上で前屈した際に自分の体が落ちないように支えることができない子どもが増えたとされています。

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運動・日常生活・健康のキーポイント。柔軟性ってこんなに大事!

【運動との関係性】
柔軟性は、運動に大切なものです。柔軟性があることで可動域(運動する際の関節の動く範囲)が増えます。さまざまな動きをする際に、スムーズに体が動かせるようになるのです。さまざまな動きができるようになることで、プレーの幅が広がります。

少し強制的ではあるのですが、お相撲さんは入門初期の段階で非常に厳しい柔軟体操(股割り)などに取り組みます。それは長い間、活躍できるけがのしにくい体を作り上げるためです。

【日常生活との関係性】
柔軟性は日常生活の質にも大きく影響を与えます。高齢になり、筋力の減少とともに関節などが硬くなることによって転倒などのアクシデントが起こる可能性が高まります。高齢者が小さな段差などで転倒することは筋力の低下が大きな要因ですが、それに加え関節や筋肉の柔軟性が低くなることも要因です。転倒による骨折が原因で寝たきりになり、認知機能が低下してしまうというケースはよく見られるパターンです。“わが子が高齢になるのはまだまだ先”のことではありますが、子どものうちから柔軟性を高めておくことが大切なのです。

【健康との関係性】
筋肉の柔軟性は、血液の流れにも影響を与えます。筋肉が硬くなると血管に影響し、血の巡りが悪くなります。その結果、疲れやすくなるなどの体調不良にもつながりやすくなります。

【交通事故リスクとの関係性】
柔軟性は交通事故などのリスクとも関連があります。街の中を歩いているときや自転車に乗っているとき、事故の原因となるものを避けることができるかどうかというのは柔軟性が関連しているのです。筋力・瞬発力なども関連しますが、柔軟性の高い方が事故のリスクは下がります。例えば自転車で転んだ時、柔軟性が高ければ上手に受け身を取ることができて大きなけがを防げたというケースはよくあります。

長座体前屈の平均記録は?

文部科学省の「体力・運動能力調査」の結果(令和元年度)によると、長座体前屈の平均記録は下の表の通り。

男子より女子の方が数値が1割程度良いことが分かります。一般的に、女性の方が骨格やホルモンの関係で柔軟性が高いとされています。女性は生まれつき出産をするために股関節を中心に可動域が大きくなっています。さらに女性ホルモンの中には、靭帯や腱を作るコラーゲンを柔らかくする作用があることも関係しています。

また、過去の平均記録との違いを見るとこの20年間、微増でほとんど変わっていないことがわかります。「子どもの体力・運動能力が昔と比べて落ちている」というのはよくいわれることですが、長座体前屈に関しては、記録が落ちているという傾向はないようです。

長座体前屈の基本的なルール

文部科学省の「新体力テスト実施要項(6歳〜11歳対象) 」では、長座体前屈の方法は次のように示されています。

  1. 初期姿勢
    被測定者は、両脚を両箱の間にいれ、長座姿勢をとる。壁に背・尻をぴったりとつける。ただし、足首の角度は固定しない。肩幅の広さで両手のひらを下にして、手のひらの中央付近が、厚紙の手前端にかかるように置き、胸を張って、両肘を伸ばしたまま両手で箱を手前に十分引きつけ、背筋を伸ばす。
  2. 初期姿勢時のスケールの位置
    初期姿勢をとったときの箱の手前右または左の角に零点を合わせる。
  3. 前屈動作
    被測定者は、両手を厚紙から離さずにゆっくりと前屈して、箱全体を真っ直ぐ前方にできるだけ遠くまで滑らせる。このとき、膝が曲がらないように注意する。最大に前屈した後に厚紙から手を離す。

長座体前屈が苦手な子の原因とは?

長座体前屈に苦手意識を持つ子の多くは、“体が硬い”ことが原因で苦手意識があるのでしょう。

体が硬い(柔軟性がない)ことについては、遺伝的要素後天的要素の両方が関係しているとされています。親から受け継ぐもの(遺伝的要素)があることも事実ですが、それとともに後からどのようなことをするか(後天的要素)ということも関係してきます。

もともと体が硬い人でも、お風呂上がりなどに柔軟体操を繰り返すことで柔軟性は増します。逆に、あまり体を動かさない生活をしていると体が硬くなる傾向に…。柔軟性は、関節と筋肉が関係しています。椅子に座った姿勢でパソコン作業をしていたりスマホやゲームなどを長く使用したりしていると、肩のコリなどを感じることもあるのではないでしょうか。そういったことが、体の硬さにつながるのです。

また、柔軟体操(アップ)などが十分に行われていないと長座体前屈の記録が悪くなる可能性もあります。アップを少し面倒に感じ、しっかりと腰や肩を温めることをしなかったことが記録に影響を与えることも考えられます。

長座体前屈が苦手! 体が硬いから無理! という子どもにおすすめのトレーニング

ここでは、日頃から簡単にできるトレーニングを紹介します。続けることのできないものは、なかなか効果が上がらないということがあります。今回、紹介するものはテレビを見ながら、音楽を聴きながらなど他のことをしながら取り組める簡単なものです。続けることで、少しずつ柔軟性が高まっていきますよ。

動画の姿勢を、30秒~1分間続ける簡単な体操です。このトレーニングは、下半身の柔軟性を高めることが目的。

ポイントは3つ。かかと・お尻・爪先です。

  1. かかと:指が2~3本入るくらいの位置で固定する。
  2. お尻:なるべく上がらないようにする。
  3. 爪先:同じ方向に向け、間に拳が2個入るくらいにする。

この3つのポイントを押さえた上で、30秒~1分くらい姿勢をキープ。息はゆっくり吸いて吐うように意識してくださいね。お風呂上がりなどの体が温まっているときに行うことで、さらに効果が上がります。

学校では教えてくれない! 長座体前屈の記録が伸びるコツ

測定直前と測定時に取り組むことができる、簡単な柔軟体操とコツを紹介します。どちらもとても簡単なものなのですが、記録を伸ばすことにとても有効です。ぜひ取り組んでみてください。

肩まわりの柔軟体操はとても有効

一つ目に紹介したトレーニングは、日頃から取り組むことで効果が上がるタイプのものです。二つ目のトレーニングは、肩周りの柔軟性を高めるもの。これも日頃から取り組んでも良いですが、測定直前に行うのが効果的です。肩周りが温まることで、長座体前屈の記録が伸びやすくなりますよ。

動画のポイントを解説しましょう。

ゆっくりと両手を前に、後に回します。この時、息は止めることなくゆっくりと吸ったり吐いたりしながら取り組みましょう。次に、肘を曲げて同様に前後に回します。最後に、手を前と後で組むようにして伸ばしていきます。

おへそを見るようにすることで体が伸びる

実際に長座体前屈に取り組むときのコツになるのは、“頭の位置”。おへそを見るようなイメージで、頭を両腕の間に入れ込みます。そうすることで、背中から肩が前へ伸びるようになります。上で紹介した肩の柔軟体操に加え、頭の位置を意識することで記録が伸びることにつながっていきます。

測定当日には、紹介した肩の柔軟体操がとても有効になります。待っている間に肩の筋肉や関節を緩めるようなイメージで取り組むと良いでしょう。そして、“おへそを見る”イメージで取り組むことで良い記録につながるでしょう。

普段から、一つ目に紹介したような柔軟体操に少しずつ取り組むのもおすすめです。長座体前屈の記録を伸ばすだけでなく、生活の質を上げることにもつながるのでぜひ取り組んでみてくださいね。

<取材協力>横浜市立下田小学校
<参考資料>

鈴木邦明さんの著書『学級遊び&授業アイスブレイク』

    新型コロナウイルスの流行やGIGAスクール構想の進展に伴い、学級や授業の新しい形が模索されている昨今。そんな学級・授業の“新様式”に対応した、オンラインやソーシャルディスタンスで(密にならずに)できるアクティビティを50事例も紹介しています。学校や学童向けの著書ですが、親子のコミュニケーションとして家庭で取り入れるのにもおすすめです。

鈴木 邦明

鈴木 邦明

平成7年東京学芸大学教育学部小学校教員養成課程卒業。平成29年放送大学大学院文化科学研究科生活健康科学プログラム修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務し、学級担任としてさまざまな子どもたちや保護者と関わる。現場での長年の経験を基に、教員・保護者向けに様々な教育関連情報サイトなどで役立つ情報を発信。現在は教員育成に軸足を移し、平成30年4月から帝京平成大学現代ライフ学部児童学科講師。(財)日本体育協会・スポーツリーダー、WSSA-JAPANスポーツスタッキング指導者。 

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