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2020.04.14

新型コロナによる不安や休校中の子のヒマを家族のプラスに変える方法

日々、増加していく感染者数やリーマンショックを超える不況が訪れるなど、ネガティブなニュースや先行きの見えない不安に押しつぶされそうな今の日本。知らないうちに“楽しむこと”を忘れ、マイナスな考え方に支配されてはいませんか? 「こんなときだからこそ親から子どもに教えられることがある!」と語る家庭教育師の藤田郁子さんが、コロナ不安をプラスに変える方法を教えてくれました。

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新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」により、子どもたちにとって制限された生活が続いています。親子ともどもストレスがたまり、爆発ギリギリの状態になっている家庭もあるかもしれません。外出もままならない今の状態は、子どもにとって拷問に似た状態だといっても過言でないと思います。

しかし、心の中まで自粛する必要はありません。外出できないマイナスを心を閉じるというマイナスにつなげることのないように工夫と知恵で閉鎖的な今を壊していきたいですね! できないことを数えるよりも、やれることは限りなくあることに気付くことが大切なのです。

子どものヒマは世界を広げる機会に変えよう

自宅から出られない、やることが限られている等々、退屈に押しつぶされそうな日々が続いています。一方で、学習の遅れが気になっている保護者も多いですよね。ですが、本来の“学び”とは、国語や算数など科目の勉強だけを指しているのでしょうか。今こそ、日頃しないこと、出来ない“学び”に取り組むチャンスです。

ヒマを学びに変えるアイデア例

・本を読む(長編・いつもと違うジャンル)
読書カードを作ると成果が目に見えて読書欲が高まります

・部屋の模様替え(カーテンをかえる・レイアウトをかえる)

勉強しやすい環境を子ども自身が考え作ることで学習に変化が出るかも!?

・アルバムの整理(写真をプリントアウトしてアルバムを作る)

子どもへの愛情を思い出話として伝えることで親子の絆が深まり、子どもの自己肯定感もアップ!

・手紙を書く(祖父母・友達・教員へ)

気持ちを文字にすることで心の中の整理整頓にもなります

・物語(詩)をつくる

発表して褒められると自信になり、成功体験・肯定感の向上につながります

・金魚やハムスター飼う/花を育てる

お世話することで愛着ができ、癒やされ効果も!

・マスクをつくる

※子どもが作り、作ったのを親が購入すれば、お小遣いがもらえて一石二鳥

また、普段忙しく過ごしている保護者こそ、子どもと何をして過ごせばいいのか、遊べばいいのか分からなくなっているという話を聞きます。赤ちゃん、幼児の頃は、いつも一緒に遊んでいたはずなのに「子どもが小学生になった今はどんな風に遊べばいいのか分からない」「小学生がとにかくヒマそうで悩む」という人へ、次は遊びのアイデアを紹介します。分らない時にヒントにしてください。

家での遊び方例

・宝物探し

家の中にお菓子やおもちゃを隠す。

・カルタつくる

親子ネタで作って遊ぶ。

・背中に文字を書いて当てる

背中に文字を書いて、書かれた人が何の文字を書いたか当てるゲーム。意外と楽しく、人に触ってもらうことでオキシトシンが出て癒やされる。

・部屋をお化け屋敷にする

部屋を暗くして座布団、毛布等・スポンジの上を歩いたり(ふわふわ気持ち悪い)、踏むと音がするものを用意して驚かしたり、天井からコンニャクをぶら下げたり、自由な発想を形にします。ただし、片付けが大変ならNG。

・テニスボールを縦に積み上げていく※
集中力がつきます。勉強する前にやると効率がアップしますよ。

時間はたっぷりあるので、いつもやらないことにチャレンジしてみてください。生意気に見えていた子どもの無邪気な一面を思い出すこともあるでしょうし、一緒に笑い合うことで子どもが不安などの本心を話してくれるきっかにもなるかもしれません。

※参考資料「30秒集中法いきなり一点にすべてをの能力を集め、持続させる」森健次郎著(ワニブックス)

シビアな現実に対する親の姿は生き方を学ぶ絶好の機会

ただプラスに物事を考えたくても、家計にひたひたと不安の波が押し寄せて来ている現実があります。

父親の仕事が減る、急に共働きになる等々、子どもの目からみても明らかに変化があるときに、どう今の状況を伝えたらよいのか迷ってしまいますよね。子どもの年齢にもよりますが、親が言わなくても子どもは家の経済状態の変化は薄々とでも気づくものです。

その時に大事なのは、家計が苦しくなった時ほど、「ケセラセラ~何とかなる~」の心意気でいることです。家の中が暗くなってしまうと益々気持ちが落ち込んでしまいます。

家計が苦しい中こそ両親が支え合い、踏ん張っている姿を子どもに見せられるよいチャンスです!

逆に夫婦喧嘩がたえず、経済の不安をぶつけ合ってしまうと家庭の崩壊にもなりかねません。子どもの不安は、子どもの心の中で膨れあがり、親への信頼感もなくなっていきます。夫婦は人生共同体と腹をくくって一緒に乗り切っていく覚悟をもちましょう。

その夫婦の姿が子どもの生き方の見本になります。言葉で「苦あって楽あり」「ぼろを着ても心は錦」ということわざなどを子どもに言ったところで心に届けるのは難しいですが、親の生き方を通して感じたことは、子どものその後の人生で苦難に見舞われたときに役立つはずです。

親の辛い気持ちをケアする方法

いくら子どもの前では「大丈夫」という態度を見せていても、辛い気持ちはありますよね。しかし、現実に目を向けると辛いばかりで苦しくなってしまいます。あえて想像の翼を広げてみてください。

戦争や震災など予期せぬことで人生が変わってしまったり、家族を失ってしまったりする人もいることでしょう。まずは今日、家族が健康に暮らしているということを幸せだと実感してみてください。

また、心が重くなるとうつむいてしまいがちです。空を見上げ、深呼吸をして心配・不安を吐き出しましょう。弱音を聞いてくれる人がいればなおいいですね!

【家計×進路問題】将来設計を考え、生きる力を育てる時と捉えよう

受験生をもつ親にとって精神論だけでは乗り越えられないこともあり、親の経済が子どもの志望校にまで影響することが出てくるのも現実です。

何とかして子どもの希望を叶えてあげたいのが親心ですが、やはり経済は大事な土台になります。経済面で不安に感じる方もいるかもしれません。

中には、子どものために教育ローンを考えている人もいることでしょう。しかし、見極めてほしいのは、子どものやる気です。「親が喜ぶから」あるいは「世間体が良いから」「行けるなら行きたい」程度の気持ちならローンを借りてまで進学させるべきでしょうか。中退してたり、ろくに学ばなかったりしても子どもを許せますか? 親の苦労を肌で感じとれる子であればいいのですが…。

経済的な制限が子どもの自覚を生むことも

わが家の場合、息子が3人に「私大の学費は払えない」という経済状況を志望校(大学)を選ぶ際にハッキリ伝えました。ただし、家の経済状況は日頃の生活に出てきますから、言わなくても理解していたと思います。

その結果、奨学金制度を使いたくない長男は国立大学へ進学しましたが、次男と三男は奨学金制度を使い私学へ進学しました。「若い時から、借金を作ってかわいそう」と言う方もいるとは思いますが、わが家の子どもたちにとっては良い面もありました。

私大へ進んだ2人は、4年間一生懸命勉強しました。そして、奨学金を返すために基本給の高い就職先を選びました。卒業後の生活プランが大学入学当時から出来ていたので、大学時代を無駄にしない生活(バイトも含めて)ができたと思います。この感覚は、経済的に豊かだったらまた違ったのではないかと思っています。

子どもにとって恵まれた環境をつくってあげたいと思うのは親心ですが、恵まれていないからこそ生まれる不屈の精神があります。「ピンチをチャンスにかえる!」「経済的に楽ができなかったからこそ、つかめたものがある!」というのは言い過ぎでしょうか。

しかし、私は生きる力とは、逆境になった時に乗り越えていける力だと思います。

子どもに親がしてあげられることには限界があります。親の限界(経済的に)は、子どもに伝えていいのです。大事なのは、伝えた後、子どもが考えた選択をどう見守るかです。親が応援してくれること、努力を認めてくれること、何があっても味方でいてくれることの方が遙かに心の支えになりますよ。

現実に負けず、まっすぐ前を見て取り組んだ子どもの経験は財産になり、たくましい心と行動力を育てます。苦難の中でも、未来に大きく羽ばたこうとする親子に心よりエールを送ります。

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藤田郁子

1961年、神戸市生まれ。日本家庭教育学会認定の家庭教育師。幼児生活団の指導者・保育士・健康体操インストラクターなどの経験があり、1991年に公益社団法人スコーレ家庭教育振興協会に入会。日本家庭教育学会第24回大会(2009年)、同32回大会(2017年)では、研究論文を発表したほか、ゲームなど、身体から心の交流をはかる「ふれあいトレーニング」や「キッズ保育者研修」のトレーナーとして活躍中。スコーレ協会の首都圏北地区のリーダーも務めている。

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